暗夜に潜み、迫り来る影 前編
下着泥棒。
朝食を食べているとママの口からそんな言葉が出た。どうやら最近、女の人の下着が盗まれているらしい。スカートめくりといい、ちょくちょく変な人が出て来るよね。そういう季節なのかな?そしてママの下着も盗まれたみたいだ。もうは外では下着は干せないわとママは言った。
私の下着は盗まれてないか聞いてみたら、私の下着は無事らしい。このまえのスカートめくりの時もそうだけど、なんか私だけは何か外されている感じがする。
学校でもタティーの話によると、同級生で下着を盗まれた人も結構いるみたい。私の友人は美澄ちゃんは盗まれてて、日華ちゃんは盗まれなかったと言っていた。
スカートめくりの件はタティーの手柄になっているみたいで、何人かの女子生徒がタティーに頼っていた。ちなみに私には一切頼られなかった。タティーが明花様のおかげですと言っていたが、疑惑の眼差しを向けられただけだった。
何だか腹が立って来たので、その下着泥棒の犯人を捕まえる事にした。
「えぇ〜!下着泥棒を捕まえるなんて、危ないよ!」
私は早速、歩美さんに下着泥棒を捕まえる事を宣言してみたら、心配そうにしていた。
「大丈夫ですよ、この前もスカートめくりのおじさんを捕まえましたからね。」
「それでも、明花ちゃんは中学生なんだよ?もっと自分を大事にしてよ!」
「まぁ、恐らくタティー頼りになるから、私はそんなに何もしないと思いますけどね」
「そうなの?それで、タティーちゃんは今どうしてるの?」
「充電してますよ。今夜に備えてね」
「今日、実行するつもりなの!?」
「そりゃあそうですよ。一日でも早い方がいいでしょう?」
それに、こんな腹が立つような気持ちを何日も感じたくない。ママもパパもタティーだったら大丈夫だって言ってるし。一日でも早く解決して、この怒りを鎮めよう。
「そういえば歩美さんは下着とか盗まれてないですか?私は盗まれないですけど。」
「明花ちゃんは盗まれてないんだ。私は盗まれちゃったよー。」
「そうなんですね......それは上も下もどちらもですか?」
「そうだね......明花ちゃん、心配していてこんな事言っちゃうけど、下着泥棒が捕まえられるように応援してるね。」
「任せて下さい!必ず捕まえて、下着を取り返してみせます!」
歩美さんは私とそんなに身長は変わらないはずなのに、なぜ盗まれたのだろう?私と違って、しっかり胸に膨らみがあるからかな?
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