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初めてのバトル②



『ガンプラはな、“おままごと”とは違ぇんだ。分かってんのか、初心者くんよ?』


冷たく刺すような声が響いた。


『ッ!?』

ツバサが驚いて振り向くと、そこには腕を組み、不敵な笑みを浮かべる少年の姿があった。


「ま、マコト……!」リュウヤが険しい顔になる。


『……誰?』ツバサが小さく首を傾げる。


周囲の観戦者がざわつき始めた。

「うわ、アイツって確か……」

「そうだよ、鳳進のイヤノマコト! 次の全国候補だって噂の!」

「なんでここに……?」


マコトは観客の囁きにも気に留めず、視線をツバサに突き刺す。


『へぇ……オマエが噂の“本だけ読んでる地味な奴”か。』

『初心者が触るとガンプラが可哀想だぜ? なぁ?』


リュウヤが一歩前に出る。

「おいコラァ! テメェ、ツバサになんて言い草だ!」


ツバサは慌ててリュウヤの腕をつかむ。

「ちょ、ちょっと待ってリュウヤ!」


だがマコトは余裕の笑みを浮かべたまま。

『ははっ……いいねぇ、その反応。面白ぇよ。――やるか? お試しじゃなく、“本物のバトル”をな』


空気が一気に張り詰めた。

周囲からも「やべぇぞ…」「マジでやるのか!?」とざわめきが広がる。


リュウヤはツバサを振り返り、にやりと笑った。

「ツバサ……ここからが本番だ。いっちょ見せてやろうぜ、俺達のガンプラバトルを!」


【Start a Gunpla battle】



アナウンスの開始の合図とともに赤い残光を残して ジョニー・ライデン専用ザク が飛び出す。

対するは騎士の鎧を纏った バーザナイト。


『行くぜぇ、マコト!!』

『クク……雑魚から潰してやる』


ザク・バズーカを撃ち込むリュウヤ。しかしバーザナイトはシールドで受け止めつつ 拡散ビーム砲 を照射。

視界が真っ白に染まり、リュウヤの動きが一瞬止まる。


『なっ……!』

『隙だらけだ!』


そこに突き刺さる バーストレイピア。刃が切り離され、爆発。

ザクは片膝をつき、腕部が吹き飛ぶ。


リュウヤは歯を食いしばり、まだ残る腕でヒートホークを構える。

『ふざけんな!まだ終わっちゃいねぇ!!』


『……威勢だけは立派だな』


リュウヤのザクは満身創痍になりながらも、必死にマコトのバーザナイトへ立ち向かっていた。

だが、レイピアの刃が次々とザクを貫く、その時——


『もうやめてよ!勝負はついたじゃないか!!』

ツバサが必死に声を張り上げた。


だがマコトは口角を吊り上げ、不気味に笑った。

『嫌だねぇ……俺は徹底的に叩き潰す主義なんだよ!!』


次の瞬間、バーザナイトがザクのコクピット目掛けレイピアを突き刺し刃を分離させて起爆

光に呑まれるようにしてリュウヤの機体が爆散した。


『リュウヤっ!!』

ツバサの声がシミュレーター室に響き渡る。


シュミレーターから出て来たマコトが勝ち誇り振り返り、挑発的に吐き捨てた。

『次は……お前か、ひよっこぉ?』


怒りと悔しさで震えながら、ツバサは一歩前へ進み出た。

『……僕が行く。僕が、君をたおす!!』


僕は静かな怒りを燃やしていた……

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