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新しい仲間たちと不穏な気配

 さらに旅を進める中で数体のモンスターを奴隷にした。

 合計ではこうだ。


 ワイバーン1匹

 グリフォン2匹

 サラマンダー3匹

 タイガージャッカル1匹


 サラマンダーは火の下級精霊。

 タイガージャッカルは虎と狼の合成獣みたいなモンスターだ。


 本当は他にもスケルトンナイトやガイストと呼ばれる上級ゾンビも奴隷にしたのだが、エリーが強硬に嫌がったので開放することにした。

 アンデッドと一緒のパーティーなんてあり得ない! ということらしい。

 まあ気持ちはわからないでもない。

 スケルトンはともかく、ゾンビは見た目とか臭いもすごいからな。


 ちなみに奴隷の解放は、頭で念じるだけで行えた。

 エリーのように<ギアス>で契約しているわけじゃないから、簡単に行えるようだ。


 これにより俺のステータス補正は+20から+29になった。

 正直にいえばもっと増えると思っていたのだが、<奴隷化>にはまだよくわからない部分が多い。

 これだけ数が増えると、誰のおかげでどれだけステータスが増えているかもわからないしな。

 エリーのおかげで+12されているが、他の配分はわからない。

 なんとなくドレイクが一番多そうな気はしているが……。


 いずれはより詳細な情報が見れるようになる「ハイステータス」を覚えることも考えた方が良さそうだ。


「ドレイク、もう少し飛んだら休憩にしようか」


「きゅいっ!」


 ドレイクが空中で声を上げる。

 空にある太陽もだいぶ傾き始めていた。

 そろそろ夜営の準備をしなければいけない。


 幸いこのまま進めば、3日目に利用する予定だった停泊地が見えてくるはずだ。


 ちなみにエリーはグリフォンの背にまたがっている。

 2匹いるので、両方ともエリーに支配権を譲り渡したんだが……。


「さあ行くわよ、ホネ、ニク!」


「ギュアアアッ!」

「グルガアアア!」


 2匹のグリフォンが声を上げる。

 ちなみにホネとニクはエリーがつけた名前である。

 正直どうなんだと思うが、支配権はエリーに渡したからな。

 ネーミングに関しては俺がいうことではないだろう……。すまん……。


「遅れた方は今日の晩ご飯だからね!」

「ギュアッ!?」

「ギャギャア!?」


 グリフォンたちが驚いたような鳴き声を上げ、それから我先にと目的地へ飛び始めた。


「あはははははは! やればできるじゃないアンタたち!」


 エリーがグリフォンにまたがりながらご機嫌な声を上げている。


 ちなみに勝負の行方は、エリーを乗せている方のグリフォンがわずかに遅かった。

 あれってどう考えても、エリーを乗せているから遅れてるんだよな。


 ご主人様のために尽くしているのに、そのせいで負けて晩ご飯にされてしまうのか……。

 とんでもない暴君が誕生してしまった。

 いやエリーは元からそうか。



 そんなこんなでやがて目的地に近づいたため、俺たちは地面に降りた。

 ワイバーンやグリフォンを連れて冒険者のいる場所に近づいたら騒ぎになってしまう。

 それどころか、問答無用で先制攻撃される恐れだってあった。

 そのため一旦離れたところに降りて、それからは徒歩で近づく予定だ。


 ワイバーンのドレイクやグリフォンの2匹の他に、サラマンダーとタイガージャッカルもやってくる。

 飛べないから大地を走ってついてきてもらっていたんだよな。


 サラマンダーくらいならともかく、タイガージャッカルは俺の倍くらいの大きさがある。

 さすがにドレイクの背中に乗せられる大きさじゃなかった。


「お前たちはこの辺りで待機しててくれ。人間を見つけても襲うんじゃないぞ」


「きゅいっ!」


 ドレイクが代表して声を上げる。

 奴隷化したモンスターのまとめ役は、なぜか自然とドレイクになっていた。

 俺が最初に奴隷化したからなのか、それとも移動手段として使っているため一番懐いているからなのか。

 どっちなんだろうな。

 レベルではないと思うんだが。


 その後、俺とエリーは冒険者用の停泊所へ向かう。

 俺たちがいた街と隣町はかなり距離が離れているから、所々にこうした馬車を止められるような場所があるんだ。


 そしてこの辺りは、危険だがその分稼ぎも多いと言われる新天地。

 荒くれ者の冒険者たちは常にやってくる。

 小屋にもまた誰かがいるだろう。


「何事もなければいいんだけどな」


 つい声に出てしまう。

 ただでさえ冒険者は気が荒いからな。

 エリーが一緒にいて揉め事を起こさない自信がない。


 しかし。


「……イクス」


「ああ、気付いてるよ」


 エリーが緊張しながらつぶやく。

 レベルが1になっているとはいえ、かつては世界最強の勇者だったエリーだ。

 異常にいち早く気がついていた。


 冒険者用の小屋はもう目の前に見えている。

 だけど人の気配はしない。

 それどころか、死臭が漂ってきていた。

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