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異世界と少女

 とりあえず少女だけをベッドに押し込んだところで、和樹は疲れたような息を吐き出した。

 いや、実際にどっと疲れを感じたのは確かだが。


 ともあれそうして一息吐けるような状況にしたところで、ようやく和樹は少女の勘違いを正した。


「……え? だって私、奴隷として買われた、んですよね……? ですからてっきり、そういう扱いをされるのかとばかり……最初に向かおうとしていた、というか実際に向かったのも宿でしたし。お風呂に入りたいって言ったら、ちょうどいいからって高級そうな宿に向かいましたし」

「……ああ、そうだな。常識の摺り合わせって、重要だな」


 何となく想像は付いてはいたが、やはりと言うべきか、そういうことらしかった。

 まあ、誰が悪いかというと、確実に和樹が悪いだろう。


 サティアと話をした時には少女も傍に居たが、サティアの言葉が分からない少女には、和樹が喋った断片的な言葉しか理解することが出来なかったのだ。

 ならば自身が具体的にはどんな扱いとなっているのかを、勘違いしても不思議ではない。

 というか、奴隷という言葉から連想していけば、自ずと、そういうこと、に至ってしまうのは当然である。


 そしておそらくは、サティアはそれを理解した上であんな真似をしていたのだろう。

 今頃はこの状況を想像して、ほくそ笑んでいるのではないだろうか。

 あとで一発殴ろう、と心に決めるも、結局のところこの状況の責任は和樹にのみあることに変わりはない。


 サティアの冗談が原因とはいえ、気付く機会など幾らでもあったのだ。

 最初から少女は全てを理解している、などと勝手に思ってここまで来てしまったのだから、言い訳のしようがなかった。


「というわけで、悪かった」

「いえ……結局のところ、私の早とちりですし」

「いや、勝手に理解していると思い込んで説明を怠ったのは一方的に俺の責任だし、せめてこの世界での奴隷の説明ぐらいをしておけば、無駄に恥ずかしい思いをさせる必要はなかった」

「それは……確かに、そうかもしれませんが」


 歯切れ悪く、居心地が悪そうな声が聞こえるが、実際にどんな表情をしているのかは和樹には分からない。

 別にまだ天井を眺めているわけではなく、今度見えているのは逆だ。

 視界に映っているのは、床。

 つまるところ、土下座をしているのであった。


 傍から見ると、奴隷に対しその主人が土下座をしているわけだが、それを実行するのに和樹に躊躇はなかった。

 ここに他の目はないが、おそらくは他に人が居たところでそれは変わらないだろう。

 和樹にのみ一方的に原因と責任があるのだ。

 その程度のことをするのに、躊躇などというものがあるはずもなかった。


 ちなみにだが、ベッドの方でごそごそと音がしているのは、一応ということで汚れた服を再度身に纏ってもらうことにしたからである。

 ベッドに潜っているから寒いということこそないだろうが、さすがにずっとそのままというわけにはいかないだろうし、また先ほどまでのやりとりが誤解に満ちたものであることが分かったので、そのままで居る必要がなかったからだ。

 これから実際にどうするのかは……まあ、再び話し合う必要があるだろう。


「……はぁ、分かりました。謝罪は受け取ります。ですから、頭を上げてください。多少認識が違うようですが、私が奴隷で、あなたが主人であることに違いはないのですよね? このままでは、居心地が悪くて仕方ありません」

