新たなるタブレット 後編
「あっ、そうだまだ機能を披露してなかった。」
「機能って出現機能?」
「いや、違う」
「えっ、違うの?」
「同じ機能じゃつまらないだろう?ちょっと待ってろ」
そう言ってパパは二階に登って行った。その隙に私はトレンと話をする事にした。
「ええっと、トレン?」
「はい!トレンです!これからよろしくお願いします!明花様!」
トレンはタティーとは対照的に勢いのある喋り方をする。
「トレンの機能って何なの?」
「それはですね、対象重力操作です!人や物を浮かせたり沈めたり出来るんですよ!」
「そうなんだ......ちょっとズボンの中見るね?」
ボディースーツのズボンを掴んで中を見ると、やっぱりタティー同様に男の人には本来付いているモノがなかった。
しばらくするとパパがお兄ちゃんを連れて戻って来た。
「なーにー、父さん?手伝ってほしい事って?」
「よし、賢二。ちょっとそこに立ってくれ。」
お兄ちゃんは部屋の真ん中に立たせるとトレンがお兄ちゃんの前に立った。
「えっ、誰?」
「トレンです!博士に作られたタブレットです!」
「父さん、またタブレット作ったのか。」
「ではトレン、やってくれ!」
「分かりました!」
トレンは左手で右の手首を押さえながら右手をお兄ちゃんに向かって広げた。
「何だ?身体が動かない!?」
トレンが手を上に動かすとお兄ちゃんの体が浮き始めた。
「体が浮き始めた!?っていうかこれじゃ天井にぶつか、ぐえぇ!」
案の定、お兄ちゃんは天井にぶつかった。トレンが手を下に動かすと、お兄ちゃんが落ち始めた。
「今度は下に落ちるー!」
お兄ちゃんは下にぶつかってうつ伏せ状態になった。
「体が重い!起き上がる事が出来ない!」
「よし、そこまでだ!トレン、もういいぞ!」
「はい!」
トレンが手を閉じると、お兄ちゃんは体を起き上がらせる事が出来た。
「このまま潰されるかと思ったぜ......!」
「これならもう誰に襲われても怖く無い!」
「まぁ、そうだね。」
「それじゃあトレンも明花の学年に入れるからよろしくな!」
「中学一年に見えるのかな?」
トレンの身長が190センチぐらいはありそうだった。これで中一ってどうなんだろう......?
「そういえば美澄ちゃんが家に来てね。俺になんか愛の告白をしてきたんだよね。」
「えっ!それでパパはどうしたの!」
「いやーが好きな男の子にする練習かと思ってね。頑張れって言ったら、なんか落ち込んで帰って行っちゃったんだよ。どうしたんだろうね?」
「いや、パパは気にしなくていいよ。大丈夫」
美澄ちゃん、学校が始まったら落ち込んでるんだろうなぁ......
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