受付役達の励まし 前編
馬蓮リゾートランドにはホテルが二種類ある。一つは普通な値段の五階建てのホテル「馬蓮リゾートホテル」これでも一泊、一万円だから高いと言えば高い。
そして、もう一つが今回、私達が宿泊しているお高い方の十階建てのホテル「馬蓮リゾート・フラッペホテル」先程言った通り一泊、四万もするホテルだ。そして名前の通りホテル内でフラッペが販売されている。何故フラッペを売っているのかはよく分からない。後から聞いたらここのフラッペは材料が高級な物を使っており、一個千円もするみたい。評判もいいみたいで、リゾートホテルからわざわざ買いに来る人もいるぐらいらしい。一番の人気はやっぱりというかチョコレートフラッペ。
私達が泊まっている部屋は広さは50平方メートルあって、テーブルにはお菓子や水に酒が置かれていた。ベッドは横幅に広い物が一つ置かれていた。環さんは明花を囲って寝ようぜ!と言っていた。
お風呂はヒノキ風呂になっている。あまり広くはないけど、二人ぐらいなら入れる広さだ。ヒノキ風呂用のレモンもテーブルに置かれていた。レモンを入れると爽やかな香りがヒノキの香りを引き立てて、リラックス効果を高める事が出来るんだとか。
「それじゃあ、夕飯でも食いに行こうぜ!」
エレベーターで一階に降りて、ホテル内のバイキングで夕食を食べる事にした。このホテルは予約をしていると一階のバイキングの夕食と朝食のチケットが貰えて食べ放題になる。二人も食べ放題を満喫していた。特に環さんは高級な肉等をかなりの量を食べていた。私はチーズフォンデュを見つけたので、パンや野菜やエビ、ウインナーをつけてチーズ好きの私に取っては天国のような時間だった。
「明花ちゃんってチーズが好きなんだね。」
「チーズには目が無くて、家でもおやつにスライスチーズやキャンディーチーズを食べてるんですよ」
「チーズ好きすぎだろ。こりゃあ歩美には感謝しなきゃだな」
「ありがとうございます。歩美さん!」
「それは偶然だよ。流石にチーズフォンデュがあるのは、私も知らなかったから」
夕食を食べ終えて部屋に戻ってヒノキ風呂に入る事にした。二人は後から入るとの事なので、私が一番風呂を頂く事にした。体や頭を洗い終えた私はレモンを入れて湯に浸かった。落ち着く香りと共に今日の歩美さん達とはしゃぎ、いや楽しんだ疲れが取れた......と自分では感じた。
私が風呂から上がると入れ替わるように歩美さんと環さんが一緒に風呂場にへと向かっていった。お互いに体を洗いっこしている様子が聞こえて来たりと本当に仲が良さそうだった。私ってもしかして邪魔になってる?
二人が風呂から上がり、午後十時になった所で私達は寝る事にした。広いベッドで二人は私を挟むようにベットに入った。
「あの、私って邪魔になってないですか?二人で隣り合ってでもいいですよ?」
「いいんだよ。こうやって明花の寝顔を見るのも悪くないしな!」
「そんなに見たいですか?私の寝顔って」
「それに明花ちゃんは下着泥棒や銀行強盗に遭って大変だから、私達で少しでも癒してあげたくて」
「もしかしてそれが私を誘った本当の目的ですか?」
「う、うん......」
「......ありがとうございます。歩美さん。環さん。その気持ちだけで、私は嬉しいです。でも私にはタティーがいます。それにミダッカやソガシルという新しい家族が出来ました。だから心配しないでください。それにそんな悪い人は私達が撃退します!」
「そっか。強いね......明花ちゃん。」
「おいおい、ロボばっかりじゃねぇかよ。アタシ達にも頼ってもいいんだぜ?」
「そうですね、その時はよろしくお願いします。」
激励を受けた私は電気を消灯して眠りに就く事した。しかし私は部屋が静まり返ると、お高い部屋に泊まっていると言う事に今になって気が張ってしまって寝られずにいた。一方で両隣からは何分か経つと寝息が私の耳に入ってきた。
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