2:前々世1
異世界転生したなら誰でもやる事がある。
1、夢かと疑う
もうね、散々疑った。
自分は6歳の時に前世の記憶を取り戻したのだが、転生したと確信するまで少しの時間が必要だった。
周りには自分の矮小な想像力を簡単に越えるものがそこかしこにあったお陰ででいつの間にか落ち着いたのを覚えている。
2、ステータスと唱える
これも散々やった。
言い方を変え、単語を変え、単語の組み合わせを変え、それでも生涯自分の目の前にステータスプレートが浮かび上がる事は無かった。残念。
さて、前々世での自分の紹介をさせて貰おう。
名前はエディン・レラ・コレノ。エディンが名前でコレノが家名。真ん中のレラはセカンドネームじゃあなくて、何とセカンド家名。平民でも家名を持つので、家名が続くのは貴族の証、そんなわけで我が家は貴族、下っ端の方の。ちなみに上の方の貴族は領地の名前だとか誰某の傍流だとかが付いて名前が長くなる。
その点我が家は本当に下っ端の方で衛士という町の巡回役、イメージとして一番近いのは地方の藩の下級武士、もっと言うならば奉行所の同心、そんなとこだ。
ああ、こんな事はスラスラ思い出せるのに前々々世の自分の名前も思い出せないとは・・・。
取り敢えず前々世の自分は貴族の末席の一人息子として生まれてきた。
短いけどキリがいいので