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僕の知らない世界にて

作者: 牛方巴

 僕の知らないところで、世界は動いている。

 

 僕の知らない場所で、地球は回っている。


 発足から約十年間、独裁政権を保った内閣が、先日新しい法律を作った。

 名前は複雑すぎて僕にはわからなかったけれど、簡単に言えば「超能力を使用することを禁じる」というもの。

 

 科学技術が目覚ましく発展した今日、ヒトの超能力を生み出すことは恐ろしく容易いものになってしまった。

 僕はそんなものもっていない。でも、ここ数年間で超能力の使用者は肥大した。大人、友達、さらには赤子や老人にまで、その影響は及んだ。

「カガクシャ」と呼ばれるヒトが発明した薬品や機械を使うだけで、ヒトの「脳」という部分に刺激が与えられ、あっという間に超能力が生み出されるらしい。ただ、使いこなせるかどうかは人それぞれ。たまに意味の分からない死に方をするヒトが現れるのも、たぶんそのせいなんだろう。

 まだまだ子供の僕にはわからないけれど。


 

 それで、なんで今回内閣があんな法律を作ったかって話だけど。

 皆は、「独裁政権を守り、今後も続けていくためだ」って言っている。

 独裁政権って、やっぱり嫌われやすいんだって。十数年も続けていたら流石に不満を持つ人が一人や二人じゃなくなるって。

 僕のところみたいな小国でも、超能力使われたら政府だってかなわない。政府の中にも反逆者はいるかもしれない。そうなれば、今の政府はあの哀れなマリーと同じような目に合う。

 

 それは避けたい。何としても。政府は、そう思ったんだよね。


 皆は言った。そんなことしても、何にもならないって。

 近未来(イマ)科学技術(テクノロジー)をなめんなって。


 近いうちに、国内(ここ)で戦争が起こるだろう。

 

 でもそれは、僕には関係ない。



 



 僕の知らないところで、世界は動いている。



 ここは、僕の知らない世界。

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