表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/48

湯蓮町

 パパから入学祝いでもらったタブレットをもらって一日が経った。今日も休みなので、昨日タブレットのタティーが外に出たいと言っていたので、私はタティーと一緒に出かける事にした。


「じゃあ、タティーに私の町を紹介したいんだけど.....」


「何ですか、明花様」


「その、流石にそのボディスーツで外に出るのは、なんか変かな〜って思って。」


「そうですか。それじゃあ変えますね」


 すると、タティーの体が輝き始めました。私は思わず目を瞑りました。


「えぇー!?タティー急にどうしたの!?」


 しばらくして私が目を開けると、タティーの服装が変わっていた。ピチピチのボディースーツだったのに、ブラウスとスカートになっていて、素敵の大人の女性のような見た目になりました。色は赤色だけど、微妙に違ったりしている。


「これでどうでしょうか?」


「う、うん、これで外に出てもおかしくないけど、それよりも何が起こったの!?」


「私の機能の一つです」


「それって、服装を自由に変えられるってこと?」


「そうですね。そんな感じです」


 服を自由に変えられるなんて、服屋さんが困っちゃう機能があるんだね。それにしてもタティーの格好可愛い......私も参考にしよう。

 タティーの問題が解決したので、私達は外に出る事にしました。外に出ると、男女の話し声が聞こえて来ました。


「おっ、明花にタティー。どっか行くのか?」

「おはよう、明花ちゃん。」


「お兄ちゃん、蓮華さん。おはようございます。」


 外で話していたのは、お兄ちゃんとその幼馴染の刑部 蓮華(おさかべれんか)さん。二人もこれから出かけるらしい。


「明花ちゃん、その人は?」


「あぁ、ほら、明花に中学の入学祝い作ってるって話したじゃん。その擬人態。」


「そうなの。初めまして、刑部蓮華です。」


「初めまして、刑異タブレットです。明花様からはタティーと呼ばれています。」


「よろしくね、タティーさん」


 そういえば蓮華さんも昔からお兄ちゃんと一緒に、おじいちゃんの発明品を試したりしてたって言ってたっけ。タティーを見ても驚いてないなー。というより蓮華さんも作ってた事は知ってたんだ。隣の家の人も知ってて気づかないなんて、私って鈍いのかな。

 それにこうしてタティーと蓮華さんが並んでると、蓮華さんも身長は高いから画になってるな〜。蓮華さんの方がちょっと低いから、姉妹に見える気がする。そうなると私とタティーは......いやきっと私とでも姉妹に見られるよ!きっとそうだよ!


「それじゃあ俺達、行ってくるよ。」

「またね。明花ちゃん。タティーさん。」


「二人共、いってらっしゃーい!」


 ちなみにお兄ちゃん達は恋人ではありません。でも、二人はお互いの事を思い合っているので、恋人になるのも時間の問題かもしれません。


「それじゃあ、私達も行こうか。タティー。」


「はい。明花様」


 私が暮らしている湯蓮町(ゆれんちょう)は百合の花が多く咲いています。後はそこまで特徴がある訳でもない普通の町。あっ、でも住んでいる人が女の人の方が多いかもしれません。


「外ってこんな感じになってるんですね。初めて見ました。」


「生まれたて何だから、当たり前だよ。」


 私はタティーと色々な所を紹介しました。と言ってもスーパーや服屋とか普通にお店を紹介したぐらいだけど。

 私は歩いて疲れたので、町の公園の湯蓮公園の休憩所で休む事ににしました。休憩所には、木で出来たテーブルや椅子に囲いがある。


「ど、どうかな?タティー。この町の事は?」


「とてもいい所だと思いました。この花と言う物は綺麗で見ていると落ち着きますね。色んな所にあって、この場所にもあります。」


「そうなんだ。この町の事はとりあえず分かってくれた?」


「はい、とてもよく分かりました。」


 タティーがこの町の事を分かってくれたみたいで、私も嬉しく感じた。

 すると公園で遊んでいる男の子達が、私達を見て話していた。


「わぁ、綺麗なお姉さんだ。」


「あんな人初めて見た。」


 男の子達がタティーに見惚れている。タティーが見惚れられてると、主人の私もちょっと誇らしくなっちゃうな〜。


「隣の女の子は何だろう?」


「分かった、あのお姉さんの子供だよ。お姉さんは、あの女の子のママだったんだよ」


 そう言って男の子達は公園を出て行った。私は娘と間違われて何だか、体が崩れ落ちそうでした。


「......帰ろう、タティー」


「はい、分かりました。明花様」


「後、タティーって姿とか変えられたりとか、出来る?」


「出来ません」


「そ、そうなんだ」


 私は落ち込んだ気分のまま家に帰った。どうしてパパはあんな大人の姿にしたんだろう?パパの趣味なのかな?

感想や意見を頂けたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