モスクモル(Moskmor)
氷を司る試練の神モスクモル
創世神で十番目に生まれた女神がモスクモルである。その名前は古代ラグナ語で『白い熊』という意味がある。
彼女は氷属性を司り、試練の神格を持つ。彼女を象徴するのは鎧であり、青をスピリチュアルカラーとしている。また15月を統治していて、寒さと雪の中に世界を封じ込める神でもあった。
白い熊の姿を持つ神と伝えられている。彼女は白熊ではなく、黒熊と呼ばれるものと同じ姿で、毛並みだけが白いという。そのような黒熊は現在も存在し、彼らはモスクモルの直系の子孫を言われる。
その姿は『雪を被った山のように背が高く、その顔に感情が浮かぶことはない。常に厳しい面持ちで灰色の瞳を人々に向け、試練を与え続けている。白い髪は長く、信じられない程の薄着で雪山に佇んでいる』と語られる。
彼女は試練の神としてフレーゼ山に住んでいるという。フレーゼ山は8888メートルの高さと永久凍土、そして吹き荒れるブリザードで登山者の足を阻む。その試練を乗り越えてモスクモルに謁見した者は、強大な力を与えられると言われる。
また、フレーゼ山のある北極のポラ大陸に住む民族では、フレーゼ山に死者を葬るという習慣を持つ。この時、死者を届ける者は時止めの魔法が掛けられ、年老いることも空腹を感じることもなく、歩き続けるようになる。
その役目を終えた者は、全ての罪が許される、永遠の時を生きるようになる、モスクモルに仕えるようになるなど、民族によって伝承に差異がある。