ガロ(Garo)
晶を司る協調の神ガロ
創世神で十一番目に生まれた男神がガロである。その名前は古代ラグナ語で『牙ある狼』という意味がある。
彼は晶属性を司り、協調の神格を持つ。ガロを象徴するのは水晶と笛とナイフであり、紫をスピリチュアルカラーとしている。また11月を統治していて、秋の実りや葉が色づくのはガロが宝石のように世界を装飾するからだと言われている。
神狼の姿を持つ神と伝えられている。神狼は巨大な狼であり、その瞳に宝石の輝きを宿している。ガロはアメジストの瞳を持っている。
その姿は『雄々しく端正な顔立ちをしており、紫水晶を瞳として嵌めている。神狼の尾のように豊かな白髪であり、自らが狩った毛皮を着込み、神狼の群れを引き連れている』と称される。
ガロは創世神で初めて自分の眷族をまとめた神と言われる。彼は生物が進化し、自分と同じ姿である神狼が誕生した時、その長の娘に惚れて子を成した。知性がまだ低く、ガロに牙を向けた神狼達をガロはその牙と爪で押さえ、新たな長として認めさせ、その群れを率いるようになった。
ガロは自分の群れとなった神狼達に、宝石を食させた。これにより神狼は宝石の瞳を宿しその魔力を取り入れ、ガロの群れ以外の神狼はその他狼や犬などになっていったと言われる。
ガロは神々がエリュシオンの海へ去った後も、ガルディオドの地に残り続けた神でもある。彼は子孫が守る宝石が産出する草原に身を置き、子孫を見守った。しかし、それ以降彼に出逢うためには、全ての神狼に打ち勝つ必要があり、それを成し得た者はごく僅かしかいない。
そのガロに出逢えた最初の人間が、神狼や狼を率いて狩りをするアルファもしくは狼匠と呼ばれる職業の始祖と言われる。狩人であったその人間は、猟犬が巨大な熊(白い熊で、モスクモルの子孫もしくは彼女自身とも言われる)に襲われて死に、猟犬に報いるためにもその熊を狩ることをスウェアに誓った。それにより宝石の光を引き出す術を授かり、猟犬の牙から作ったナイフで彼は神狼に挑み、ついにガロに謁見するに至った。ガロは彼の勇気と信念を認め、アメジストが散りばめられた狼笛を授けた。これにより彼は神狼の長となり、神狼と共に熊を狩ることに成功したのである。
ガロは人間に集落を作るように言った神でもある。彼が治める11月に、人間達は木々の実りを奪い合っていた。それが暴力に発展した時に、ガロは吠え、牙を剥き、爪を立てた。それ以上の争いをすれば、全員を殺すという意思表示であった。人間達はすぐに実りの取り合いを止めた。
自分の声を聞くようになった人間に、ガロは集落を作り、隣人と助け合い生きることを定めた。取ったものは皆で分け合い、男は狩りをし、女は子を守るように言い付け、逆らう者は牙で砕くと脅した。人間達はガロの進言に従い、身を寄せ合って生きるようになったという。