1話 少年が異世界で頑張るようです。
誤字脱字など注意。
まぶしい日差しに照らされアガサは目を覚ました。
「おはよう!」
一度聞いたことのあるフレーズにデジャヴを感じつつ起き上がった。
「……おはよう。」
眼を擦りながら意識を覚醒させる。
「どんな用事があるんだ? 出来れば1時間後ぐらいにまた起こしにきてくれると助かるんだけど。」
アガサは欠伸をしながらローアルンに話しかける。
「大事な用事があるから起こしに来たんじゃろうが! なんじゃ? それともルナンに起こしにきて欲しかったかの?」
ローアルンにやけながらアガサに問い詰める。
「そそそそんなわけ無いだろ?勝手に勘違いすんなよ…………。」
アガサは動揺を必死に隠しつつベッドから降り立ち上がった。
「下でルナンが飯を作っとるからその間にちょっくら目覚ましに運動でもしてこようではないか!」
少し怪しいと感じながらもアガサは答えた。
「まあ少しぐらいなら……」
やはり森の中ということもあり空気がおいしく感じる。
そんな事を思いつつアガサとローアルンは昨日出会った変な生物を前にしていた。
アガサは自分の持っている剣を指差した。
「この魔物というかモンスター?みたいなのを前にして剣を持っているってことは……戦えって事ですかい?」
アガサは冷や汗をかきつつローアルンにたずねた。
「察しが良いのう! ちなみにこいつらの名前は個別にあるが、総じて『魔物』と呼んでおるぞ。」
ローアルン説明を交えながら肯定した。
「まあこれぐらいは倒せるようになってもらわねばな!」
ローアルンはそう言うとアガサの背中を押した。
「うおっ! 待て待て待て!! 心の準備が……ッ!!」
目の前にいるスライムみたいな魔物が敵意を持って飛びかかってくる。
アガサは慌てつつ眼前にくるスライムの魔物に斬りかかった。
ぬるん。
そんな効果音が聞こえそうなほどあっさり剣がスライムの魔物の体をすり抜けた。
そのままアガサの顔面にスライムが直撃する寸前、誰もいないはずの後ろから突然服が引っ張られた。
引っ張られるというより吹っ飛ばされるに近かった。
そしてそのままアガサが地面に激突するかと思われたが予想は裏切られた。
ローアルンに片手で服の首元の後ろ部分をキャッチされ息が一瞬詰まる。
そのままアガサを片手で足が地面に着くようにして軽く吊り上げながら
「すまん。そりゃ最初は弱点とか知らないとそりゃ勝てないわな。」
苦笑いしながら言った。
アガサはため息をつき、全身の力が抜けたように倒れ込んだ。
アガサは静かに思った。
(魔法だよな……今の…………。)
「おじいちゃん達何やってきたの……というかアガサ君は何でそんなに汚れてるの……。」
呆れたようにルナンは帰ってきた男二人に言った。
「いやーちょっとハシャいでしまっての!」
ローアルンは誤魔化すように言った。
(こんのクソジジイィィ!!)
