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冒険者ギルド

ついにレイが冒険者になります!

あれから数日が経ち、僕達は順調に王都に向かっていた。



「ガルシュさん 王都まであとどのくらいかかるんでしょうか?」


「もうすぐ着くぜ」








それから30分程した頃、突如巨大な壁が現れた。否 それは巨大な城壁であった。



「うわぁ 初めて見ますが、圧巻ですね」


僕は感動と興奮で空いた口が塞がらない。



「すごい!あれが王都ね! 大きいわ!」


ウィリアも興味津々の様子だ。


「初めての王都に興奮する気持ちはわかるが、落ち着け」


ガルシュは呆れるような声で言う。




「あら 団長だって初めて王都に来た時はとてもはしゃいでいたじゃない」


「確かにそうだったな」


「そんな事もありましたね」


三人の発言に


「ちょ ば、馬鹿野郎!上司を馬鹿にする部下が何処にいるんだ!」


ガルシュさんは照れ隠しにそう言うと黙ってしまった。



そんな団長を見かねてか三人は団長を励ますべく声をかけるが、逆効果だったようでさらに怒らせてしまうのだった。


「仲良いんだね」


「そうだね」


そんな様子を僕とウィリアは眺めているのであった。


「「ウィリア君とレイ君も団長を止めてくれ!」」


と聞こえたが、巻き込まれるのは勘弁なので微笑み返すだけにしておいた。






しばらく進むと門に到着した。


門には【ルグニカ王国】と書いてある


「そこの馬車 止まれ。身分証をだしてくれ」


若い兵士らしき人物がそう告げる。


「俺は近衛騎士団団長ガルシュだ。こちらは領主様だ」



まさか、分からなかったとでも? そう告げるような視線で睨みを効かせる。



若い兵士は顔を真っ青にしながら謝罪する。


「こ、これは大変失礼致しました。団長様と領主様だとは気づかず無礼を働いてしまい 申し訳ございませんでした」


「別に俺はいい だが、領主様がもし今ので気を害していたらお前の身は危なかった。ましてや、今の俺達は国王様の使いと同じだ。今後は気をつけて欲しい」


「温情に感謝します。……ところで そちらのお二人は?」



「ああ、そちらについては私達の連れだ。この後、そちらの少女は国王様と謁見がある」


「そうでしたか。それは失礼致しました。」


そうして僕達は門を通過したのだった。









「ウィリア君 君は午後からの謁見に備えて準備があるから僕についてきてもらうよ」


「せっかく王都に来たんだから、レイと遊びたいなぁー」


ウィリアはあまり乗り気ではないようだ


「ウィリア 謁見が終わったら、一緒に王都を回ろう。だから、それまでは我慢だ」



「うぅ レイがそこまで言うなら分かった…… けどっ 一緒に回るんだからね!約束だよ!」


ウィリアは何処が嬉しそうだ



「うん 約束する」


僕は微笑みながらそう告げた。



「レイ君 説得してくれてありがとう」


「いえいえ ウィリアをお願いします」





そうして、ウィリアは領主様と一緒に去っていった。






「さて少年 君との約束だったからな。鍛冶屋を紹介するぞ」


「ありがとうございます」





そして僕達はガルシュさんと共に鍛冶屋に向かうのであった。







その鍛冶屋は大通りから外れたところにポツンっと立っていた。


「ここが俺がお世話になっている鍛冶屋だ」


そう言うと、ガルシュさんは扉を3回ノックした。



“バタバタッ” という音が聞こえ、程なくして扉が開かれる。



「あ、ガルシュさん いらっしゃい!」


見た目はレイと変わらないほどの少女が出てきた。


「そちらの方は?」


「ああ 俺の連れだ。鍛冶屋を紹介すると約束していてな」


「そうだってんですね。親分呼んできます!」



そう言って彼女は「親分〜!」と叫びながらバタバタと奥へ駆けて行った。










しばらくして、筋骨隆々な身体つきに、長い髭を生やしたドワーフが出てきた。


「おう 久しぶりだな。ガルシュ」


「久しぶりだな クーガ」


「そちらの坊主は?」


「坊主がはぐれ者のオーガを倒してな。その素材を使って武器と防具を作って欲しいんだ」


「オーガだと⁉︎その歳で大したもんだな。それでどんな奴を作って欲しいんだ?」


「切れ味のよく刃こぼれがしにくいロングソードと動きやすいライトアーマーを作って欲しいです。」


「他には何かあるか?」


「はい。あとはクレイモアとアクセサリーを作って欲しいです。


「…… クレイモアは坊主じゃ生半可な訓練じゃ使いこなせないぞ」


「あ、いえ 友達に聖騎士がいまして彼女にプレゼントしたいんです」



一瞬目を丸くした後


