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お詫びの打ち明け

 美澄ちゃんがパパに愛の告白をして一日が過ぎた。学校に登校すると、美澄ちゃんは机に突っ伏していて見るからに元気が無さそうだった。元気が無い美澄ちゃんを見た人たちが美澄ちゃんの机の周りに集まってきた。人のパパに告白している人でも、学校での日頃の行いが良ければみんなに心配してくれるんだね。

 私が机に座ると、日華ちゃんが今日も私に言い掛かりを言ってくる。


「刑異明花!今日こそは、アタシの店を潰した事を認めてもらうわよ!」


「ごめん!まさか、本当に家のせいだったとは思ってなかったの!」


「......えっ?本当に明花の家のせいだったの?」


「えっ?そうじゃないの?」


「い、いや、その、最初はたまたま近くに同じ修理屋だったから、その、何か親近感があったから友達になりたかったけど、そしたらアタシの店が潰れちゃったから、それであなたの家のせいだと勝手に思っちゃって.......」


「勝手に家のせいにしてたって事!?いくら何でもあんまりだよ!潰したって言われるの結構、傷ついたんだからね!」


「ご、ごめんなさい!」


 私が謝るつもりが、逆に日華ちゃんにも謝られてしまって、お互いが謝る形になってしまった。

 日華ちゃんに、日華ちゃんのパパが家の店に来た事を伝えた。家のパパの修理の腕を見て店を畳んだ事やその選択に後悔はない事も全て伝えた。


「お父さん、アタシにはそんな事言ってなかったのに......」


「だから、日華ちゃんのお店が無くなったのは、結果的には家のせいだったの!本当にごめん!」


「......やだ。」


「え〜、じゃあ、おわびにまだ誰にも言っていない秘密を教えてあげるから!」


「ふ〜ん、秘密ね......」


 私はお詫びとして、タティーの正体を日華ちゃんに明かす事にした。同じ修理屋だからというのもあるけど、学校でも一人ぐらいは理解できる人が欲しかったというのもある。

 私はタティーと二人きりで話をする時に使っている三階の空き教室にタティーと日華ちゃんを連れてやって来た。


「秘密を教えるって事だけど、何でタティーさんも一緒なの?」


「秘密というのはタティーの事なんだ。」


 私は英語の文字が書いてあるタティーのうなじを触った。


[TABLET FORM]


 女の人の音声が聞こえて、タティーをタブレットの姿に変えた。そういえば誰の声なんだろう?


「た、タティーさんがタブレットになった!?」


「タティーは家のパパが作った発明品なんだ。」


「す、すごいわ......」


「あれ?結構、驚いてるね?そんなにびっくりした?」


「あ、当たり前でしょ!急に人からタブレットになったら誰だってびっくりするに決まってるでしょ!」


「そ、そっか、普通そうだよね。でも同じ修理屋だから驚かないかと思って。」


「いや、お父さんは修理はするけど発明は出来ないし、それにしたってこれはもう凄過ぎよ......」


 [PERSONNIFICATION FORM]


 タティーを擬人態に戻したら、日華ちゃんはタティーを観察し始めた。上から下まで隅々まで観察し始めた。


「こうやって正体を知ると、本当に人間と変わらないぐらいね。た、タティーさん、体触ってもいいかしら?」


「明花様がよろしいのでしたら構いません」


「あ、いいよ触って。」


 日華ちゃんは体を触って、人間ほぼ同じな事に驚いていた。その時にやたら胸をよく触っていた。やっぱり気になっちゃうのかな?その他にも充電の事や機能の事も教えると、日華ちゃんは教える度に反応するから何だか面白くなっちゃった。

 秘密を教え終わって私達が教室に戻ると、何人かの女子達が私の所にやって来た。


「刑異さん。美澄さんが元気が無い原因があなたのパパだって聞いたんだけど」


 美澄ちゃん、言ったんだ。人のパパに告白して振られた事。これは流石にみんなも呆れているだろう......


「そうなんだ。人のパパに告白するなんてどうかー」


「あなたのパパのせいで、美澄ちゃんが困ってるじゃない!」

「何でOKにさせるようにお願いさせなかったのよ!」

「刑異さんは本当にこのクラスの悩みの種だわ!」

「タティーさんとは本当に大違いね!存在価値が無いわ!」


 何か同時に言っててよく聞こえないけど、とりあえず悪口を言われているのは分かった。私は女子達に迫られて、教室の壁に追いやられてしまい、腰が抜けてしまった。一人の女子が私に手を出そうとしていた。その時にタティーが私の前に現れた。


「どいてよ、タティーさん!刑異さんのおかげで迷惑してるのよ!」


「明花様を傷つける人は許しません!」


 タティーは声を荒げてそう言うと、女子達は私から離れて行った。


「大丈夫、明花!」


 日華ちゃんが私に手を差し伸べてくれて、私は日華ちゃんの手を借りて立ち上がった。それにしてもまさかこんな事になるなんて、恐かった......。

 放課後に美澄ちゃんからこの件について謝罪された。女子達には美澄ちゃんからきつく言っておいたらしい。美澄ちゃんは自分を磨いて、また私のパパに告白すると言った。出来れば辞めてほしいかな。

 でも、これで日華ちゃんのはもう言い掛かりを言われる事もないし、それどころかタティーの理解者になってくれたから改めて友達になった気がして嬉しくなった。

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