セイリオス(Seilios)
炎を司る転生の神セイリオス
創世神の中で十六番目に生まれた紅い卵から孵った男神がセイリオスである。その名前は古代ラグナ語で『焼き尽くす者』という意味がある。
彼は炎属性を司り、転生の神格を持つ。セイリオスを象徴するのは炎と剣と太陽であり、緋色をスピリチュアルカラーとしている。また7月を統治していて、この時ばかりはセイリオスは太陽の枷を外し、世界を焼き尽くさんばかりに熱する。
鳳凰の姿を持つ神と伝えられている。鳳凰は不死鳥ともフェニックスとも呼ばれ、業火に身を包み、死す時に自らの身を香木を組んだ焚火で焦がし、その内から蘇る。
その姿は『燃えるような緋色の髪は華麗であり、紅の瞳は見る者を焼き尽くすかのようである。手にした剣の拵え含め、華美な装飾を好み、怒りと喜び以外の感情を知らない』と語られる。
太陽神としても知られる。セイリオスは太陽を突き破って生まれたとされ、太陽は彼の卵である。セイリオスは、時折太陽の火が落ちそうになり、世界が凍り付くと、ガルディオドから太陽へと旅立ち、蓄えた炎で太陽を焦がして帰ってくる。
この伝承からセイリオスは転生の神として崇拝される。
さらにセイリオスは竜属が世界を支配しようとし、滅ぼされることになった時、ロンと共に世界を焼き払い、竜属をセンテル大陸東端へ追いやった。
セイリオスの炎は再生と共に滅びをもたらすことでも知られる。
昔、とある国の魔術師であるドラゴンがセイリオスの羽を手に入れた。その魔術師はその羽から新たなセイリオスを生み出し、自分の国を永遠のものにしようとした。
魔術師は青きセイリオスを生み出し、生者を食わせて死者を蘇らせることに成功した。そしてその国の王は、青きセイリオスの生け贄を得るために各国へ侵攻した。
この行為はセイリオスの怒りを招き、セイリオスはその国の全員を七日七晩焼き続けた。それも焼け死ねばその炎で蘇らせ、苦しみを与え続けたのである。八日目、その炎が余りに強すぎ他の地へ飛び火しそうになったため、トゥバンがその国を押し潰すように大地を落とした。その大地は消えぬ炎で火山となり、罪人達を永遠に焼いている。この山こそ、かつてのセンテル大陸とエアスト大陸の繋ぎ目であり、セイリオスの棲み処である。
なお、この青きセイリオスはシリウスと名付けられ、セイリオスの番となった。 セイリオスとシリウスはセンテル大陸とエアスト大陸が別れた時に、セイリオスはセンテル大陸に、シリウスはエアスト大陸に止まり、罪人達を焼く火をくべ続けたという。
夕日が紅いのは、セイリオスが東にいるシリウスに、自分が息災であることを伝えるためだと言われており、夕日が雲に隠れれば、代わりに月を紅く染めるのだという。