「ガッハッハッ 気に入った。任せとけ坊主 必ず満足のいくものを作ってやる」


と満足そうに頷くのだった。



「ところで、お金はどうしたらいいでしょうか?お恥ずかしながら今あまり持っていなくて……」



「そうか。なら、余ったオーガの素材を俺が貰うって事でどうだ?」


『凄くありがたい提案だ』


「それでお願いします」


僕はクーガさんに向けて頭を下げた。


「いいってことよ」


そう言ってドワーフは豪快に笑った。





鍛冶屋から出て次は冒険者ギルドに向かう事にした。




「ガルシュさん わざわざ冒険者ギルドまでついてきてくださっていいんですか?」


「俺も特にやることがないしな。それに俺がいれば変な奴に絡まれる事もない」


「何から何までありがとうございます」


「気にするな」









そうしているうちに僕達は冒険者ギルドに到着した。冒険者ギルドは石造りの巨大な建物だ。


『でかいな……』




恐る恐る僕はドアを開ける


扉を開けるとそこには見たこともない風景が広がっていた。


最初に受けた印象はその人の多さだ。多種多様な人や種族がいる。


そして、巨大な酒場が併設されていてたくさんの人がお酒を飲んでいる。


その正面にはたくさんの受付がある。


『受付の人 みんな美人だな』


そんなことを思いつつ、受付に向かう。






「すみません。冒険者登録をしたいのですが」


「はい。登録ですね こちらにお名前と職業を記入してください。文字が書けない場合は銀貨5枚で代筆しますがどうしますか?」


「いえ 自分で記入します」



僕は名前と職業を記入して、受付に提出する。


「名前はレイ 職業は収納士ですね。最後に登録料として銅貨50枚かかります」


「今手持ちにお金が無いので、素材を買い取って貰えますか?」


『今の僕にはお金が無いからなぁ……』


「素材の買取ですね。見たところ何も持っていないようですが……?」


受付の人が訝しむような目で見てくる。


「ああ、素材ならしまってあります」


そう言ってゴブリンの死体を取り出す。


「!? 珍しい アイテムボックスを持っているんですね。……買取の方は査定をするまでに時間がかかるので素材の代金から登録料を引いておきます」


「はい。分かりました」



「冒険者ギルドについて説明します。


・ランクはF〜SSSまであります


・ダンジョンにはDランクから入れる。


・ランクは依頼を一定数こなすと上がる。


・冒険者同士の揉め事にはギルドは関与しない



以上になります。何か質問はありますか?」




「Eランク以下の冒険者はダンジョンには潜れないんですか?」


「原則として まだ実力が不足している為、禁止しています。ただ、Dランク冒険者が付き添いの場合は入ることも可能です」


「なるほど。ありがとうございます」


「他には何かありますか?」


「お名前を教えてもらっても良いですか?」


「ええ 私はリリーと言います」


「ありがとうございます。リリーさん 今日の所はここらで失礼します」


「はい」




「…… よぉ坊主 ずいぶんと小さいみたいだがそんなんで冒険者なんてできんのかよ?」


「ギャハハッ 早くママのところへ帰りな!」


そう言って二人の冒険者が近づいてきた。


見るからに柄の悪いスキンヘッドの大男に、目つきの悪い細身の男だ。



僕は一緒で距離を詰めるとスキンヘッドの脛に蹴りを入れた。

「うぐッ」苦悶の表情を浮かべ脛を押さえたので、その隙に顔を蹴り飛ばした。


細身のやつは逆上して殴りかかってきた。

僕は半身で攻撃を躱し、鳩尾に右ストレートをお見舞し、(うずく)まったところにアッパーをかました。




僕は 二人に目もくれずに冒険者ギルドから出て行った。



「ガルシュさん。お待たせしました」


「……早かったな。どうやらさっそく揉め事に巻き込まられたようだな」


ガルシュは不敵な笑みを浮かべながらそう告げる


「はい…… 絡まれたので倒しました」


僕は苦々しく頷く



「だが、それで問題ない。自分の身は自分で守るしかないからな」




「他にやる事はあるのか?」


「はい。この街を見てまわりたくて」


「ふっ それなら任せろ」





そう言って僕達は街を見て回るのだった。



















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― 新着の感想 ―
[一言] どんな感想でもということですのでひとつ。 始まりが楽しそうだな収納ってどうなるのかなっ?て思っていたらそうなる前の話からスタートしてしまっているので 私個人としてはそこが非常に残念です。 理…
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