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タブレットへの逆恨み 前編

 体育祭が終わって翌日になって、タティーと一緒に登校して学校に入ると脇田さんがタティーの元にいち早く駆けつけて来た。


「おはようございます!タティー様!妹分の脇田伊愛が参りましたよ!」


 脇田さんはタティーに近づいて、勝手に妹分を名乗り出した。そして恋人のように体を密着し始めた。


「あの、脇田さん?何言ってるの?」


「私はタティー様の妹分になったのよ!」


「なったって、勝手に言ってるだけじゃん」


「じゃあ今からなるわ!良いですよね、タティー様!」


「明花様、いいんでしょうか」


「えっと、それは......」


「タティー様!あの人はタティー様のおまけ同然です!あんな人の許可なんて必要ありません!」


「えっ、そんな事言う必要ある?」


「行きましょ、タティー様」


 脇田さんはタティーと一緒にタティーの席に向かっていった。私も自分の席に向かった。


「なんか大変だね、明花」


 隣の席の日華ちゃんが私にそう言った。昨日の今日でまさかこんな事になるから、こっちだってびっくりしてしまう。


「それにしたって、女子が女子に夢中になるなんてどうかと思うけど」


「でも、このクラスそういう女子同士がちらほらいると思うけど......」


 そう言われて当たりを見回して見ると.......


「昨日の体育祭大変だったね。シズカさん大丈夫だった?」

「うん。ヒナタちゃんがそばにいてくれたから......//」

「サキちゃん、昨日のタイヤ取りで怪我させちゃってごめんね.......」

「ううん、カホちゃんが手当してくれたから平気だよ、怪我してる所も舐めてもくれたし......//」


 確かに女子同士の仲がいい人が多かった。そして、とても近寄りがたい二人だけの世界になっているような人達もいる。


「......こんな感じだったっけ?」


「割とこんな感じだったわよ。明花が周りを見てないだけなんじゃない?」


「そうなのかな」


 すると、何だか嬉しそうな様子で美澄ちゃんが私の所にやって来た。


「おはよう、明花!聞いて聞いて!」


「おはよう、美澄ちゃん。何、そんなに嬉しそうにして。」


「昨日、甲平さんが私の事を褒めてくれたんだ!これで私と甲平さんが一緒になる日も近いわね!」


「......そうなんだ、まぁ、頑張ってね......」


「本当に大変ね、明花」


 その後の学校もタティーには脇田さんが休み時間の時は付きっきりになっていた。脇田さんはタティーには誰にも近づけまいと周囲に威嚇をしていた。

 そのおかげで、クラスのみんなが刑異さんどうにかしてちょうだい!と私に文句を言いにきた。これは流石にどうにかしないとかな。こっちに何かある度、文句を言われるのは察すがに面倒臭い。

 放課後になり、私は脇田さんにガツンと一言言おうと決意した。そして案の定、タティーにくっ付いていた。

ガツンと言おうとすると、タティーが便箋を手に持っていた。


「明花様、私の下駄箱にこんな物が入っていました」


「何、この手紙?」


 タティーの下駄箱に入っていた手紙を読むとー


『タティーさんへ、昨日の体育祭の活躍を見て一目惚れをしてしまいました。校舎裏で待っています』


 と書かれていた。


「まぁ、あの活躍ならこんな手紙がきてもおかしくないよね......」


「許せないわ!タティー様に惚れるなんて!どこの馬の骨なのかしら!」


「それ、ブーメランだよね?」


「一体どんな不届き者なのか、私が直々に排除してやるわ!」


(ちょくちょく物騒な事言うね、この人......)


「でも、私もタティーを好きになった人がどんな人かは興味あるかな。」


「タティー様と私で行くから、おまけの刑異さんは来なくていいわ!行きましょう、タティー様!」


「えっ!?ちょっと!?」


 脇田さんはタティーを引っ張っていこうとしたがタティーの力が強すぎたため、引っ張れてなかった。

 私も一緒なら行くとの事で、三人で校舎裏に向かった。

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