未来を"創る"者達
翌日、いつもの放課後の部室。
夕陽が差し込み、シミュレーターの台座に三機のガンプラが並ぶ。
ツバサのアブファールト。
リュウヤのザクファイター・シャイタン。
ハルノのティタルニア。
その正面に立ちはだかるのは
顧問・ユリの アストレイ・タカマガハラだった。
「さて、今日は皆さん……三人同時で私へ挑んでもらいます」
ユリが優しく微笑む。
「テーマは“連携”です、皆さんのガンプラも完成しましたし、全国へ向けてチームでの戦いを覚えましょう、さぁ始めましょう」
「おぉし!三人揃えば余裕だ!」
リュウヤが気炎を吐く。
ツバサは苦笑しつつ頷き、ハルノは緊張で喉を鳴らした。
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開始の合図。
Start a Gunpla battle
《ガンプラバトルを開始します》
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リュウヤのシャイタンが勢いよく突っ込む。
「っしゃあ!!行っくぜぇぇ!」
だが、その進路にツバサのアブファールトがビームを放ってしまう。
「なっ……リュウヤ!?」
「うおおおぁぁぁぁ!?!」
直撃を受けたリュウヤは体勢を崩し、その隙をタカマガハラが突く。
さらに援護に走ったハルノとツバサの機体が衝突し、三機はもつれて転倒。
「……ふふ。仲良しさんですね。でもこれは遊びではなく、バトルですよ」
ユリは剣を肩に担ぎ、呆れたように言った。
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二度目の挑戦。
「よし、今度は声をかけ合うぞ!」
「うん、リュウヤくん!」「……わかった!」
互いを意識しすぎた結果――
ツバサは攻撃が遅れ、リュウヤは守ろうと動きが大きくなり、ハルノは焦って狙いを外す。
一瞬の隙をユリが突き、タカマガハラの残像が三人を翻弄する。
「惜しいですね、でも意識しすぎて他が疎かになってます」
ユリの声は穏やかでありながら鋭い。
「まずは“互いの位置を把握する”ことから始めましょう」
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三度目。
「リュウヤ、前に出すぎないで!」
「おう、任せろ!」
「ハルノちゃん、右側お願い!」
「……うん!」
声を掛け合い、動きが少しずつ噛み合っていく。
ツバサの射撃が牽制を作り、リュウヤが拳で切り込み、ハルノが空いた角度をカバー。
ぎこちないながらも、戦線が維持され始めた。
「いいですね……呼吸が合ってきましたよ」
ユリの口元に微笑みが浮かぶ。
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四度目。
それでも失敗はまだ多い。
リュウヤの突進にツバサの射線が重なりそうになり、慌てて避けた結果ハルノと接触。
三人がもみ合いになり、タカマガハラに一掃される。
「ふふ……やれやれ」
ユリは剣を構え直し、優しく告げる。
「焦らず、一つずつ課題を消化していきましょう、ですが、意識をしすぎて他を忘れないように」
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五度目。
三人は必死に呼吸を合わせる。
掛け声が飛び交い、互いの位置を確認しながら少しずつ形が整っていく。
まだ完全ではない、だが確かに前進していた。
「……そう、それでいいんです」
ユリの声に、おっとりとした響きと戦闘者としての高揚が混じっていた。
三人は汗を流しながらも、今までにない手応えを感じていた。
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練習が終わったあと、ユリ先生が紅茶を片手に告げた。
「ところで――全国大会に申し込むには、チーム名が必要なんですよ」
「チーム名……!」
3人は思わず顔を見合わせた。
リュウヤが真っ先に口を開いた。
「うーん……なんか、強そうな名前がいいよな!“爆裂〇〇”とか!」
「だ、ダサいよリュウヤ……」
ツバサが額に手を当てる。
「でも、強さだけじゃなくて、僕たちの気持ちを込められる名前がいいな」
「気持ち……」
ハルノは少し考えて、静かに言った。
「私たち、まだまだだけど……これから“未来”に向かって進んでいくんだよね」
その言葉にツバサが顔を上げた。
「……未来、か」
そして、ぽつりと呟く。
「僕たちは……それぞれが作りたい未来を形にして行くんだ…」
ハルノが小さく微笑む。
「未来を……うん……」
「そしてこれからも…皆んなで未来を作っていくんだ、未来を……作る……ビルド……」
しばし考え込んだあと、ツバサがゆっくりと口を開いた。
「“ビルドフューチャーズ”ってどうかな?僕たちが積み上げてきたガンプラを……未来へ繋げる、そんな意味を込めて」
「おぉぉ!いいじゃねぇか!」
リュウヤが身を乗り出す。
「ワクワクする名前だ!俺たちらしい!」
「……素敵だと思う」
ハルノが微笑みながら言った。
「未来を一緒に築いていくって、なんだか私たちにぴったり」
「それじゃあ決まりですね」
ユリが優しく微笑む。
「鳳進高校ガンプラ部、チーム…」
「"ビルドフューチャーズ"!全国に向けて、頑張っていきましょう」
三人は机の上のガンプラを見つめ、自然と拳を合わせた。
「「「目指すは全国へ!!」」」
夕陽が差し込み、アブファールト、シャイタン、ティタルニアの三機を橙色に照らしていた。
その光景はまるで、未来へ進む彼らを祝福しているかのようだった。




