表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/33

プロローグ

 人の街に魔族の男が一人、立っている。

 

 数週間前に、魔族は一人だけで人の国を訪れていた。

 そして現在、魔族の周りには大勢の人が群がって、スマートフォンのような板を使って、その姿を写真に撮っていた。


 魔族が人に興味を持つことは、通常は無い。


 しかし、人にとっては魔族は珍しいものなので、この魔族の画像をネットに上げれば、話題になる可能性が高い。だから、皆、興味があるのだろう。


 そんな中、この魔族を監視する女エルフは思う。


〝なんで私がこの魔族と一緒に街を歩かなきゃいけないのよ……〟


 この魔族は、何故か人に興味があるらしく『人の街を見学させろ』と言ってきた。

 女エルフとしてはこの魔族にはさっさと人の国から帰って欲しかったが、その手段が思いつかない。

 しょうがないので、街を見学させてやることにした。


〝まぁ、しばらくしたら帰ってくれるだろう〟


 そう思って少しの間面倒を見ることにしたのだった。


 魔族の横顔をじっと見てみる。


 この魔族を大学へ連れて行くと、色々と研究成果が進んだ。 

 どうもこの魔族はかなり強いらしく、魔法の使い方がうまかった。

 人族ではできないようなことを簡単にこなせるようだ。

 女エルフは自身も大学の研究者でもあったが、この魔族に自分の研究を手伝ってもらいたいと思う面はあった。


 しかし、それには問題がある。


 人族の国はグリフォンと云う獣によって支配されてた。

 しかも、この魔族はグリフォンを数体殺してしまっている。

 人族がこの魔族を街に滞在させているというのは非常にマズイ。

 グリフォンからすれば、人族はグリフォンに反旗を翻したと思われているはずだ。

 

 う~ん。


 女エルフは目の前の人々が好奇心で湧いているような景色とは裏腹に、自身の憂鬱さを感じてしまうのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