マナ(Mana)
癒と司る豊穣の神マナ
創世神の中で八番目に生まれた女神がマナである。その名前は古代ラグナ語で『生命力』という意味がある。
彼女は癒属性を司り、豊穣の神格を持つ。マナを象徴するのは花と杖であり、ピンクをスピリチュアルカラーとしている。また4月を統治していて、その時期に満開の花を咲かせる神でもある。
妖精の姿を持つ神と伝えられている。小さな体に透明で花びらのような翅を持ち、人知れず悪戯をしたりお手伝いをしたりする。
その姿は『つい忘れてしまう程に小さく、可愛らしい姿をしている。新緑を思わせる瞳には純粋で曇りなく、軽やかな巻き毛は野に咲く花のような黄色に映えている。頬を始め、上気した肌はほんのりと薔薇色に色づいている。その幼い顔は、もし隣にいれば抱きしめて守りたくなるほどだ』と称されている。
マナは両親から世界の予言を教えられていたが、同時に兄弟姉妹の全員が成長するまでそれを口にしないように言われていた。彼女の兄弟姉妹が育つまでには、世界樹ガルディオドが葉をつけ花を咲かせるまでかかってしまい、その間に世界樹の世話をしていたマナは世界の予言を忘れてしまった。このため、世界の誰にも未来はわからないものとなった。
この時にマナは両親に教えてもらったことを忘れた自分に落ち込んでしまうが、ロキエルが「自分達には役目があり、すでにそれを果たしているマナは素晴らしい」と元気づけた。
マナの役割とは生命の世話をすることであり、その最初の仕事が両親から与えられた世界樹の種子を植え、水を与え、病気の葉を取り、花が咲き実が成るまで愛情を与え続けた。
その彼女の努力は実り、ガルディオドの実は幹をしならせる程に大きくなり海に落ちた。そのガルディオドの実には、全ての命の素がつまっていて、長い時間をかけて海の中で命が育まれていった。
このことから、マナは全ての生命を見守る神と言われている。
マナは海の中が小さな命、即ち原生の微生物で満たされた時に、そのマナ粒子が活性化していくのを感じて喜んだ。しかし目に見えない命の存在を知識の神サヴェルに疑われ、マナは泣き出した。そんな彼女をルナエルが見付け、マナを信じるルナエルはロキエルと共に命がいることを証明しようと考えた。
そこでロキエルはガロに大きなレンズを作らせ、スウェアの光を当てることで、そこにぎりぎり目に見えるような動く点を確認した。これにより海に微生物がいることは証明されたが、ロキエルはより詳細な姿も知りたいと思い、さらに拡大する手段を考えた。そこでサヴェルに黒ずんだ銀を用意させ、微生物がいる水に対して、ボルティックに微弱な電子線を当てさせた。その電子線を受けた銀は白く輝き、微生物の影が浮き上がった。それを見て、ロキエルとサヴェルは生命に関しての研究を行ったと言われる。
マナは世界の花を咲かせる役目を持つが、植物がその分布を広め、さらに種類も増えていったためにマナだけでは手が足りなくなった。そこで、マナは虫や鳥に受粉の手助けをしてもらい、花にそのお礼に蜜を作らせた。さらに花が多くなり、人手が必要になると、ロキエルはマナに優秀なで素直なフェアリーを預けた。マナはこのフェアリーに虫や鳥の指揮を取らせ、さらに効率よく花を咲かせるようになった。
こうして、フェアリーにはマナの加護を受けた幸福を配る働き者と、ロキエルの下に残った悪戯好きで気分屋の者に分かれたという。