「……分かった。本当に、すまなかった」

「ですから、分かりましたって」


 呆れたような溜息を聞きながらも、和樹は頭を上げた。

 既に音が止んでいることから、服は着終わったのだろう。

 立ち上がり、視線を向けてみれば、布団の隙間から見覚えのある服の一部が見えた。


 だがすぐに視線を逸らしたのは、汚れた服を着ているのを見られるのは、あまり気分のいいものではないと思ったからだ。

 少女が服を着終わったのに、未だに布団を被ったままでいるのが、その証拠である。

 和樹としては気にしないのだが、そういう問題ではないのだろう。

 ともあれ。


「さて、それじゃあ改めてこれからのことを話し合いたいが……まずはどうする? 折角服着たんだし、服買いに行くか?」

「そう、ですね……話し合いにどれだけの時間がかかるのかは分かりませんが、遅くなってしまうかもしれませんし。それがいいと思います」

「んじゃ先にそれだな。他に何か欲しいもんとか、必要そうなものとかはあるか?」

「それに関しては分からない……というか、この世界に何があるのかが分からないので、答えようがない、というのが正確なところでしょうか。必要と思ってもなければどうしようもないですし」

「とりあえず言ってみてくれるだけでもいいんだが……まあ、なら色んなものを見ながらの方がいいか」


 考えてみれば、その方が、後から考えてみたらアレが必要だった、ということになりづらいかもしれない。

 まあそれは見て回ったところで同じではあるだろうが、それが発生する確率は低くなるだろう。


「ということは……先に服を買いに行って、後は適当な店を見て回る感じでいいか?」

「はい、問題ないと思います。……あの、それ自体に問題はないんですが……その、私持ち合わせが、ですね」

「ん? ああ、金は俺が出すに決まってるだろ?」

「いえ、ですがそれは……」

「お前は奴隷で、俺がその主人。俺達の知ってるそれとは若干異なるが……まあ、基本的な関係は変わらない。だから、奴隷のものを買うのに主人が金を出すのは普通、ってことだ」

