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ロキエル(Lokiel)

 魔を司る進化の神ロキエル

 創世神の中で二番目に生まれ、『ただ一人の弟にして全ての兄』と呼ばれる男神がロキエルである。その名前は古代ラグナ語で『輝く神』という意味がある。

 彼は魔属性を司り、進化・革命・反逆の神格を持つ。ロキエルを象徴するのは松明と双剣、そして魔術であり、虹色をスピリチュアルカラーとしている。また16月を統治していて、一年の終わりを齎す神でもあった。

 悪魔の姿を持つ神と伝えられている。悪魔とは、自然の摂理に逆らう呪われた存在である。そのため、彼自身も邪悪な存在だと信じられている。


 その姿は『浅黒い肌に血のように赤い瞳を嵌めこんでいる。髪は闇のような漆黒で塗りつぶされ眉目秀麗であるが、同時に近寄りがたい。細いが岩を砕くほどの膂力を隠し持っており、背は高く山を越える。かと思えば、我らの隣に姿を隠している。彼に決まった姿はない。時に滅亡を呪い、時に栄光を祝う。凡そ人間の本性を寄り合わせたような性格をしており、無邪気だが口汚く、優秀だが気紛れ、嘘と真実を織り合わせて語り、人を騙しては笑い、人を導いては胸を張る。あれほど神という位に相応しくない魔神を未だ知らぬ』と語られる。


 変わりゆくものを好んでおり、退屈を嫌っている。ロキエルが唯一変わらねばいいと語るのは、自分へ対するルナエルの愛だけである。

 旅好きな神であり、幼い頃から世界を周り、新たな発見に歓喜する。そのため、要らぬ手出しをしては、物事をより一層厄介にする伝承が各地に存在する。その一方で、優秀なことは間違いなく、あらゆる成功を手にするために他の神から不平が上がることはなく、上がった時には返り討ちにしてしまう。

 このような神だが、兄としての親愛からか他の創世神の困りごとにはその聡明な発想を如何なく提供する。創世神が一度として恥を被ったことがないのは、彼の尽力によるだろう。

 

 世界の統治を止めた後は、創世神以外の神から好ましく思われないようになり、特に統一神ルクスとの仲は最悪だったようだ。ルクスは彼の顔を二度と見たくないといい、アルヘイムで始めて足を踏み入れてはならない者としてお触れを出した。

 しかし、そんなものに従うロキエルではなく、二度の侵入を果たしている。一度目は軍神アルクエイオスに心臓を奪われながらもルナエルを旅に連れ出した。(この伝承より、ロキエルには心音がなくなり、より一層闇に潜むのが巧くなったと言われる)

 二度目は神々の時代を終わらせる時であり、その時にはルナエルの命さえも蹂躙した。


 彼は人間に多くのことを伝えた。音楽、魔術、機械、外科手術、武具、家畜などは全て彼が発明し、人間に伝えた。特に重大なものは家畜であると言われる。

 ロキエルが最初に家畜にしたのは、人間であった。彼は自分達と同じ姿を持ち、かつ、肉体と精神と魂魄を備えたものが生まれたら、果たして自分達と同じ神になるのか、それとも違うものになるのかと疑問を持ち、マナから自分達に近しい外見を持つドロシィの存在を教わり、その中から目的に沿う者を選択して養い、魂と心を植え付けた。そして、彼はアカシャの空に接続出来るように翼を与えた者からマキナを、獣に近い特性を持った者からベアストを、魂を多く与えた者からフェアリーを種分化させた。人間はこれを真似て、野生の生物を選択して育て、家畜とすることを思い付いたという。


 またロキエルは世界の摂理に逆らい、命を取り上げたことでも知られる。生命は死んだ後はエリュシオンの海に還り、自我を失って一つに融け合って、そこからまた別れて生まれ落ちる。しかしロキエルは自分の気にいった生命を星に変えて天に上げ、星座として未来永劫まで存在させるようにした。

 さらにその星座となった生命の力を受け継ぐ星痕者スティグマという存在も生み出した。星痕者はその身に星座を表す星痕を宿し、星座となった生命の力を発現するものだ。ロキエルが非難されるのは、その星痕者を神々の時代を終わらせる時に兵士として用いたからだ。さらに神々の側で世界で守ろうとして戦士の中でも優秀な者を星座に変え、その星痕者も戦争に参加させた。

 この例として、最も非情だと言われるのは、ロキエル自身に過去に傷を付け、その侵攻を阻んだアルクエイオスを射手座として天に上げたことである。ロキエルはアルヘイムに侵攻した際、障害として立ちはだかったアルクエイオスを自ら殺し、星座にした。


 ロキエルは悪魔を擁護した存在としても有名である。創世神が統治を止めた後に、マナの更新が滞ったためか(それまでは毎月、創世神が統治を交代する時にマナを更新していた)、悪魔と呼ばれるマナを喰らう存在が生まれた。当然ながらその存在は人間から排除され、淘汰されるはずであった。しかし、ロキエルは人間に襲われる悪魔を次々と助け、北方の山脈の奥地に匿った。この地はロキガルドという国になり、帝国暦には世界を支配するようになる。

 この行為から、ロキエルは最初の魔王、もしくは魔帝、魔神などと呼ばれるようにもなった。

 さらに、このロキガルドを守護するためにロキエルはマシンという巨大な機械兵器を造り出した。人を模したこの兵器は、その巨大さで他の生物を圧倒した。なお、マシンは後年に小型化され、労働力の確保という意味でも、そして当然のこと戦力の確保という意味でも、ロキガルドで重用された。

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