祖父の形見メカ 前編
家から歩き始めて三十分。目的の店である、ランジェリーショップの「YuLingerie」にやって来た。店の中は女性の下着だらけで店員さんも女の人ばかり。私も初めて来たけど、男の人は確かに一人だと恥ずかしいかもしれないと思った。
「それで店に入ったのはいいけど、お兄ちゃんも知ってると思うけど、私は服とか下着には詳しくないよ」
「そうだな、最低でも居てくれるだけでいい。男一人でここにいるのも不安だからさ。」
私は二人が下着を見て回るのを見守っていた。お兄ちゃんが直感で選んだ下着を蓮華さんが次々と試着していった。選んでいる時のお兄ちゃんは恥ずかしそうだった。最終的に三着ぐらい買って、私達は店から出た。そういえば私の下着はババ臭いってママに言われたし、今度ここに来たら買うことにしよう。
「下着を選んでいる時の賢ちゃん、何だか可愛かったな〜」
「やめろよ、蓮華。そんな事言わなくていいだろ//」
「だって〜」
「それじゃあ私はママから頼まれた用事があるので」
「そうなのか?だったら、俺も一緒に行くぜ?」
「えっ?別に大丈夫だよ?」
「まぁ、ほら一緒に来てくれたお礼だ。蓮華は先に帰るか?」
「いえ、私も明花ちゃんについていきますよ〜。」
「大袈裟だな〜銀行に行くだけなのに」
私は町の銀行の「湯蓮銀行」にやって来た。この銀行は一階がATMで二階が銀行の窓口になっている。私は一階のATMでお金を下ろした。
「勝手に自分の金にしちゃ駄目だぞ〜」
「しないよ。私がそんな事するように見える?」
お金を下ろしていると、上からパァンという音が聞こえて来た。すると上から誰かが降りて来る音が聞こえて来た。するとお兄ちゃんは持っているカバンのチャックを開け始めた。降りて来たのは、黒い覆面を被っていた。何となく分かっていたけど銀行強盗だ。強盗は手に持っている銃を私達に向けた。
「おい、そこのガキ共!おとなしくしろ!」
「行け!ケジタテムシ達!」
お兄ちゃんのカバンからは三体の虫型のメカが飛んでいった。強盗は私達に向かって発砲した。一体の虫のメカが私達の目の前に現れて、虫の頭の部分が盾になって銃弾を防いでくれた。
もう二体は、一体は頭が剣になっていて強盗の手に突撃して銃を床に落とさせた。もう一体の頭は銃の形になっていて、その銃から発砲して命中すると、犯人は気を失ってしまった。
「えっ、もしかして......」
「安心しろ、眠ってるだけだ」
「そうなんだ、でも何なの?その虫型のメカ?」
「何って、これはじいちゃんが作ったケジタテムシさ。明花にも昔見せただろ?」
「えっ、ごめん、覚えてない.......」
「そうなのか?じいちゃんの形見だぞ?」
そして私達が二階に行くと強盗が銀行の人達にお金をカバンに詰めさせている所だった。そしてお客さん達にも銃を向けているのもいて、その他も合わせて強盗の人数は四人だった。
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