四交属性
聖・魔・光・闇の四交属性について。
魔法は、聖(維持)と魔(変化)の軸、光(遍在)と闇(局在)の軸を重ねた十字状にその現象がプロット出来る。この四つの属性は、四交属性もしくはクロスと呼ばれている。
属性自体は神暦から知られていたが、人類が四交属性についての概念を理解したのは誓暦初期のことである。ただし、聖と魔、光と闇、それぞれの対比については帝国暦には提唱されていた。
この四交属性による十字軸の概念により、魔法の一種類ずつの理解が深まり、教育や応用分野が大きく発展した。
聖属性は、マナの状態を維持する属性であり、秩序の属性とも言われる。
十六の創世神では、至高神ルナエルが司っていることもあり、帝国暦以前の古い時代や戦歴のジンクスを重要視する時代では、最も尊い属性として扱われていた。
魔法の内容としては、あらゆる強化、祝福、封印、打ち消しなどが中心となっているが、その他にも多岐に渡っている。汎用性が高い反面、確固たるイメージや象徴を持たないので、魔法使い自身に強いイメージがなければ何も出来ない属性とも言える。
魔属性は、マナの状態を変化させる属性であり、混沌の属性とも言われる。
十六の創世神では、邪霊神ロキエルが司っていることもあり、帝国暦以前の古い時代や戦歴のジンクスを重要視する時代では、忌避すべき属性として扱われていた。
魔法の内容としては、強化と弱体化、呪縛、打ち消しを始め、空間の歪曲や時間停止など、およそ魔法としてイメージされる全ての行為が可能である。術者の発想によって、どんなことでも実現し得るこの属性は魔法という概念をそのまま表しているとも言える。
光属性は、マナを遍在化させる属性である。
マナの遍在化とは、偏りを持って存在するマナを均質にすることであり、励起したマナの光が空間を満たしていく。聖属性同様、時代によっては高貴な属性とされ、時に聖属性と同一視された。その理由の一つに、十六の創世神で光を司っているのが誓約の神スウェアであることも上げられる。しかし、彼女の齎す誓約とは絶対のものであり、逆らうことあればあらゆる幸福が遠ざかるとも言われている。
魔法の内容としては、光の操作、精神鼓舞、熱量の放出、空間への魔力充填などが中心となる。
闇属性は、マナを局在化させる属性である。
マナの局在化とは、空間に無作為に散らばるマナを集め、高密度な一点を形成するということである。それは即ち、局在化されなかった空間でのマナの欠乏を引き起こし、それが闇を生み出す。魔属性同様、時代によっては忌み嫌われた属性であり、時に魔属性と同一視された。その要因の一つに、十六の創世神で闇を司っているのが死の神ディスであることも上げられる。しかし、ディスの死が穏やかなものであるように、闇も人に安らぎの眠りを与えるものでもある。
魔法の内容としては、闇の操作、精神操作、重力負荷の増加、魔力の集中などが中心となる。