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暗夜に潜み、迫り来る影 後編

 その後、私達がモニターを見続ける事、多分午後十一時ぐらい。モニターに全身に黒い服装をした人が懐中電灯を持ってる姿が映った。見た目は普通の体型のおじさんだ。そして、犯人は吊るしてある下着を手に取った。


「あっ!この人だ!」


「はい。では、刑異小型犬の攻撃開始」


 タティーは手にリモコンを持ち始めて操作をすると、犬は動き始めて、犯人を噛みつき始めた。


「おお、すごい!よし、行こう!」


「はい、明花様」


 私達はベランダに向かった。


「やめろ!このクソ犬、離れやがれ!この下着を高く売って大金持ちになるんだからよ!」


 この台詞を聞いて、私はもうさっさと警察に突き出そうと思い、犬を犯人から離してタティーに抑えさせようとすると、犯人はベランダーから飛び降りて、そのまま着地してダッシュして逃げていった。


「あぁ!しまった。逃げてちゃう!」


「私が犬と一緒に追いかけます」


「ウゥワン!」


 タティーは犬と共にベランダから飛び降り、犯人を追いかけた。タティーと犬は風を追い抜くようなスピードで追いかけてあっという間に犯人に追いつき、犬は再び、犯人噛みつき始めた。そしてタティーも犯人を叩いていた。タティーの力は強いから、普通の人間なら一回叩かれただけでもかなり痛いだろう。私だったら叩かれたくない。

 そして、犯人は縄で縛られ、手錠を付けて、タティーが警察まで連れていく様子だった。これで解決かなと部屋に入って余韻に浸っていると、ベランダで吊るした下着を取る音がした。私はすぐさまベランダに出た。


「まだいたの!って美澄ちゃん!?」


 そこにいたのは、私の友人の鳩中美澄ちゃんだった。美澄ちゃんは男物の下着を手に取っていた。


「明花!?これは違うよ......決して、甲平さんの下着を盗もうとしたわけじゃ......」


「それ、パパのじゃないよ.......」


「えっ、あっ、そうなんだ......あはは......」


「スゥー、パパー!下着がー」


「さ、さよなら!」


 美澄ちゃんは慌ててベランダから飛び降りて行った。なんで美澄ちゃんまで、二階から飛び降りれるの......?バレー部だから?


「どうした、明花!?犯人に襲われたか!?」


「あっ、パパ。ううん大丈夫。犯人はタティーがもう警察に連れて行ったよ。」


「そ、そうか、解決したか.......」


「パパがあの犬のメカを作ってくれたんだってね。ありがとう。すごく役に立ったよ。」


「そうかそうか!いやー俺にかかれば、急いで作っても役に立っちゃうんだよなー!」


(あっ、調子に乗り始めちゃった)


 でも、役に立ったのは本当だからまぁいいか。後で犬にも名前をつけてあげよう。

 ちなみに下着泥棒捕獲の手柄はタティーの物になって、私はまた学校で役立たず扱いされる事になった。

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