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其の壱 ボクは…女の子?

 ピピピピピ…

目覚ましの電子音が鳴り響く。

 珍しく目を覚ましたボクは寝ぼけ眼をうっすらと開いて天井をしばらく眺めた。

実は低血圧体質なボクは普段なら目覚ましで目を覚ますなんてそうそう無い。いつもなら大抵はしつこい目覚ましもスルーして眠り続け、学校があるなら遅刻未遂で大騒ぎすることになる。今日のこれも恐らくはまぐれだろう。

 そんなことを思いながらぼーっと見慣れた天井を眺めていると、枕元でしつこく電子音を発し続けていた目覚ましが諦めたように沈黙した。

「ふぁー…んっ」

 ボクは欠伸を一つすると、低血圧気味の脳をゆっくり起こすようにゆっくりと起き上がった。

 体を起こした勢いで視界の左右に髪が広がる…………髪?

 ちょっと待てちょっと待て。髪が広がる?ボクの髪ってこんなに長かったか?いや、そんなわけはない。ボクの髪はこんなに長くはなかった。決してバンドなんかやってたわけじゃない。…が、今ボクの視界の左右には肩の前へ流れ落ちるようにかかっている綺麗な黒髪がある。…すんごいサラサラしてそうだな。

 …いやいやいやいやいや、そんな感想を抱いている場合じゃないだろ。

 試しに頭を振ってみると、ふぁさり、というような感じで長い髪が広がった。

 …おいおい、これじゃまるで女の子みたいじゃないか。

 そんなことを思いながら、同時にありえないよね、と思いながら自分の胸のあたりに手を伸ばし…なんだか不思議な柔らかい感触に当たった。

 ……え?

 その感触を発するモノをつかむ…なにこれ柔らかい……ぁっ!

「ぁんっ…」

 思わずボクの口からなんだかものすごくアレな声が漏れた。こんな声ボクは出せないはず。…ってか出せたら気持ち悪いよ。そういえばさっきから心なしか声が高い気がする。

「嘘だろ…」

 まさかと思いながらボクは股へ手を伸ばした。そこにあるはずのモノ、15年間共に過ごした息子の感触はなく、再度胸を触ると確実に柔らかい膨らみが存在した。

 キガ ツク トワ タシ ハビ ショ ウジ ョニ ナッ テイ タ。

「どうぇえええええええぇぇええええぇぇぇ!?!?!?!?!女になってるぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?」

 ボクの絶叫が弐ノ瀬家に響き渡った。

  ・

  ・

  ・

  ・

 窓から降り注ぐ朝日の光の中でボクは引出から発掘したミニ鏡(何故かあった)と向き合い、フリーズ状態と化していた。

 鏡の中からは綺麗な黒髪をロングにした可愛い系の顔立ちの超美少女が見返してくる。かなりいいシチュエーションのはずなのだが、生憎相手は鏡の中。つまりこの超美少女はボクなわけだ。

 ……マヂデスカ?

 無機物・有機物を問わずに侵食できる敵性生命体が攻めて来るどっかの22世紀の提督も真っ青だよ。そんな事をぼーっと考えて現実逃避しながら鏡と向き合う事数分。ボクの部屋のドアが勢いよく開いた。

 「澪兄ちゃんどうしたの!?声が聞こえたから来てみたんだけど…」

 入ってきたのは中1の弟、しんだった。ちなみに湊はボクのような低血圧ではなく、朝に強い。今日も既に起きていたようで、ボクの絶叫を聞きつけてきたらしい。だが今のボクの状態は……

 「……君、だれ?」

 案の定、湊はこんな反応を返してきた。そりゃ、兄の部屋にいきなり女の子がいたら驚くよね。

 認めたくない現状だけど、湊には現状を説明してあげなければ…。

 「ボクだよ、湊の兄の弐ノ瀬 澪。」

 認めたくないけどな。

 「ええええええええぇぇぇえぇぇぇぇ!?!?!?!澪兄ちゃんが女の子になってるぅぅぅ!?!?!?」

 弐ノ瀬家に本日二度目の絶叫が響き渡った。

第一話うpです。

澪ちゃんは低血圧で朝が苦手です。

ちなみに作者も重度の低血圧だったりwwww

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