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初めての敗北



Start a Gunpla battle


アナウンスの開始合図と共に——

青白い光を残してウイングガンダムが飛び出した。

対するバーザナイトは、堂々と剣を構え、ツバサを見据えている。


『(深呼吸だ……震えるな……リュウヤの仇を……僕が!)』

ツバサは自分に言い聞かせるようにレバーを握り込んだ。


ウイングがビームサーベルを構える。

『はぁぁっ……!』

ツバサは必死に振り抜くが。

マコトは鼻で笑い、シールドを傾けて受け流す。

直後、シールド表面の拡散ビーム砲が閃光を放つ。


『っぐ……!?目が……!』

眩しさに反応が遅れたツバサ。その隙を逃さずマコトが一気に間合いを詰めた。


『まだまだ甘ぇんだよ、ひよっこォッ!!』

突き出されたバーストレイピアの刃がウイングの肩を掠める。爆裂、装甲が吹き飛び火花が散った。


『くっ……!』

ツバサは必死にビームサーベルを振り、刃を受け止める。

火花と火花がぶつかり合い、衝撃が視界を震わせた。


マコトは余裕の笑みを崩さない。

『おいおい、必死に振り回すだけか?お前の動き、全部読めるぜ』


再びレイピアの突き。ツバサは必死に後退しながら受け流すが、反撃は続かない。

——身体は反応しても、ガンプラはうまくついてこない。

そのもどかしさに、ツバサの額に汗が滲む。


『(頭ではわかってるのに……動けない……!これじゃ……!)』


だが動きは重い。操作をしてもワンテンポ遅れ、レイピアが再び肩を掠め爆裂の衝撃に機体が揺れる。


リュウヤの声が響く。

——「ツバサ!!!


『所詮は初心者だな!』

『くっ……!』


ツバサはビームサーベルを構え必死に迎撃するが、バーザナイトはシールドで視界を塞ぎ、死角から バーストナイフ をウィングの右脚に突き立てる。再び爆発。


体制を崩して膝をつく


『……動いて……!動いてよ……!』

ツバサの声も虚しく


レイピアが閃光のように突き出され、ウイングの腕を貫く、爆裂。


『あっ……!』

ツバサは体勢を立て直そうと必死にレバーを操作するが、バーザナイトは追撃のナイフを投げ放つ。

ウイングの左脚に突き刺さり、爆発が起きた。


『ぐっ……僕は……まだ……!!』

煙を切り裂いて、残った右腕でサーベルを構えるツバサ。


マコトは舌打ちをし、吐き捨てる。

『しぶといヤツだなぁ……だけど、ここまでだ』


バーザナイトが跳び上がり、全身を覆う影がツバサに迫る。

ツバサは震える声で叫んだ。


『僕は……負けないっ!!リュウヤのために!僕のためにっ!!』


渾身の斬撃がぶつかり合う_____


斬撃が交わった刹那——

バーザナイトのレイピアがひねるようにウイングのコックピットを貫く


『——ッ!!』

一瞬、コクピット全体が赤い警告で染まる。

ツバサは必死に操作桿を握るが、レイピアの刃が切り離され、内部で爆発した。


『うわあぁぁぁぁぁぁぁッ!!』


爆炎と共にウイングガンダムの装甲が剥がれ、

閃光と共にウイングが崩れ落ち、システムが無情に響く。


《The battle is over、winner.バーザナイト》


シミュレーターの光が消えると、ツバサは肩で息をしながら項垂れていた。

その視線の先で、マコトは口角を吊り上げて笑っている。


『フン……所詮、ひよっこはひよっこってことだな。俺の相手じゃねぇ』


挑発的な声に、ツバサは拳を震わせるしかなかった。



「……ツバサはよくやったよ。もう今日は帰ろう」

静かな声でそう言いながら、リュウヤはツバサを連れてショップを出た

____________


夕日が二人の背中を長く伸ばし、沈む橙の光が街を赤く染めている。

その中でツバサが立ち止まり、拳を握りしめる。


「……リュウヤ……僕……悔しかった!」

「僕が作ったガンプラを……勝たせてあげられなかった……!」

「僕は……勝ちたい! 今度は……僕だけのガンプラで……バトルに勝ちたい!!」


そう言ってツバサは涙を拭いながら、真っ直ぐリュウヤを見た。



一瞬驚いたあと、ニカッと笑い拳を突き出す。

「……おう!!そうだな!!」

「作ろうぜ! 俺たちだけのガンプラを!!」


拳と拳が、夕日の下で力強くぶつかり合った――。

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