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クエストをクリアするだけの簡単なお仕事

 市長の様子を確認し、次の指示も終えたため、俺たちは冒険者ギルドへと戻ってきた。

 シェイドのダンジョンはどこにでもすぐ行けるから便利だよな。


 出入口は間借りしている俺たちの部屋になっている。

 ここなら見られる心配もないからな。


 部屋を出て一階のロビーに出ると、新しいクエストの募集が始まったところのようで、大勢の冒険者であふれていた。

 掲示板に貼られた沢山の依頼書の中から、ひとつを選んで手に取る。


 どうやら街の近くでモンスターが暴れているらしい。

 すでに何人かの被害も出ているようだ。


「シェイドのモンスターじゃないのか」


「この都市の人間は襲わないようにいってある。私の管轄ではない野生のモンスターだろう」


 そういうことなら仕方ない。

 たまには外に出て運動もしたかったし、依頼を受けるとしようか。


 依頼書を持って受付に行くと、受付のお姉さんが驚いた表情になった。


「まさか、イクスさんたちだけでこのクエストを?」


「そうだけど、何か問題があるのか」


「これはダイアウルフやギガントレックスなど、恐竜種の群れが数十匹はいるクエストですよ。本来ならこちらも数十人の冒険者パーティーを組んで当たるべきクエストです。いくらイクスさんたちとはいえ、たった4人では……」


「そいつらのレベルはいくつなの?」


 エリーの質問に、お姉さんが資料を調べながら答える。


「ええっと、ダイアウルフの平均レベルが30。ギガントレックスは約60とされています」


「なんだ。雑魚じゃない」


 こともなげにいうエリー。

 受付のお姉さんは「ギガントレックスが雑魚……」と何やら驚いた様子だった。

 レベル100超えのモンスターばかり相手にしていた俺たちからすれば、実際雑魚なんだけどな。


「ちなみに、シェイド的にはモンスター退治はいいのか?」


「強きものが弱きものを糧とする。それが弱肉強食だ。無益な殺生をするというのでなければ、私がとやかくいうことではない」


 というわけでシェイドの許可も出たので、クエストはさくっとこなしてきた。


 レベル60程度のモンスター数十匹の群れだったが、今の俺たちには相手になるわけもない。

 それどころか半分も倒さないうちに、残りは降参して自ら俺の奴隷となった。

 抵抗しないというのなら倒す必要もない。

 シェイドにダンジョンの入り口を作ってもらい、その中に新たな住民たちを招き入れる。


 旅人を襲うモンスターの退治が今回の依頼だ。

 そのモンスターがいなくなったのだから、これでクエスト完了だ。


 さっさと終わったのなら、さっさと帰ってくるに限る。

 半日足らずで戻ってきた俺たちを見た受付のお姉さんは、やはり無理だったかとむしろ安心したような表情だった。

 けど、討伐の証であるモンスターの牙や鱗を受付のカウンターに並べたら、固まったまま何もいえなくなってしまった。


「素材はそのままギルドに寄付しますので」


「あ、はい……。えっ!?」


 かなり間を置いてから驚いたように顔を上げる。


「で、でもレックスの牙や鱗はドラゴンの素材にも匹敵する価値があるのですよ……! これだけの量があれば、ちょっとした家が建つくらいの額にはなるかと!」


「今の俺たちにお金は必要ないんで」


 もうしばらくはギルドにお世話になる予定だし、こうやってクエストをこなして、恩返しをしておかないとな。

 その割にはお姉さんの俺を見つめる視線が尊敬の眼差しになっているというか、妙に頬も赤くなっている気もするけど。

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