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1.プロローグ


「せ~なせ~んせい、一緒にご飯食べよ」


 職員室で学年末のテストを作っていると、私になついている(?)生徒たちが、昼食に誘ってきてくれた。


「だ~め。今、テスト期間中でしょ。職員室の内部に入っちゃいけないのと同じで、生徒と教師が一緒に昼食とっちゃダメなのよ。」


 この学校は、生徒と教師の信頼などを深めるためか、テスト期間中や成績処理中以外の期間は校内だったら一緒に昼食をとってことになっている。


「先生とご飯食べられないなんて、テストの点が落ちちゃうかもよ~。それでもだめぇ?」


「ダメったらダメなの。

あ!そうだ!もし、テストで平均点より上の点とったら、先生特製お弁当作ってあげるから、テスト頑張ってね。」


「ほんと⁉じゃあ、ユナたちテスト頑張る~!」


「あぁ、それとテスト期間が終わるまでスカート丈を長くしたらだからね。」


「これはおしゃれなの」


「おしゃれかもしれないけど校則は校則よ。しかも、あなたたちの魅力はスカートが長くても伝わるわよ。校内だけでもいいから、ね。じゃないとお弁当の話は無いことにしちゃうわよ。」


「先生の意地悪ぅ。でもお弁当のために長くしようかな~?」


「分かったならよろしい。ふふふ。テスト勉強頑張ってね。」


 残念そうに、けれども、嬉しそうに職員室を出て行ったのを見届けていると、隣から声をかけられた。


「相変わらずの人気ぶりだなぁ、聖菜は。」


「津川先生、それ、どういう意味。ってか、職場で呼び捨てやめてもらえる。」


「そのままの意味だよ。聖菜は人気があっていいなぁって思っただけ。」


「そんなこと言って、悠斗だって昔から人気じゃない。」


「昔って。だいたい、俺が言いたいのは生活指導部でこんなに人気があるのは珍しいって言いたいわけ。」


 声の主は、私と大学と中学が同じだった津川先生だ。

 そんな感じに、昔みたいに話していると


「そんなこと言って、津川先生、聖菜ちゃんにお弁当作ってほしいんじゃなぃ?」


 と、生物担当の二児の母である由美先生がにやにやしながら揶揄うようなことをいう。


「ソッソンナワケ、ナイジャナイデスカ」


 悠斗が、うろたえる。


「ほんと、そんなわけないですよねぇ。ただ、生活指導部の先生の人気が薄いってことを言いたいんですよねぇ。由美先生、ご冗談が上手で。」


「せ、聖菜ちゃん、それ本気で言ってる?相変わらず、鈍いね。」


「何がです?」


「あ、あははは。何でもないの。それじゃぁ、ごゆっくり…。」


 いったい何が鈍いんだろう。

 まぁいい。そんなことより、次の授業の準備をしなくては。

 準備をした後に、お昼食べよう。


「じゃあ、私、次の授業の準備しに、実験室行きますね。」


 周りの先生に言って、職員室を出る。

 出ていくときに、数人の先生が動き出すのが見える。


 実験室につく。

 今日は、テスト前最後の授業で、理解を深めるための実験の準備をする。

 使用する器具を取りに棚へ向かう。


「にしても、この学校いろんな器具がそろっているわね。」


 器具の充実さに、一人で興奮しながら準備を進める。


「カラン」


 準備していると後ろで何かが落ちる音がした。

 振り返ってみると、宝石のような石が落ちている。

 日の光があたり、キラキラ輝いて見える。


「きれい…」


 思わず声が出る。

 そして、何も考えずに手に取る。

 その石に触れたとたん突然床に幾何学的な模様が浮かび上がる。


「え?なにこれ、魔法陣?夢?」


 そんな暢気なことを考えているうちに、魔法陣らしきものから春風のような温かい風が吹きあがり、来ている白衣をなびかせる。

 そして、強く光りだし思わず目を細める。

 細めるのと同時に体が少し宙に浮く。

 次の瞬間、急に重力を感じ、思わず座り込む。


「痛たたた…」


 うまく着地できずに、しりもちをつく。

 しかし、そんな痛みも目の前の光景を見てなくなる。


「え?」


 思わず声が出る。


 周りには、魔法使いがよく着るローブのようなものを羽織っている人たちがいた。

 床を見ると、実験室で見た魔法陣らしきものが描かれている。

 そんなこんなで非現実的なことが起こっている中、状況を判断してしまっていることに気づき、人間の状況判断能力は改めてすごいと思う。

 そんなことを考えながらもある会話が耳に入った。


「これは…」


 堂々としたような声が聞こえる。


「陛下、これはどういうことでしょう…」


「分からぬ…」


 会話がしばらく続く。


 しばらくたって、会話が終わったかと思うと、足音が聞こえて十分に状況が把握できていない私の前で止まる。


「突然の無礼を謝罪する。」


 陛下と呼ばれていた、金色の髪を持つ男性が私たちに向け、頭を下げる。


「詳しいことは後日説明する。今日はゆっくり休んでください。」


 頭を上げた陛下が私の顔を見ながら、優しい顔で言う。

 言い終わるのと同時に、陛下は踵を返し扉のほうへ向かう。周りの人たちが一斉に頭を下げる。

 陛下が出ていくと、今まで頭を下げていた人たちが一斉に頭を上げ、3人が私の所へ来る。


「あなたがこれから過ごす部屋へ案内します。ついてきてください。

 それから私たちからも謝罪いたします。」


 3人が代表し頭を下げ、3秒経ったくらいに頭を上げる。

 手を差し出され、その手をつかみ、立ち上がる。

 そして、よくわからないまま付いていき部屋へ案内される。

 部屋の中へ入るとそこには私にはもったいないくらいの豪華なものがそろっていて、その中にはメイド服のようなものを着た人たちが5人いた。


「今日から、あなた様のお世話をさせていただきます侍女長のナタリー・ムーアです。よろしくお願いします。」


 5人のうち真ん中にいた、優しいオーラがあふれ出ている30歳くらいの女の人が言う。


「こちらこそよろしくお願いします。屋根川聖菜と申します。」


 よくわからないまま、自己紹介をする。


「あ!屋根川が苗字で、聖菜が名前です」


 ムーアさんの名前を思い出し慌てて付け足す。


「セナ・ヤネカワ様、今日はもう遅いのでお休みの準備をさせていただきます。こちらへどうぞ」


(え?夜?)

っていうか、苗字と名前入れ替えるだけですっごい外国の人みたいになってる…。

 ふしぎになりながらも外国のような国の名前というところから時差だろうと思い追求しない。

 そもそも、これは夢か何かだろうと思いなおす。

 しかし、寝不足のせいか突然眠気に襲われ夢の世界へ引きずり込まれていった…。


理系です。中学の頃、部活の一環で小説を書いていましたが、文章がおかしいところがあるかもしれません

また、学業と同時進行で投稿するため1週間に1話のペースで投稿します

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