監禁
初めてのホラー。
物語の当事者が最後に何かしらの選択肢を提示。
次話の冒頭で、何を選択したのかを提示する。
という流れで書いていこうかなと思っています。
ブウウウウンンッ! ウウウウゥゥ……ウゥウウウウウンッ!
卒塔婆より一回り大きい灰色の薄い鉄板。
「嫌だ……嫌だ…………もう勘弁してくれ…………」
その周囲を規則正しく小さな刃が回転している。
ギィィキィィィィィイイ!
「ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさいごめんななななななななさいごめんなさいいいいいいいいいいいごごごごめんなさいごめんなさいごめんなさ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だだだだイイイイイヤだ嫌だ!」
ギィィキィィィィィイイ! キィィィィィ! ゥウウウンッ!
古めかしいモーター音が一層大きく聴こえると、チェーンソーの刃もキザみたいキザみたいとばかりに暴れまわる。動きを止めてしまって数年が経っている自動ドアのガラス。それを擦る金切り音。背中越しに振動が伝わってくる。脆い。頼りない。すぐに壊れそう。たぶん壊れる。でもなかなか壊れない。それが嬉しくも、もどかしくもある。
死にたくない。でも今すぐに死ねるなら……。
あの小さな回転刃が自分の十六年間、健康に育ってきた体を細切れに、ゆっくりゆっくりと小さく肉を撒き散らせて、真っ赤な血が飛び散って、失くなって……!?
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 無理だ無理だおかしいこんなのおかしいちょっとした悪戯じゃないかなんでこ……こんな、ああありえななななななななな……ァ、ァ、ア!」
ブウウウウンンッ! ウウウウゥゥ……ウゥウウウウウンッ! ギィィキィィィィィイイ! キィィィィィ! ゥウウウンッ! ウウウウゥゥ……ウゥウウウウウンッ!
廃病院の中に逃げ込んだ俺の背中越しに、入り口である自動ドアがある。それがアイツの薄汚れた赤いチェーンソーで犯されるごとにその振動を背中に伝えてくる。
目の前には大病院だった名前の通り広大な真っ……
ギィィキィィィィィイイ! キィィィィィ! ゥウウウンッ!
……暗闇が待ち構えている。ただちに逃げるべきだ。ガラス一枚だけ隔てた後ろのアイツから。足が振るえる。唾が足り無い。産毛が逆立つ。後ろを見れない。でも見なくてもわかる。ここに来るまで何回も見た。脳髄から何度追いだそうとしてもアイツの骸骨みたいな細く長い体が犯してくる。ああ……それよりも何よりも……だ! あいつの顔だ。本来だったら人間誰しも持っている弱点の顔……いや、頭。
「っざけんなよ……。なんで頭が無いのに動いてんだよ! どんな三流ホラーだって弱点は頭だって! 頭が無くなりゃ終わりだって決まって……んんんんん……だろ……!」
首無し…………クビナシがここに居続けるのは俺がここにへたり込んでいるからだ。もし俺がここから……クビナシの視界から離れたら……? いきなり逃げ込んだ廃病院……戸締まりが完璧なんて有り得ない……。クビナシが俺が居なくなった途端、どこかから回り込んでこの廃病院に入ってきたら……!? そうしたら……。
「そうしたら今度は……この自動ドアが逆の意味になっちチチチチチッチまう……!?」
こちらがしゃべっているのもお構いなしにチェーンソーの振動に犯される。ガラスの振動が乱暴すぎて俺の背中も振動する。それに……歯がカチカチカチカチカチカチ……。もう何が俺を痙攣させているのかわからない。
どうする……? ここから離れて奥に行くか、それとも……?
1、ここから離れて奥に行く
2、もう少しここに居る
3、近くの物を探して、自動ドアの前に立て掛ける
4、自動ドアを自ら開け、クビナシに立ち向かう
5、その他
どうでしょうか、ホラーになっておりましたでしょうか?
もし、ホラーはこういう作法がセオリーだとか、
あんな演出が無いのはおかしいとか、アドバイス的なものがあれば
よろしくお願いします。
具体的なダメ出しなら喜んで参考にします。