第1話
完結させたい!
タンッ!
寂れた倉庫に銃声が響く。廊下で銃を持った二人の少女、そして五体のメイド型機械人形が睨み合う。
「奥のスナイパー、めんどくさいから先にやっちゃお。頼んだよ、相棒!」
「………」
相棒は返事をせず、ただ頷き移動を開始する。相棒への援護のため、もう一人も梯子を使い二階へ登る。
「よいしょっと!」
相棒は遮蔽物をうまく使い銃撃を避けながら大きなコンテナの後ろに滑り込んでいる。
相棒が気を引いているうちに、彼女は二階から狙撃銃を使う人形の頭を一撃で撃ち抜いた。
「……!」
「相棒! 続けて行くよ!」
彼女の援護射撃の中、相棒は銃弾の嵐を駆け抜けて一体ずつ確実に頭を吹き飛ばしていく。
相棒に銃口が向けられたと思ったら、彼女が人形の腕を撃ち抜き、怯んだ人形を相棒が容赦なく機能停止にさせる。
あっという間に制圧し、静寂が倉庫に訪れる。
彼女が梯子を使って一階に降りてくると、相棒は人形の使っていた銃弾を回収しているのが見えた。
「相棒! ナイスチームワーク!」
「……」
「え、私の動きもよかった? でしょ〜!」
相棒に近づき、イェーイと二人でハイタッチをするのと同時に耳に取り付けた通信機が鳴る。
『もしもし、二人とも。無事?』
「モチのロンだよ、隊長! 私もベラも平気!」
『ならよかった。もう、通信が不安定なのに突っ込んでいくから心配したのよ』
「ごめんごめん」
『無事ならいいわ。さて、二人とも、目標の回収はできた?』
「ごめ〜ん! まだ回収してないや」
『……早く確認しなさい、頼んだわよ』
「りょーかーい!」
そう言い残すと通信が切れ、また倉庫は静寂に包まれた。相棒、つまりベラが目的のコンテナの中身を確認しに歩いていく。
コンテナの扉を開けると、今回の任務の目標が目に入る。改造済みの銃火器と、火薬類。
もしも自分たちの倉庫にこれが入るなら飛び跳ねるように喜ぶが、残念ながらこれは依頼主の物であるから引き渡さなければならない。
「このままネコババしたいなぁ〜。私たちなんかこうやって残骸の銃弾流用するしかないのに〜」
先程から彼女が人形の残骸から銃弾を拝借しているのはこれが理由である。
残念ながら彼女たちは常に銃弾の節約をしながらなんとかやりくりしなければならない。
「私達の使ってる銃弾、一体しか持ってないんだけど! 今日は赤字だなぁ〜」
そんな独り言をよそに、ベラが目標を抱えてコンテナから出てくる。それを見て、彼女は閃いた。
「相棒、それ一人で持てるの!? じゃあそれお願いしていい? ちょっと待ってて!」
そう言うと彼女は残りのコンテナを全て開け始めた。人形の銃弾の予備が眠っていないか確認している。
「あった、あったよベラ!」
「……!」
奥の方から引っ張り出した大量に弾薬の入った箱を持ち上げ、ベラに見せるとベラは目を輝かせながら首を縦に振る。
こうして二人は珍しくホクホク顔で倉庫を後にし、少し遠くに停まっている拠点に向かうのであった。




