不思議なタブレット
新しく描き始めました。よろしくお願いします。
私、刑異明花は小学校を卒業して、中学生になりました。先日に中学の入学式も終わって、今日は休日で二階の自分の部屋にいるとパパの声が聞こえてきます。
「明花、ちょっと降りて来なさい。」
一階からパパの声が聞こえた私は、階段を降りてパパのいる部屋に向かいました。パパの部屋は機械や工具がたくさんあって、一言で言うなら研究室です。研究室に入ると、Tシャツの上から白衣を着たパパがいました。
私のパパの甲平は発明家で、パパのパパの形太おじいちゃんに憧れて発明家になりました。
と言っても普段は発明をする時間もお金も無いので、この家の家業になっているおじいちゃんから継いだ刑異修理屋で壊れた機械や電化製品を直したりしています。
「パパ、私に何か用事?」
「明花、遅れてしまったが、中学校入学おめでとう!」
「あ、ありがとう...」
「パパも入学式に行きたかったけど...仕事で行けなかった...」
「仕方ないよ。修理するのも大変だし、入学式はママが来てくれたし」
「そんな明花に入学祝いを作ったんだ。受け取ってくれ!」
そう言ってパパに渡された物は、赤色のタブレットでした。
「これって、タブレット?」
「そうだ!パパが明花の為に作った、お手製のタブレットだ!」
「すごいねパパ!よくタブレットを作る時間なんてあったね。」
「明花の為に、日々コツコツ作ったのさ!さぁ点けてみてくれ!」
私はパパが作ったタブレットを起動しました。起動してみると、写真や天気や時計といったアプリが入っていて、見た感じは普通のタブレットみたいです。
「ちゃんとタブレットになってる、パパってちゃんとした物作れたんだね!」
「それだと、まるでパパが変な物しか作ってないみたいじゃないか」
「違うの?」
「と、所でこのタブレットは普通のタブレットにはない機能が付いているぞ。」
「そうなの?見た感じ普通のタブレットと変わらないけど...」
「画面の右下に項目があるだろう?」
そう言われて見てみると、右下に英語で書かれている文字がありました。
「その項目をタップしてくれ」
「うん、分かった」
[PERSONNIFICATION FORM]
パパに言われて文字をタップすると、音声と共にタブレットが光って、私は思わず目を瞑ってしまいました。目を開けると、そこには赤色の大人の女の人が立っていました。
「よし、成功だ!」
「パ、パパ、この人誰!?」
「誰って、今、明花が手に持ってたタブレットだが?」
たった今、私の手に持っていたタブレットは、大人の女性になってしまいました。
「おはようございます。刑異博士」
「驚いたか、明花?これがこのタブレットの最大の機能の擬人化機能だ!」
「タブレットが人になるなんて......でもなんでこんな機能を?」
「いや〜明花って友人がいないだろう?中学生にもなったし、だからこのタブレットを友人の代わりにと」
「余計なお世話だよ!それに友達はいるよ!......多くないけど。」
それに、この大人の女の人を友達と言うには無理があるんじゃないかな......。
「刑異タブレットよ。今日からこの子が、お前の主人で、俺の娘の明花だ。」
「初めまして。明花様」
「刑異タブレット。明花の事をよろしく頼むぞ。」
「お任せ下さい。博士。」
何だか私を置いて、勝手に話が進んでいく。というより気になる事が。
「パパ、刑異タブレットって?」
「このタブレットの名前だよ。俺が作ったんだから刑異タブレットだ。なぁ、刑異タブレット。」
「はい。」
「パパ、せめて、その姿の時はその名前で呼ぶのはどうかと思うよ?」
「そうか、じゃあ明花が決めてくれ。」
「私が?う〜ん」
よく見ると、この姿、私は140センチぐらいだけど、それよりも高くて、それに顔も可愛くて身体もスラっとしててレディーな感じだなぁ。私とは大違い。でも服装はピチピチの全身タイツなんだよね......これが元はタブレットかぁ。
「じゃあ、あなたの名前はタティーね。よろしくね。タティー。」
「よろしくお願いします。明花様」
こうして入学祝いに貰ったタブレットは、女の人になれる不思議なタブレットでした。
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