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仲間の為に  作者: 天楓
第二章
7/23

トレニア


(一週間後)


「一週間も外に出るの我慢させて悪かったわね。」


『ううん。気にしないで。それよりもう身体は大丈夫なの?』


「ええ。十分に休んだおかげで良くなったわ。」


『そっか。じゃあ外に出てみようか。竜次(りゅうじ)さん、秋宮(あきみや)さんに出かけると伝えてくれない?』


「承知した。」


シュタッ


「!!・・・柚姫(ゆずき)竜次(りゅうじ)さんって?」


秋宮(あきみや)さんに伝言を伝える為に秋宮(あきみや)さんを呼んだことに驚いた母に私は竜次(りゅうじ)さんの事を説明した。


『ーーーっていう訳なの。』


「話はわかったわ。後で肩掛けのこと神門(みかど)さんにお礼言わなきゃね。」


『うん』


コンコン


『どうぞ。』


「失礼する。秋宮(あきみや)殿をお連れした。」


『ありがとう。』


(りん)様、もう身体はよろしいのですか?」


「ええ。ご迷惑おかけしました。神門(みかど)さんも肩掛けありがとうございます。」


「いや、礼を言われる事はしていないが気持ちだけ受け取っておく。」


「そうしてくださいな。」


「では、私達は仕度をしたら玄関にいますので用意が整いましたらお越しください。」


『わかりました。』


「失礼します。」


「失礼する。」


ガラッ


スー


二人が出て行ったあと私達も仕度しにかかったーー






『お待たせしました。』


「迷いませんでしたか?」


「ええ。この建物はわかりやすくとても広いんですね。」


「ああ。」


「さ、行きましょうか。案内します。」


『ありがとうございます。』


「お願いします。」


「あ、どういう所に行きたいとかありますか?」


「いえ。」


秋宮(あきみや)殿、あそこに行くのはどうだろう。」


「それはいいわね。この国の象徴にもなっているし、国の中心だものね。」


「ああ」


『あの・・・どこに行くんですか?』


「秘密だ。ついてくればわかる。」


『わかった。』


テクテク・・・


テクテク・・・


柚姫(ゆずき)(りん)は何処に行くかもわからぬまま竜次(りゅうじ)達についていったーー







テクテク・・・


テクテク・・・


シーン・・・


テクテク・・・


テクテク・・・


『結構遠いのね。』


「ああ。この国は広い(ゆえ)こうして歩かなければならぬのでな。すまぬ。」


『気にしなくていいよ。』


「もう着きますのでお疲れでしょうが頑張って下さい。」


「はい。」


テクテク・・・


「あれです。」


長い道のりを歩き、秋宮(あきみや)さんが指した方向を見るとーー


サーーー


噴水(ふんすい)??』


綺麗(きれい)・・・」


柚姫(ゆずき)(りん)が見たものは太陽の光と沢山の色にあてられたとても美しい噴水(ふんすい)だった。


「美しいでしょう?」


「ええ」


『まるで(まぼろし)みたい。』


「この噴水(ふんすい)は別名【幻崇水(げんすうすい)】 といってな年に一度拝みに集まるんだ。 」


何故(なぜ)ですか?」


「この噴水(ふんすい)に神が宿っていて平和の神と(おが)まれているんです。」


『へえ。』


「貴女方の国では何かこういうのはなかったのですか?」


(にぎ)やかで盛んな国でしたがそういうのは何も・・・」


「そうでしたか。でも行ってみたいです。貴女方の国に。」


(お父様・・・)


【行ってみたい】という言葉に私達が表情を暗くしたことに気づいた竜次(りゅうじ)