「……分かりました。では、よろしくお願いします」

「それも何かおかしい気がするんだが……ま、いいか。任せろ、と言っておこう」


 未だ若干の戸惑いと困惑が混じったままの少女を眺めながら、苦笑を浮かべ、頷く。

 まあ、そうなるのも理解出来る話だが、少しずつ慣れてもらうしかないのだろう。

 もっともそれはこちらとて同じことではあるし、そもそもこの関係がいつまで続くのかも定かではない。

 とりあえず少女がこの世界で一人でも生きていけるようになるまでは責任を持って続けるつもりだが、そこから先は不明だ。

 どうなるのかは、おそらくその時にならなければ分からないことだろう。


 だが少なくともそれまでは共に居ることが確定している以上は、やはり慣れてもらうしかないし、慣れるしかないのだ。

 とはいえ急ぐことでもないし……まずは買い物でもしながら、慣れていけばいいだろう。


「さて、それじゃ、行くか」

「……はい」


 そんなことを考えながら、一先ず宿の外へと出かけていくのであった。








 ただ買い物するだけというのもアレだろうということで、とりあえず簡単に説明できることだけは話しながら歩くこととなった。

 思ったよりも普通に話せるようになっていたのは、先の一件のおかげだろうか。

 怪我の功名、というやつである。

 ともあれ、そうして話を続けながら、目的の場所へと向かっていく。


 高級宿というだけであり、和樹達の居た宿は街の中心地に近い場所にあった。

 それでも中心地そのものではないのは、宿を利用する客層を考えてのことだろうが……それでも、近いだけで十分ではある。

 宿を出てから五分も歩かないうちに、視界は人で埋め尽くされていた。


「凄い人の数と盛況ぶりですね……特に今日はお祭りとかいうわけではないんですよね?」

「今日は別に何もないはずだな。まあ、ある意味で毎日がお祭り騒ぎだって言えなくもないけどな」

「お祭り騒ぎ、ですか?」

「ああ。何せここは、場所が場所だからな」


 ここが人類の生存圏における、西の端であることや、開拓最前線であるということは既に話した通りだ。

 であるからして、この街には様々な者がやってくるし、様々な物が行き来する。

 人と物が溢れているのだから、騒ぎになるのも当たり前、ということだ。


 もっとも、これでも最初にここが出来た当時に比べれば、随分と大人しくなったという話だが。


「これで、ですか……?」

「当時はそれこそ、祭りそのものだった、って話だしな」


 では何故大人しくなったのかと言えば、単純に時間が経ったからである。

 幾ら開拓最前線とはいえ、十年以上もの間騒ぎ続けていることは出来ない、ということだ。


 それはつまり開拓が上手くいっていない、ということでもあるが、それには当然理由がある。

 それこそが、魔物の存在だ。


「魔物、ですか……それに、確かリポップもするんですよね? 本当に、まるでゲームみたいです……」

「奥に行けば行くほど強力になっていくしな」


 しかも基本的にそれは、留まるところを知らない。

 つまるところ、現在の人類ではどれだけ束になっても太刀打ちできないような魔物も、当たり前のように存在しているのだ。


 それは日々魔物と戦うような冒険者であっても、変わらない。

 人類最強と呼ばれる、レベル五であったとしても、だ。


「……話を聞いていると、逆にここから人が減りそうな気がするんですが」

「確かにそれも間違っちゃいない。実際それなりの数の人間が街を離れてるって話だしな。まあその八割は商人で、一割が物見遊山の暇人、残りの一割が心折れた冒険者とかだし、同数かそれ以上の人間が来るから実質的には減ってないって話でもあるが」


 そもそもこの街が危険だというのは今更な話である。

 それが理由で逃げる者はとうの昔に逃げているだろうし、この街は元々開拓地の最前線として開かれた街だ。

 最初からこの街に訪れるような者は、物好きや命知らず、商売の嗅覚を嗅ぎ取った商人ぐらいなのである。


「ふむふむ、なるほど……ですが、さすがに商人の数が多すぎませんか? 確かに開拓最前線ということは、色々なものを消費し必要とするでしょうが、八割というのは……」

「ああ、それは単純な話だ。実際この街に商品を卸してるのはその中の三割居ればいいぐらいだからな。ほとんどはこの街に仕入れに来てる方だ」

「仕入れ、ですか? 最前線なのに?」

「最前線だから、だな。まあ、俺も聞いた話でしかないが、実際この街を除けば後は南にあるここと同様の開拓最前線ぐらいらしいからな……ここまで常に魔物が倒され続け、その素材が提供される場所ってのは」


