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厄介な妹分 前編

 夏休みが始まった。夏なので、気温も高くなって家の中も暑い。受付には早速新しく入った平井環さんが担当している。いまだに扇風機しかないが、パパに相談したらクーラーをつける事になった。環さんは早くつけろと言っているけど。

 私の部屋は扇風機しかないけど、大きい窓があるので開けたら風が入って来るから玄関よりは涼しい。

 部屋の右の隅にはこの前の下着泥棒を捕まえるのに活躍した、犬型のメカを置いている。外見がミニチュアダックスフンドに似ていたので、私はミダッカと名前を付ける事にした。

 それはいいとして、私の部屋は今は気温は涼しいが、私の気分は暑苦しくなっていた。その原因は私のベッドにいる人物のせいだ。


「タティー様〜!妹分である脇田伊愛が夏休みの間はタティー様のおそばにずーーっといますからね〜!」


 それは脇田さんがここに来てからずっとタティーの腕を組んで引っ付いているからだ。私が下で環さんと話をして部屋に戻って来たら、すでに脇田さんがタティーに引っ付いていた姿があったのだ。

 脇田さんは体育祭の翌日のあった出来事でタティーの関係はリセットしたはずなんだけど、同じクラスだからいつの間にか、私の知らない所でタティーと急接近してまた妹分を名乗り始めた。もちろん前回同様に勝手に言ってるだけなので、当然、タティーはよく分かっていない。


「それにしても脇田さん、よく家が分かったね。」


「何?何か悪いの?」


(私には当たりが強い......)


「だって、脇田さんには家を教えてないから、どうしてなのかなって。タティーは教えてないよね?」


「はい、私も教えていません。どうやってここを知ったのですか」


「それはですね〜。タティー様はおまけちゃんと一緒に住んでるじゃないですか〜。下校の時はタティー様の姿が見当たらないので、おまけちゃんの姿を追って家の場所を知ったんですよ〜」


「おまけちゃんって、私の事?」


「そうよ。タティー様にとって、あんはおまけの存在なのよ。」


 私には当たりはきついし、しかもストーカーまでしてるなんて......。家から追い出したくなってきた。


「脇田さん、今すぐ帰ってくれない?」


「はぁ!?私とタティー様を引き裂こうとするつもり!?おまけの分際で生意気な事言うんじゃないわよ!こうなったら、ここで大声出して、あんたの親にあんたに酷い事されたって言ってやるんだから!」


(もう、本当に嫌になってくる......どうにかして追い出せないかな......)


 頭を抱えていると、部屋のドアが開いた。


「明花、今、大丈夫か!って、友達が来てたのか。ごめんな。」


「お兄ちゃん、今はー」


「初めまして、明花ちゃんのお兄様ですか?私、脇田伊愛って言います〜。私はタティー様とお話しているので、明花ちゃんは大丈夫ですよー。」

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