その隣でアガサは心の中でそう叫んだ。
数十分後。
替えの服も無いアガサはローアルンの服を借りることになったわけだが。
当然本人は嬉しいはずも無く。
「うわぁ……俺、今すごい魔法使いしちゃってるよ……似合わねぇ……。」
そんな感想を漏らした。
その姿を見たルナンはというと。
「うわぁ!凄い似合ってる!!今度魔法教えてあげようか!!!」
と嬉しそうに言ってきた。
アガサはすぐさま魔法という言葉に反応した。
「マジで!? 俺でも魔法使えるのかな!?」
期待を込めた声でルインとローアルンに問い掛ける。
「使えるんじゃないかな?魔力が極端に少なくない限りは大丈夫だと思うけど……。」
ルナンは少し考えながら言った。
「大丈夫じゃろ。魔力がないならその分、常人より力が強いはずじゃからのお。」
ローアルンはソファに座り適当な新聞を読みながら答えた。
「そうだそうだ。そんなことより朝ご飯出来てるから早く食べましょう?」
やっと朝食にありつけられたアガサであった。
朝食後。
朝食を終え、三人がテーブルに集まって話していた。
「さて、ではアガサくん。」
ローアルンがそう切り出した。
「どうした老人。」
アガサはコーヒーを飲み、新聞を手に取りながら言った。
ルナンはちんまりと両手を膝の上に載せて話を聴いている。
「まず君にやってほしいことがある訳じゃが………。」
アガサは新聞の内容が理解できず折り畳み老人に目を向けた。
ローアルンは間を開けると言い放った。
「君にはこの世界の異変の解決を手伝って貰いたい!!」
「………………は?」
「………………え?」
アガサだけでなくどうやらルインを予想外だったようだ。
「いやいやいやろくに戦えない俺に何いってるの。確かに居候ニートは嫌だけど戦場に死ににいったりはしないぞ?」
当然ながらアガサは一般人以下の能力しか持っていない。
「ならば戦えれば良いのじゃろう?」
その言葉にアガサは反応した。
「まさか……RPGゲームの定番!! レベリングが出来るのか!?」
アガサは食いつくように言った。
「まあ魔法とか使えると思うし戦えなくも無いじゃろう。そのあーるぴーじーげーむ……とかいう感じのも出来るかも知れんぞ?」
「やべえ! すげえ燃えてきた!! 俺この世界でがんばるよお母さん!!」
「あのー……。」
それまで固まっていたルナンが言い放った。
「ということはこの人が仲間になるってこと?」
「そういうことになるんじゃないかの。」
ローアルンが答えた。
「本当に!?」
ルナンが驚いた。
「これまでずっとおじいちゃんと二人か一人でしかやってなかったのよ!! 仲間が出来るなんて……!」
ルナンは喜びながらアガサに手を差し伸べた。
「改めまして。これからよろしくね!!」
「よ……よろしく……。」
アガサは答えた。
(何か凄い流された感じがあるが……まあ喜んでるし良しとするか……)
そんなことを思いながら。
その夜。
アガサはその日のうちに数匹の魔物を倒して少しは戦えるようになった。
だが聴けてない部分があった。
この世界に連れてこられた理由だ。
(まさか異変とかいうのを解決させるためだけに連れてこられただけとかじゃないだろうな……)
そんなことを思いローアルンに聞いたアガサだが。
「何を言っとるんじゃ。朝言った通りじゃぞ?」
「ふざけんなぁ!!」
庭先でツッコミというより半ギレで老人に飛びかかった。
ローアルンはそれをヒョイとかわすと。
「すまんすまん。いや本当にそれが目的何じゃよ!」
ローアルンは愉快そうに笑いながら言った。
「あんなに意味ありげに言っといてこのオチかよ……。」
立ち上がりながらアガサは言った。
「これから大変になるじゃろうがお前さんならきっと何とかしてくれると願っておるぞ?」
ローアルンは笑いながらそう言った。
アガサは恥ずかしさを隠すように後ろに振り向いて小屋に向かいながら言った。
「あんま期待すんなよ? 言っとくが俺の能力は一般人以下だぞ。」
ローアルンはそれを聴きニッコリと笑った。
そして思い出したかのように言った。
「そうじゃ。言い忘れてたがあの子にはわしがお前さんを連れてきた事を言うんじゃないぞい。怒られちまうからのお。」
「わーってるよ。明らかに知らなかったっぽいしな。」
アガサは適当に返し、その言葉を頭の片隅に留めた。
「まあ俺なりに頑張ってやろうかな!」
扉の前で決意を新たにし、異世界でニートを卒業することを誓った。
作ってすぐ投稿って繰り返してるわけだけどもこれからは確認してから投稿するので遅くなりそうです。頑張ります。