トゥバン(Tloban)
地と司る破壊と統率の神トゥバン
創世神の中で大きな三つの卵の一つから生まれた男神がトゥバンである。その名前は古代ラグナ語で『暴れる者』という意味がある。
彼は地属性を司り、破壊と統率の神格を持つ。トゥバンを象徴するのは大剣であり、褐色をスピリチュアルカラーとしている。また8月を統治していて、荒々しい季節を体現していた。
ドラゴンの姿を持つ神と伝えられている。ドラゴンは最強の生物と呼ばれ、強靭な四肢に加えて、大きく発達した皮膜翼があり空を飛翔することも出来る星の支配者だ。どんな環境であっても最大限の力を発揮するドラゴンには、不利な戦場などない。
その姿は『山の如く猛々しく気高い体躯を持ち、その筋力は岩の如く盛り上がり鋼の如く頑強である。赤き髪は乾いた大地の如く荒々しく、琥珀の瞳は深き地の底で眠った木々の如く鋭く静けさに潜んでいる。大剣を常に肩に担ぎ、足を踏み出せば地が砕ける。その腕は天すらも掴み取り、引き摺り降ろす』と称される。
ロンと最初の戦争を起こし、生物と星の大半を滅ぼした程の力を持ち、その後はブリーデとの間に子供を儲け、全ての竜の祖先となった。そのため、竜族の行動には目を光らせており、竜が世界を支配しようとした時に真っ先に自分の手で滅ぼすという選択をした。その時に空から降り注いだ隕石は大地を砕き、空を塵で覆った。その後、ロンに説得され、ロンの炎と雷と嵐でセンテル大陸の東に集められた竜族を、大陸を切り離して島流しにした。その切り離された大陸がエアスト大陸である。
さらに時代が下り、人間が愚かな戦争に身をやつそうとした時には、自ら挙兵してエアスト大陸全土を納め、最初の帝国を造り統治した。絶対なる力で治められたこの国では、犯罪者はトゥバン自ら探し出し、そのままリンチしたという。
ロンと二人で最も酒が好きな神とも呼ばれ、ロンが治める伏儀国でアルコール度数の高い大吟醸が鋳造されるようになってからは、度々海を跨いで(文字通り足でアローネ海を一跨ぎして伏儀国に入り、伏儀国には彼の足跡と言われる湖が点在する)その酒を味わい、ロンを称賛した。
それに対抗して、彼は自分の国で蒸留酒を造らせ、ロンに贈ったという。
アルファルドを失ってからというもの、輪をかけて単純になり、優秀な物には一目置き、そうでないものは歯牙にもかけなくなった。