 つまりほとんどの商人は、魔物の素材を目当てでこの街に来ているのだ。

 勿論その全てがそれを手に入れられるわけではない……というか、ほとんどは手に入れることが出来ない。

 だが、逆に言うならば、それでも商人たちは、この街を訪れることに価値を見出しているのだ。


 それだけ魔物の素材が魅力的だということでもあるが……例えば、和樹が先日も倒したホーンラビット。

 アレの素材一式を完品で、数十体をギルドに納めても到底金貨になど届かないが、それ一体分を東端の街にまで運んで売却するだけで、余裕で金貨に変わると言われている。

 一見どれだけ無意味に見えても、もしかしたらと思い来る価値もあろうと言うものだ。


「……まるで宝くじですね」

「似たようなもんだが、もうちょっとギャンブル性は高いかもな。リスクにしろ、リターンにしろ。まあどっちにしろ、冒険者に比べれば大したことはないだろうが」

「ああ、それです」

「ん?」

「いえ、先ほどからちょくちょく冒険者という言葉が出てきますが、冒険者とは一体何なんですか?」

「冒険者が何、か……それを真面目に説明するとなると、ちょっと面倒な話になってくるんだが」


 冒険者が何であるのかを端的に言い表すならば、それは冒険者ギルドに所属している者ということだ。

 要するにただの通称、俗称であり、それ自体が職業であったりするわけではないのである。

 例えるならば、フリーターのようなものだろうか。


「まあこの世界ではフリーターとか言っても通じないだろうから、何でも屋とか、そんな感じになるだろうがな」

「ふむふむ……ゲームなどに出てくるような冒険者とかを想像すればいいんでしょうか?」

「多分いいんじゃないか、それで? 実際俺もそんな感じだしな」

「随分適当なんですね……自分が所属しているものだというのに」

「今のところそれで困ってないしな」


 まあしかし、これは別に和樹に限った話ではない。

 大抵の者にとって、冒険者とは何ぞやと言われても、漠然としすぎて答えられないだろう。

 それは街の者や他の冒険者、或いは冒険者ギルドに勤めている職員でさえも変わらないかもしれない。


 だが一つだけ確かなことがある。

 冒険者とは、底辺の存在だということだ。


「底辺、ですか……あまり愉快な感じではないですね」

「だけど事実ではあるしな。何せ市民税を納めてないから、市民じゃないわけだし」


 そう、つまるところ、冒険者が底辺と呼ばれるのも、市民ではないのも、それだけのことが理由なのである。

 市民税を納めていない。

 それだけの、だが絶対的な理由だ。


 もっとも、底辺と呼ばれるだけではなく、疎まれ忌み嫌われてもいるのだが、それにも当然理由がある。

 冒険者は市民ではないが、同時に冒険者は例外的な存在でもあるからだ。

 限定的とはいえ貯蓄を許されているし、何より部分的には市民と同等の扱いを受けている。


 分かりやすい例として挙げやすいのは、街の出入りだろうか。

 この街は城塞都市であるが故、周囲を城壁に囲まれ、北と南に街と外とを繋ぐ門がある。


 そしてそこを通る際、街の住人――市民でない者であれば、本来は通行料が必要だ。

 しかし市民ではない冒険者達は、それを支払うことなく自由に街を出入りすることが出来る。

 その他にも、公衆浴場等、住人の支払っている税金によって賄われている施設なども、街の者達と同じように利用することが可能なのだ。

 そこに不満を覚えるなという方が、無理な話だろう。


 地位的に言えば、冒険者とは孤児や娼婦などと比べてさえ遥かに下であり、むしろ比べることさえおこがましい。

 だというのに、実際の扱いはその者達よりも上であり、大半の冒険者はそれを当たり前のものとして享受している。


 何より最悪なのは、冒険者とは、本来それ以外になれるものがない者が成る職なのだ。

 乞食と比べると物乞いしない分だけマシ、という程度であり、ならず者であることには代わりないのである。

 さらにはその品行が正しくない者が珍しくないということも、より拍車をかけていると言えるだろう。


 そういった諸々の理由により、冒険者はクズと呼ばれ、それが相応しく――故に、人類の最底辺などとも、呼ばれるのであった。


「冒険者は市民ではない、ですか……ですが、奴隷の私は市民なんですよね? 市民税とか、払った覚えがないのですが」

「まあ奴隷だからな。その支払い義務は、主人の方にある」


 それこそが、奴隷が市民でいられている理由だ。

 自分で市民税を払っていない子供も市民であるのと、同じ理由である。


「ま、名前はアレだが、要は住み込みの使用人みたいなもんだしな。何をするにしても制限は……ああいや、俺が主人なせいで、他の街に行くのはかなり難しいか。主人の許可さえあれば奴隷はある程度離れた場所に居ても問題はないが、そもそも俺が他の街に行けないしな」

「そうなんですか?」

「それはどの部分に対する疑問なんだ?」

「あなたが他の街に行けない、というところですね。この街に慣れていないどころか、この世界の常識すら知らない私にとって、他の街に行くと言われても特にピンと来ませんので」

