九円属性
雷・風・炎・癒・水・氷・晶・土・金の九円属性について。
雷・風・炎・癒・水・氷・晶・土・金の九つの属性は、円環を作り、隣り合う属性同士は類似性があり、かつ隣り合う属性同士はお互いに流転する。そのためこれらを九円属性もしくはサークルと呼ぶ。
九円属性は最も現象として目にする属性であり、四交属性や三領属性よりも保持する術者は圧倒的に多い。イメージが身近にあるために扱いも容易であり、それに加えて発展も早い。
雷属性は、マナの覚醒である。基底状態のマナが励起状態になる時、その放出されたエネルギーが電子を励起させて、雷を生じる。天然の雷も、マナを励起させるため、雷が降り注ぐ天候は魔術に適していると言われてきた。
十六の創世神では、覚醒の虎神ボルティックが雷を司っている。雷の放出、神経回路強化、肉体の刺激などの魔法がよく知られる。
風属性は、マナの崩壊である。マナの状態が崩壊して拡散する時、マナのエネルギーは隣り合うマナに受け渡され、そのエネルギーの電波に空気の流れが生じて、風が発生する。このため、風とマナを利用した長距離への電信は神暦には実用化されていた。(もちろん、天然の風を使うので、相手に届くとは限らない)
十六の創世神では、自由の天馬神リバーエイトが風を司っている。風の発生、真空波、声の伝達などの魔法がよく知られる。
炎属性は、マナの増幅である。マナのエネルギーが増幅する時、その一部は熱となって物質を発火させる。逆に炎の熱がマナにエネルギーを蓄えることも古くから知られており、魔術師は火を媒介にすることも多く見られた。
十六の創世神では、転生の鳳凰神セイリオスが炎を司っている。発火現象、炎の維持、熱による運動能力上昇などの魔法がよく知られる。
癒属性は、マナの活性化である。マナが励起は存在の姿を復元する。傷や病気になるとマナが欠乏するという事実は、民間療法としても伝承されており、魔女と呼ばれるような村の薬師たちは、マナを多く含むように、薬草を煮出したり乾燥させたりしていた。
十六の創世神では、豊穣の妖精神マナが癒を司っている。治癒、発効促進、過剰な活性化による組織破壊などの魔法がよく知られる。
水属性は、マナの浄化である。マナの乱れは一定のリズムを持った水の流れで鎮静化し、正常なものに戻る。水の周囲はマナが安定し、清浄であるため、人は泉などに不用意に近付かないようにしてその聖域を守ってきた。
十六の創世神では、感性のピスセス神ツインズが水を司っている。水の操作、浄化、結界などの魔法がよく知られる。
氷属性は、マナの停止である。マナの振動が停止すると運動がゼロになることでマナが密着し、凍りつく。冷帯ではマナの活性レベルが低いため、生命が自然と少なくなる。
十六の創世神では、試練の白熊神モスクモルが氷を司っている。凍結、停止、魔術の取り消しなどの魔法がよく知られる。
晶属性は、マナの結晶化である。マナが規則正しく配列されれば、マナ同士が結びつき結晶となる。宝石を始め、結晶体には高純度のマナが含まれるため、占いの道具やお守りとして使われてきた。
十六の創世神では、協調の狼神ガロが晶を司っている。結晶化、防御、反射などの魔法がよく知られる。
土属性は、マナの吸収である。マナが周囲のマナからエネルギーを吸収し励起する時に、通常励起させるよりも多くのエネルギーが消費される。土は特にマナを吸収し、励起状態から基底状態に変える作用を持つ。
十六の創世神では、殺戮の吸血神メルスが土を司っている。吸収、弱体化、風化などの魔法がよく知られる。
金属性は、マナの錬成である。マナが物質に補填されると、マナ同士が結びつき粒子となり、新たな原子が錬金される。金属はマナによって変化しやすいことに加えて平常では状態が安定しているが知られており、魔術回路や機械に多く使われてきた。
十六の創世神では、知識の亀神サヴェルが金を司っている。錬成、武器や防具の能力付加、障壁などの魔法がよく知られる。