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卑猥な奴ほど強くなる世界

エリー=クローゼナイツ

レベル1

職業:奴隷 (イクス)

攻撃:0(+10)

魔力:0(+10)

防御:0(+10)

精神:0(+10)

素早:0(+10)

幸運:0(+10)


 正直やりすぎた。

 反省はしている。



 太陽はすでに真上にまできていた。

 朝からお昼の今までずっとやり続けていたことになる。

 ちなみにやめた理由はお昼になってお腹が空いたからだ。

 ご飯は大事だからな。


 ちなみに回数としては10回以上はしたんだが、ステータス上昇は+10で打ち止めになっていた。

 これが最大なのか、それとも1日の上昇値に限度があるのかはまだわからない。


 これは明日も「実験」が必要だなあ。

 仕方ない、仕方ない。


 うんうんと満足げにうなる俺の横で、エリーが枕に顔を埋めながら何かを呟いていた。


「エロ猿……ケダモノ……性欲しか頭にないオーク以下のゲロ豚野郎……何回すれば気が済むのよ……ホント信じられない……そんなにアタシのこと……ふふっ」


 なぜか最後には嬉しそうに笑っていたけど、とりあえず「運動」のしすぎで腰が立たないみたいだった。

 しょうがないからもう少しだけ寝かせてあげようか。

 その間に俺は昼食をとりに行くことにした。




 ちなみに俺とエリーの部屋は別々に取ってあったんだが(奴隷になる前のエリーが俺との同室なんて絶対に許すわけないからな)、昨日は一緒の部屋で眠っていた。

 もちろん別々でも俺はいいと言ったんだが、奴隷として主人の傍に居なければならないからとエリーは断った。

 エリーは俺に対して嘘はつけないから、本心でそう思っているということになる。


 奴隷は主人の傍にいなければならない決まりはないというか、むしろ部屋は別にするのが普通だと思うのだが……。


 そういえばエリーは俺のことを奴隷扱いしながらも、常にそばにいることを要求してきたな。

 部屋だって別々にしてはいるものの、同じ宿屋の、結構近い場所にある。

 それがエリーの考える奴隷のあり方なんだろう。

 だから自分もそのように振る舞っているのかもしれなかった。


 そう考えると面白い。

 奴隷は主人の命令に対しては絶対服従で、文句を言うことも許されず、常に主人のそばに控えていなければならない。

 エリーはそう思っているってことだ。


 まあ奴隷の扱いも人によって違うからな。

 家族の一員のように大切に扱う人もいれば、安い賃金でこき使える労働力と考えている人、死んだら買い換えればいい部品としか思っていない人まで様々だ。

 そういう見方をすると、エリーは奴隷に対しては優しい方だったのかもしれないな。



 いつまでもエリーと愛し合っていたかったけど、さすがにそういうわけにはいかない。

 俺たちは宿屋を出てとある場所を目指していた。


 ちなみに格好は、いつもの冒険者装備ではなく、普通の私服だ。

 特別高いものでもないのだが、エリーの美少女ぶりもあって、その姿はとても目立っていた。

 街を歩いているだけでもジロジロと見られてしまう。


 しかもその美少女を引き連れているのはこの俺なのだ。

 ちょっとだけいい気分になってしまう。


「うう……、なんでアタシが、こんな……」


 後ろからエリーの声が聞こえてくる。

 かつてはエリーが先頭を歩いていたし、歩くだけで人混みにも道ができたほどだ。

 それが今や、エリーの姿を見ると噂が本当かどうか確かめようと逆に人が集まってきていた。


「ステータス」


 どこかでステータスを使う人の声が聞こえる。

 そのたびに「うわっ、本当に奴隷になってる!」などと声が聞こえてきた。

 寝ていた期間も含めて2日も経ってるからな。

 もうすっかり噂は広まっているみたいだった。




 やがて着いたのは冒険者ギルドだった。

 今回の目的はエリーの仕事探し。

 いくら俺の奴隷とはいえ、何も仕事をさせないわけにはいかないからな。


 今まではダンジョン探索や、魔物討伐なんかを請け負っていたが、今のエリーのステータスはレベル10相当だ。

 今までと同じ仕事は受けられない。

 だからもう少し簡単な仕事を探すつもりだった。


 けど、もともとこの街はレベルが高い。

 なにしろ光の勇者だったエリーが拠点にしてたくらいだからな。

 というか、エリーがいたからこの街が生まれたともいえるんだが。


 近くにあるダンジョンはどれも上級ダンジョンで、パーティーの推奨合計レベルは500。

 深層になると推奨合計レベルは1000近くになる。

 そこいらの冒険者が近づける場所じゃない。


 街の周囲をうろつくモンスターでさえレベルは80前後。

 クエストの攻略難度を示すランクはどれもS級だ。


 当然だが、エリーにできる仕事なんてなかった。


 仕方がないから帰ろうか。

 そう思ったとき、急に話しかけてくる奴がいた。


「あらあらエリー様じゃないですか」


 やけに甘い声が響く。

 その声の主をみて、エリーが露骨に顔をしかめた。


「……なによシャルロット」


 振り返った先には、やたらと露出の高い服を着た美人の魔法使いがいた。

 ニコリ、と男なら誰でもそれだけで惚れてしまいそうな笑みを浮かべる。


「うふふ。お久しぶりでございます。もっと気軽にシャルとお呼びくださいと、いつもいってるではありませんか」


「そうだったわね。それで何の用かしら、シャルロット=エーデルワイス」


 ピクッとシャルロットの笑みがわずかに陰る。


「うふふふふ。用と言うほどのことではありませんけどお、エリー様は勇者としての資格を失ったと聞きましたのに、今さら冒険者ギルドなんかにいったいなんの御用があるのかと、好奇心から気になっただけですわあ」


 ビクビク、っとエリーのこめかみが震え、さらに不機嫌な表情になった。

 そういやこの二人、前から仲悪かったからなあ。

やればやるほど強くなるのなら、足腰立たなくなるまでするのも仕方ないですね。

もちろん筋トレの話ですよ。

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