「ああ、それは俺も同じだな。まあ、今言ったように、俺は他の街に行こうにもほぼ無理なんだが」


 厳密には複雑で面倒な手続きを行い、審査に合格すれば一時的な許可は下りるのだが、それはほぼ無理と考えて間違いはない。

 理由は単純にして明快。

 冒険者などという危険な存在を、野放しにするわけにはいかないからだ。

 魔物と同等以上の力を発揮する、知恵を持った化け物。

 そんなものがホイホイ出歩いていいわけがないだろう。


「むぅ……あまりいい気はしないんですが」

「それには同感だが、事実ではあるからな。実際力を持たない一般人だったら、同じ感想持ってただろうし」

「私はそうは思いませんよ?」

「そりゃそうだろ。力を持たない一般人じゃないんだから」

「失礼ですね。か弱い美少女を捕まえといて、化け物扱いですか?」

「いやだって、ゲームのステータス引き継いでるだろ?」

「……え?」

「……ん?」


 冗談で言っているのかと思っていたのだが、少女は心底不思議そうに首を傾げていた。

 何を言っているのか分からないと、全身で伝えている。


「あー、いや、でも考えてみればそうか……試す人間ばかりじゃない……というか、もしかして普通は試さないのか……? ……まあそれのおかげで俺は助かったんだし、別にいいか」

「あの、何の話でしょうか?」

「んー、言葉で説明するより見た方が早いだろうから……そうだな。オープン、って唱えてみ? あのゲームと同じように、な」

「はあ、それで何が分かるのかは分かりませんが……分かりました」


 まだ首を傾げたままではあったが、一応試してみるつもりはあるらしい。

 さすがに半信半疑なのか、周囲の様子をチラチラと確認しながら、右手をそっと上げ――


「オープン――っ!?」


 小声で呟いた直後、その目を見開いた。

 即座にこちらに視線が向けられ、すぐに前方に戻されると、再びこちらを向く。

 こちらからは見ることが出来ないが、そこに出現しているのだろうメニュー画面との間を、視線が行ったり来たりとしていることに、苦笑が漏れる。

 いや、驚くのは分かるし、気持ちも分かるのだが、さすがに驚きすぎではないだろうか。


「まあそういうことなんだが……」


 そう、そういうことだ。

 この世界では、ゲームの能力を使うことが出来るだけではなく、ゲームのメニュー画面を呼び出し表示させることが出来るのである。


 というよりは、和樹が先に気付いたのはそっちの方なのだが。

 だからこそ、スキルなどを試すことも出来、生き残ることが出来たのだ。


 ちなみに当然だが、それはまったく見知らぬゲームのものではない。

 和樹達がこの世界にやってきてしまう直前までやっていた、ゲームのものである。


 ただし当たり前のようにログアウトを押しても反応はなく、設定系の項目も無意味。

 アイテム画面は表示こそするものの、中に入っていたはずの諸々は消滅しており、中に何かを入れることも出来ない。

 まさに表示されるだけの、無用の長物だ。


 しかし確認することは出来るので、完全に無意味というわけでもない。

 何の確認かというと、勿論ステータスとスキル、である。


「で、ステータスとスキルはどうなってる? 多分ゲームのままだと思うんだが」

「……確かに、その通りですね。少なくとも、記憶のある通りに見えます」

「ふむ、ならステータスの方も当然適用されてるはずだが……今まで気付かなかったのか?」

「今までずっと奴隷商会に居ましたし、それを発揮する機会が……あ、いえ、そういえば、魔物から逃げた際、やけに早く走れましたね。てっきり火事場の馬鹿力、というものかと思っていましたが」

「ステータスが適用されてたおかげだろうな。ということは、多分スキルとかもまんま使えるはずだ。さすがに往来で試すのもアレだから、宿に戻ってからにしてからの方がいいが」

「……そうします」


 そうは言いながらも、いまいちまだ信じられないのか、少女は眼前に向けて指をちょこちょこと動かしている。

 おそらくはメニュー画面を動かしているのだろうが、当たり前のように和樹にはそれは見えない。


 だがその姿が、驚きと興奮に彩られているということぐらいは分かる。

 自分もそれに気付いた時はこんな感じだったのだろうか、などと思いながら、和樹は苦笑を浮かべつつ、少女の様子を眺め続けるのであった。

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