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受付役達の励まし 後編

 寝付けないまま時間が過ぎていくと部屋の外から声が聞こえてくる。ハッキリとは聞こえないけど声は荒げていて、穏やかではない事は確かだった。私はタティーとミダッカとソガシルを連れて、部屋のドアを開けるとおじさんがおばさんに言い寄っている様子があった。私に気づいた男の人はすぐさま逃げて行った。私はおじさんを捕まえるようにミダッカとソガシルに指示すると、二機は部屋から飛び出して行った。私とタティーはおばさんに駆け寄った。


「大丈夫ですか?」


「あ、ありがとう。お嬢ちゃん。」


「ここは私がどうにかしますので、部屋に戻って下さい。」


 私は追いついた頃にはおじさんは倒れていた。


「痛ぇんだよ!噛みつくな!離れろ、鉄クズ共!」


 ミダッカが足を噛み付いているので、それで転んだのだろう。ソガシルは剣でおじさんの体をつついていた。ちょっと痛そう。そこにちょうど警備員が駆けつけてきてくれた。


「お怪我はありませんか?」


「私は特に何も......」


「良かった。この方は私が連れて行きますので、部屋にお戻り下さい。」


「あ、はい」


 警備員はおじさんに手錠を掛けた。おじさんは私に言った。


「おい、嬢ちゃん。この鉄屑はおめぇのか?」


「鉄屑って言わないで下さい。私の大事な家族です」


「何が家族だ!こんなおもちゃを家族とか言いやがって、そんな奴は一人寂しく死んでいくのがこの世の常って奴だぜ!」


「......もう連れていって下さい」


 おじさんは負け犬の遠吠えのように私に罵詈雑言を言いながら警備員に連れて行かれて行った。


「どこにでもいるんだね......悪い人って」


「そうですね」


 私は部屋に戻って寝る事にした。流石に疲れていたので睡眠を取ることが出来た。


 朝になって私は目を覚ますと二人はまだ夢の中にいた。今は午前七時。ホテルのチエックアウトは午前十時なので、私は二人を起こして朝食を食べに行った。


「明花ちゃん、よく眠れた?」


「そうですね、寝付けるのは遅かったですけど」


「アタシ達はすぐに寝ちまったな。悪かったな」


 二人には昨晩の出来事は黙っておく事にした。朝食のチーズフォンデュを食べた私はホテルから出る準備をしてチェックアウトした。

 最後に私達は観覧車に乗る事にした。


「歩美さん、環さん。」


「うん?」


「どうしたの?明花ちゃん?」


「昨日事なんですけど、もし、その、私が困ったら、その時は力を貸して下さい!」


「何だよ、そんなの当たり前だろ!昨日も言ったろ?いつでも頼れってな!」


「私も役に立つか分からないけど、明花ちゃんが困ってたら、いつでも助けるからね!」


「あ、ありがとう、ございます。う、うぅ〜!」


「おいおい、泣く事はないじゃないのか?」


「ううん、あれだけの目にあってるんだもの。泣きたい時だってあるよね?今はいっぱい泣いていいよ。」


 私は歩美さんを抱きしめて泣き続けた。二人は私の頭を撫で続けてくれた。そこから先はよく覚えてないけど、タティーから聞くとどうやら泣き疲れ寝ちゃったみたいで、二人は私を家まで運んでくれてくれたらしい。私が目を覚ました時に見えた光景は自分の部屋の天井だった。

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