湯蓮町
パパから入学祝いでもらったタブレットをもらって一日が経った。今日も休みなので、昨日タブレットのタティーが外に出たいと言っていたので、私はタティーと一緒に出かける事にした。
「じゃあ、タティーに私の町を紹介したいんだけど.....」
「何ですか、明花様」
「その、流石にそのボディスーツで外に出るのは、なんか変かな〜って思って。」
「そうですか。それじゃあ変えますね」
すると、タティーの体が輝き始めました。私は思わず目を瞑りました。
「えぇー!?タティー急にどうしたの!?」
しばらくして私が目を開けると、タティーの服装が変わっていた。ピチピチのボディースーツだったのに、ブラウスとスカートになっていて、素敵の大人の女性のような見た目になりました。色は赤色だけど、微妙に違ったりしている。
「これでどうでしょうか?」
「う、うん、これで外に出てもおかしくないけど、それよりも何が起こったの!?」
「私の機能の一つです」
「それって、服装を自由に変えられるってこと?」
「そうですね。そんな感じです」
服を自由に変えられるなんて、服屋さんが困っちゃう機能があるんだね。それにしてもタティーの格好可愛い......私も参考にしよう。
タティーの問題が解決したので、私達は外に出る事にしました。外に出ると、男女の話し声が聞こえて来ました。
「おっ、明花にタティー。どっか行くのか?」
「おはよう、明花ちゃん。」
「お兄ちゃん、蓮華さん。おはようございます。」
外で話していたのは、お兄ちゃんとその幼馴染の刑部 蓮華さん。二人もこれから出かけるらしい。
「明花ちゃん、その人は?」
「あぁ、ほら、明花に中学の入学祝い作ってるって話したじゃん。その擬人態。」
「そうなの。初めまして、刑部蓮華です。」
「初めまして、刑異タブレットです。明花様からはタティーと呼ばれています。」
「よろしくね、タティーさん」
そういえば蓮華さんも昔からお兄ちゃんと一緒に、おじいちゃんの発明品を試したりしてたって言ってたっけ。タティーを見ても驚いてないなー。というより蓮華さんも作ってた事は知ってたんだ。隣の家の人も知ってて気づかないなんて、私って鈍いのかな。
それにこうしてタティーと蓮華さんが並んでると、蓮華さんも身長は高いから画になってるな〜。蓮華さんの方がちょっと低いから、姉妹に見える気がする。そうなると私とタティーは......いやきっと私とでも姉妹に見られるよ!きっとそうだよ!
「それじゃあ俺達、行ってくるよ。」
「またね。明花ちゃん。タティーさん。」
「二人共、いってらっしゃーい!」
ちなみにお兄ちゃん達は恋人ではありません。でも、二人はお互いの事を思い合っているので、恋人になるのも時間の問題かもしれません。
「それじゃあ、私達も行こうか。タティー。」
「はい。明花様」
私が暮らしている湯蓮町は百合の花が多く咲いています。後はそこまで特徴がある訳でもない普通の町。あっ、でも住んでいる人が女の人の方が多いかもしれません。
「外ってこんな感じになってるんですね。初めて見ました。」
「生まれたて何だから、当たり前だよ。」
私はタティーと色々な所を紹介しました。と言ってもスーパーや服屋とか普通にお店を紹介したぐらいだけど。
私は歩いて疲れたので、町の公園の湯蓮公園の休憩所で休む事ににしました。休憩所には、木で出来たテーブルや椅子に囲いがある。
「ど、どうかな?タティー。この町の事は?」
「とてもいい所だと思いました。この花と言う物は綺麗で見ていると落ち着きますね。色んな所にあって、この場所にもあります。」
「そうなんだ。この町の事はとりあえず分かってくれた?」
「はい、とてもよく分かりました。」
タティーがこの町の事を分かってくれたみたいで、私も嬉しく感じた。
すると公園で遊んでいる男の子達が、私達を見て話していた。
「わぁ、綺麗なお姉さんだ。」
「あんな人初めて見た。」
男の子達がタティーに見惚れている。タティーが見惚れられてると、主人の私もちょっと誇らしくなっちゃうな〜。
「隣の女の子は何だろう?」
「分かった、あのお姉さんの子供だよ。お姉さんは、あの女の子のママだったんだよ」
そう言って男の子達は公園を出て行った。私は娘と間違われて何だか、体が崩れ落ちそうでした。
「......帰ろう、タティー」
「はい、分かりました。明花様」
「後、タティーって姿とか変えられたりとか、出来る?」
「出来ません」
「そ、そうなんだ」
私は落ち込んだ気分のまま家に帰った。どうしてパパはあんな大人の姿にしたんだろう?パパの趣味なのかな?
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