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reve/heaven 02

02

放課後。アルバイト先へ向かう道すがら、わたしは先ほどの会話を思い出していた。

「一番はじめの吹聴人の目的は何か」

学校には通えど何故か世界史Aの授業にしか参加しないと云うおかしなポリシーを持つ、学年トップの成績を修める青山が分かりえなかった答えを、わたしは知っている。

それは楽しむためではなく、もちろん試験を妨害するためでもなく、ただ単に「事実を噂として広めること」だった。

ここまで大規模に広まるとは予想していなかったのだが。

高校生の伝達の速さは目を見張るものがある。たった三週間弱で学校全体に知れ渡るほどの知名度になるのだから驚きだ。

とにかく目的を達成することができたわたしはほっと息をつく。


「一番はじめの吹聴人」、それは正しくわたしのことだった。

夢喰い悪魔のおみせの話。

とあるクラスメイトに、いとこから聞いた話なんだけど、、と言って吹聴したのが事の発端である。

ちなみにわたしにいとこなどいない。全くのデタラメである。これをまんまと信じたらしいクラスメイトはわたしが誰にも言わないでね、、と釘をさしたにも関わらず誰かに(それも少なくない人数に)話して聞かせた様で、噂話はあっという間に広まった。人間の、秘密厳守と言われたことほど他人に言いふらしたくなる性は本当に役に立つなあと改めて感じた瞬間である。

これで知名度はかなり上がった。中にはただの都市伝説のような嘘八百の話とは考えずに本当に信じてしまう人も居るだろう。ふふふ。

わたしは無意識のうちにこみ上げてくる笑いを上手く抑えきれないまま、忌々しい見慣れたドアノブに手をかけた。

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