表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

世界と悲劇

 少女が倒れている。


 その身体は焼け爛れ、切り傷だらけで、土埃に汚れ、水に濡れ、痙攣を起こしている。


 少年は少女の目を閉じさせ、抱きかかえる。


 そのまま、どうしようもない行為の果てに、ただ虚しさが残る。


 その虚しさは音も立てずに怒りへと変わり、少年はその怒りを示すように、代わりに雄叫びを上げる。


 身体に炎が奔り、高熱を纏う。頭には二本の禍々しい角が顕現し、晴れて、悪魔が誕生する。


 炎は少女を焼く事無く、触れないでいた。


 少年は優しく少女を下ろし、怒りを形に表す。


 世界は力で溢れている。


 例えば風に吹かれる花でさえ、手を振うだけで焼き尽くす事が出来る。それを悲しく思っても、手を振うだけで咲き誇らせる事が出来る。


 力は、世界を偽物に作り替えた。


 つまり、力の持たない人間こそ本物なのである。


 だが、この世界は確かに偽物で、全ての人間もまた、偽物である。



よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