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初めてのバトル①

システムボイス:

《ガンプラアクション・バトルシュミレーター、起動》


一瞬で視界が白に染まり……次に開けた時、僕はそこにいた。

青空の下、荒野の大地。

まるで自分の身体そのものが金属でできているかのような重みと存在感――。


『え……こ、ここは……!?』


操作桿を動かすと、視界に映るのは白と青の装甲。

指を動かせば、ビームサーベルの柄が握られている。

自分の動きと完全にリンクして、ウイングガンダムが反応しているのだ。


『……ぼ、僕が……ガンダムに、乗ってる……!?』


足を踏み出すと、地面を踏みしめる「ズシン」という重低音が響いた。

振動が足元から全身に伝わる。

これはただのゲームじゃない。まるで本当にモビルスーツを操縦している感覚……!


『ツバサ!落ち着け!まずはゆっくり歩いてみろ!』

通信から聞こえてくるのはリュウヤの声。


振り返れば、少し離れた位置に真紅のザクが立っている。

その動きも、威圧感も、本物のモビルスーツそのものだ。


『う、うん!……よし……!』

呼吸を整え、もう一歩。

ウイングの巨体が僕の意思に応じて動いた瞬間、胸の奥に熱いものが灯る。


『こ、これが……僕のガンプラの視点……!』

ツバサは息を呑んだ。


『すげぇだろ!これが【ガンプラアクション・バトルシュミレーター】だ!』

通信回線越しにリュウヤの声が響く。視界を横に向ければ、赤い機体——ジョニー・ライデン専用ザクが手を振っていた。


『う、うん……!すごい……本当に僕が乗ってるみたいだ……!』


『……本当に、僕がガンダムを……!』


リュウヤに簡単な操作を教わり終えると、目の前にリュウヤのザクが構えを取る。

『よーし、軽く一本勝負だ!全力でかかってこいよ!』


『い、いきなり全力って……!』

慌てつつも、ウイングのビームサーベルを握り構えるツバサ。


 最初はぎこちない動きで空を斬るばかりだったが、リュウヤが何度もアドバイスを送る。

『落ち着けツバサ!焦らず相手の動きをよく見るんだ!』


 繰り返すうちに少しずつリズムを掴み、ついにはリュウヤのザクに一撃を叩き込む。


『やった……当たった!?』

『おぉ、いいじゃねぇか!今の感覚だぜ!』


その後も二人は何度もバトルを重ねた。ツバサの動きはぎこちなさから次第に鋭さを帯び、攻防の中で表情も自然と笑顔になっていた。


『楽しい……!こんなに夢中になれるなんて……!』


リュウヤも満足げに笑う。

『だろ?ツバサ!お前、才能あるぜ!』


そんなとき、シュミレーターの扉が乱暴に開く音が響いた。


『おいおい、砂場は公園にあるだろ? ガンプラバトルは遊びじゃねぇんだよ』


それは、僕達の楽しい時間に終わりを告げる言葉だった…

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