秋宮(あきみや)殿。」


「あ、ごめんなさい!」


『いえ、良いんです。・・・私達の国は滅んでしまってるんです。それでこちらの世界に・・・』


「移動したのか。」


「はい。」


「そうでしたか・・・すみません」


『別に気にすることはありません。他国に行きたいと思うのは当然のことです。 』


ザワザワ


「『!!!(何か近づいてくる)』」


「なんか木がざわついてきましたね。」


「あぁ。秋宮殿(あきみやどの)馬を用意してくる。柚姫殿(ゆずきどの)、少々頼む。」


『了解。』


タンッ





パカパカ


「連れてきたぞ。秋宮殿(あきみやどの)乗ってくれ」


『お母様も。』


「「え?」」


『「早く!!」』


二人の声に秋宮(あきみや)さんと(りん)は急いで乗った。


「早馬だ。しっかり手綱を持っていろ」


「は、はい!!」


「お二人は?」


『後からちゃんと追いつきます。』


「することがあるのでな。では。」


パシンッ


ヒヒーン


パカッパカ


『さてと、やりますか』


その一言を(さかい)に私は紐を(ふところ)から出し髪を下の方でまとめた。


「その髪紐・・・・」


『出かける時って言ってたから』


「何故門前でつけなかったのだ?」


『貴方がくれたものだから貴方の前でつけたかったの。』


「///・・・礼をいう」


『どういたしまして。さ、のんびりしてる場合ではないよ』


「あぁ。ニ、三十人程・・・囲まれたな」


『先に馬で逃がして良かった。人の足では追いつかれる可能性があるし』


「お前達余裕だな・・・俺達に囲まれてるのに平気で(しゃべ)るぐらいに」


『ふふっ。久しぶりにやりますか』


「久しぶりなのか?」


『うん。ずっと魔術だけだったから。』


「剣は使わなかったのか?」


『相手は雑魚(ざこ)じゃなかったからね』


「じゃあ今回は楽だな」


『うん』


「何ぺちゃくちゃ(しゃべ)ってんだこの野郎!!」


ブンッ


ヒョイ


ブンッ


ヒョイッ


「何してる、さっさとやれ!」


「チッ。全員でかかれー!!」


チラッ


「おい」


『あちゃー。了解☆』


バキッ


ガッ


キンッ


一言と目線で二人は倒しにいった---




ガキッ


キン


キン


ドサ


ドサドサ


『ふぅ。終わったねー』


「あぁ」


『さ、帰ろう?』


「とどめは刺さないのか?」


『え?』


「全員気絶させただけだ。また追ってく

るかもしれぬぞ。」


竜次(りゅうじ)の言う通り二人は気絶させただけで誰の命も取ってはいなかった。


『別にいいんじゃない?雑魚(ざこ)だし』


「そうか。」


『うん。行こう?お母様達も心配だし。』


「あぁ。馬を連れてこよう」


『よろしく。』





パッパカパッパカ


パッパカパッパカ


「も、もう馬を歩かせません?息があがってるようですし、私も疲れました。」


「あ、ごめんなさい。そうですね」


パッカパッカ


パッカパッカ


「にしてもあの者達は何者でしょうか・・・」


「大丈夫ですよ。心配しなくても柚姫(ゆずき)さんも竜次(りゅうじ)さんも」


「ありがとうございます。」


「さ、行きましょう」


「はい」




<一時間後>


『ただいまー!!』


「今戻った。」


「お帰り柚姫(ゆずき)。お帰りなさい、竜次(りゅうじ)さん」


「大丈夫でした?」


『はい。余裕でした。』


「弱かったしな」


(シャラン・・・)


『!!・・・お母様』


「・・・コクッ、わかったわ。」


「どうした?」


『もう行かなくちゃ・・・』


柚姫(ゆずき)、何か必要なものはない?」


『あ、時計を買いにいくわ。』


何故(なぜ)時計なのですか?」


『旅に必要なんです。』


「俺が一緒にいこう」


『いや、母と私二人でいいわ。もしもの為に秋宮さんの傍にいて?』


「・・・承知した。」


「何か話がよくわからないんですけど説明してくださらない?」


『私は夢見なんです。』


「夢見って何ですか?」


「未来を予知する能力がある人のことです。」


『そして自らの魔術でも見れるですが、たまに頭の中で走馬灯のように映るんです。そうなった時は急ぎその世界に行かなければならないのです。』


「あんた達の世界では夢見が沢山いるのか?」


「いえ、柚姫(ゆずき)だけです。そろそろ行きましょう、柚姫(ゆずき)


『うん。話はこれでおしまいです。んじゃ行ってきます。』

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