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根拠のない因縁

 次の日の朝、昨日と同じように家族で朝食を食べる。ロールパンとウィンナーを食べながら、パパに昨日の貼り紙について聞いてみた。


「パパ、家の前の貼り紙なに?」


「あぁ、ママが再来週からパートに出るだろう?それで受付役がいなくなっちゃうからな。だから受付役の募集のために貼ったんだ。」


「その受付さ、タティーにやらせればいいじゃない?タブレットは学校に持っていけないし、それにすごい機能もあるんだから、受付以外も出来るし。」


「それは駄目だ。タティーには明花の事を任せているからな。」


「任せるって何を......そもそも再来週までに人なんて来るの?」


「そうだな、その時は......タティーを頼るかもしれない......。」


「それにしても、あんなにすごいタブレットが作れたのに稼ぎが悪いんだろう......パパの事をあんまり知らないからとか」


「そうだな。一応常連さんもいるにはいるが、やはり色んな人に来てもらいたい所だな。」


 それを聞いたお兄ちゃんがパパのすごさが分かっていない人が多いから宣伝した方がいいと提案した。パパはすごいと言われて、嬉しそうにしながら考えておくと答えた。ママも募集の事は近所の人にも声を掛けておくと答えて、今日の朝食は食べ終わった。

 学校に行こうとすると、タティーが充電機に繋がれたままになっていた。


「あれ?タティー、今日はついてこないの?」


「はい。場所と出来事も把握出来たので。」


「ふぅん?よく分からないけど、学校に行ってくるね。」


「いってらっしゃいませ。明花様。」


 タティーに挨拶して、私は学校に向かった。それにしても行ってらっしゃいませって言われると、何だかメイドさんが出来た気分。様付けで呼ばれたり、敬語使ってるからメイドさんみたいなものかなぁ。

 そんな事を考えている内に学校に着いていた。

 教室に入って、席に座ると美澄ちゃんが私のところにやって来て挨拶をする。その後に美澄ちゃんから部活はどこに入るのかを聞かれた。部活の事を考えていなかった私は、考え中と言っておいた。でも部活は正直やる気はあんまりないかな。どうしようかなぁ......

 美澄ちゃんは何かしらの運動部に入る予定らしい。何でも活躍して、私のパパを惚れさせるとか。多分無理たと思うけど、やる気が持てる事はいい事だと私は思います。

 美澄ちゃんと話している中、身長が私と同じくらいのショートヘアの女の子が教室に入って、私に向かってきた。


「刑異明花!あなたもこのクラスだったのね!」


「に、日華ちゃん、おはよう。」


 この子は賀藤日華ちゃん。日華ちゃんの家も修理屋で、その修理屋が潰れちゃったんだけど、それを同じ修理屋である家のせいだと言って、小学校の時から私に言ってくる。お互い家は近所ではないから、流石に無理のある言い分だと思うけどなぁ......。


「アタシの家を潰したあなたと一緒だなんて、嫌な気分ね!」


「日華、まだそんな事言ってるの?明花の家があなたの修理屋を潰したなんて根拠ないじゃない。」


「い〜や、家の修理屋が無くなったのは明花の家のせいに決まっているわ!」


「それは甲平さんのせいだと言っているのね。それは単にあなたの修理屋の腕が甲平さんよりも下だったってだけでしょ。」


「言うじゃない......」


 なんだか雰囲気が怪しくなってきたので、私は美澄ちゃんを自分の席に戻した。と言うのも日華ちゃんの席は私の隣だからだ。


「そういえば、日華ちゃん。昨日は休みだったね。腹痛って先生が言ってたけど大丈夫?」


「そ、そんなの、あなたに関係ないわ!でも心配してくれるのね......ありがとう......」


「まぁ、一応私に話しかけてくれるし。」


「でも、そんな事で許しはしないからね!」


 日華ちゃんは口ではそう言うけど、家の事を恨まれて文句を言っては来るけど、別にいじめとかはされた事はない。何故こんなにかまってくるんだろう?

 その後の授業は変わらず普通だった。違う所があるとすれば、日華ちゃんが昨日の私みたいに消しゴムを忘れていたから、私が貸してあげた事かな。当然、感謝の言葉はもらった。

 学校が終わって、私は家に帰った。友達と一緒に帰るのが定番かもしれないけど、美澄ちゃんも日華ちゃんも私の家とは別方向なので、下校の時はいつも一人。でも、ずっとこれだから気にしてはいない。

 家に着いて、自分の部屋に入ってタティーに話しかけた。


「ただいま、タティー。」


「おかえりなさいませ、明花様。」


 するとタティーがタブレットの姿で浮かび始めた。


「って、タティー浮いてる!?」


「はい。浮かんでます。」


「その状態でも動く事出来るんだ......」


「えぇ。意思がありますから。」


「そうなんだ......。」


 私はタティーの知らない一面がを見て驚いていた。これからも驚いていくんだろうなぁ……

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