暗夜に潜み、迫り来る影 中編
そして時間は進んで午後九時を回った。
二階のベランダがある部屋。この部屋はクローゼットやタンスがある物置部屋になっていて、ママはこのベランダで洗濯物を干している。ベランダにはタティーの出現機能で出した下着を吊るして、犬型のカメラ付きメカを設置して、私はそこに映し出されたモニターでスライスチーズ食べながら、タティーと共にベランダを見張って待機していた。
「盗まれているのは女性の下着ですよね?何で、男性の下着や他の服も吊るしているんですか」
「それだけ吊るしてたら怪しく思われるからだよ。色々な物を紛れ込ませて、怪しさを消さないと。」
「なるほど、それにしても本当にスライスチーズが好きなんですね、明花様」
部屋のドアが開いて、ママが入ってくる。
「明花、本当に犯人を捕まえる気?」
「そうだよ。この前だって、捕まえたからね。」
「そう、いつの間にか成長したわね。昔は賢二に引っ付いているくらい弱虫だったのに。」
「ど、どうしたの?急に。それにいつの話してるの。私はもうお兄ちゃんに頼らなくて大丈夫だもん」
「そうね。でもスライスチーズを食べる所は変わってないわね。お兄ちゃんに似たかしらね」
「本当にどうしたの?」
「いや、子供の成長に関心してただけよ。」
「あっ、そう。そういえば何で私の下着は盗まれなかったんだろう?」
「う〜ん、明花の下着って何かババ臭いからじゃないかしら?」
「ば、ババ臭い!?」
「だって、花柄な濃い色をした物が多いからね」
「花柄かわいいじゃん!ママだってババ臭いんじゃないの!」
「ママはちゃんとした、明るい色の物だからね〜」
「もう、分かったから、犯人捕獲に集中するから、ママはもう寝て。」
「危なくなったら、大声を出して私たちの誰かを呼ぶのよ。」
ママは部屋から出て行って、私はモニターを確認したら、まだ下着は盗まれてなかった。
「それにしてもこんなメカも出せるなんて、やっぱすごいな〜タティーは。」
「いえ、これは博士が作った物です。」
「えっ、パパが?」
「下着泥棒の事を聞いて急いで作ったみたいです。急いで作ったので、小型犬型になっちゃったと言っていました」
急いでこんなの作れるなんて......いやタティーが作れるなら、これぐらい作れるかもね。
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