小話 G、襲来
お久しぶりです、蓮です。
何だかんだ言って一ヶ月ぶりの更新…
すいません、肝心な時に構成が詰まってしまい…アハハハ
え~、今回は小話、ちょっと短めかもしれませんw澪ちゃんの天敵、【G】の襲来です。
その夜、ボクは中途半端に襲いくる睡魔のせいであまり寝れていなかった。身体が睡眠を求めていても、脳が興奮していて寝れないのだ。
ここ最近、いろいろあったからなぁ……女体化とか、女体化とか、女体化とか。
「何か飲んですっきりしよ……」
そう、寝る前に水分はきちんと取ろうっていうじゃないか。あれ、それは低血圧対策だっけか?
とにかく、意識しだしたら五月蝿く水不足を訴える喉を黙らせるため、ボクはベッドから出てキッチンへ向かった。
センサーに従って点灯した補助灯の淡い光が照らす階段を降り、一階のキッチンへ。明かりを付けて冷蔵庫を開き、コップにくんだ烏龍茶を喉に投入。
「ぷはぁ」
よし、これで喉の苦情は抑えたし、さっさと寝ますか。
そう思ったボクは出口へ振り返り……
「あ」
”アレ”とエンカウントしてしまった。
キッチンの壁にそいつはいた。テカテカと黒光りする表面。カサカサとせわしなく動く六本の足。微妙に動く触角。そう、通称【害虫】と呼ばれる連中の中でも最も嫌われている、あいつである。
~パターン黒、【G】です!!!~
ボクの脳内にその言葉が妙にはっきりと響いた。
「きゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
今や、中途半端にちょっかいをかけてきていた睡魔など虚数空間の彼方に吹っ飛んでしまっている。悲鳴を上げて階段を陸上部も真っ青なスピードで駆け上がったボクは自室に飛び込み、あいつ専用の迎撃装備を担いで元来た道を突っ走る。迎撃装備とは、ボクが機械に強いことを生かして自前で殺虫スプレーを元に改造した対G用迎撃戦闘火器【高出力加圧型重殺虫スプレーライフル弐式】である。一応「スプレー」とはついているのだが、先代の壱式からの改造に次ぐ改造のせいで元の面影を全く残していない。外観はもはや「重火器」である。いや、性能すらも「霧状の殺虫ガスを噴射する」という元のものとはかけ離れている。霧状、ではなく圧縮した空気と殺虫ガスそのものとの混合物を目標地点に向け叩き付けるというもので、ガスガンと言ったほうがいいかもしれない。空気砲的なほうの。どっかの某青狸も真っ青である。身の丈程もあるそれを抱えて階段を駆け下り、キッチンに飛び込んで奴のいた場所に照準を合わせる。
……奴がいた。
左肩のコンプレッサーが唸りを上げ、右肩の銃身へ圧縮空気と殺虫ガスを送り込む。
奴が足をカサカサと蠢かせた。
「ひぃ!」
寒気がした。身体中の毛が立ったような気がする。
ボクは蠢くあいつをなるべく見ないようにしながらトリガーを引いた。
「くたばれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!(泣)」
ドムゥッ!という異様な音と共に解き放たれた死の空気塊はあいつの身体と壁面を一瞬で粉砕した。
◇ ◇ ◇
side湊
その夜、僕は澪姉ちゃんのものと思われる悲鳴と凄まじい破砕音に叩き起こされた。
「澪姉ちゃんに何かあったんだ!」
僕は慌てて自室を飛び出し、音の発生源、一階へ向かった。
僕が階段を駆け下りると、一階の廊下の反対側から父さんと母さんが出てきた。
「父さん!母さん!」
「湊じゃないか!お前もあの音を聞いたのか!?」
「うん、澪姉ちゃんに何かあったのかと思って出てきたんだ」
二人も目標は同じのようだ。
「はっ!?早く澪のところに行かなくちゃ!」
母さんのその言葉で僕達は止まっていた足を進めた。
◇ ◇ ◇
「澪姉ちゃん!!!」
「澪!!!」
「澪ちゃん!!!」
僕達がキッチンに駆け込むと、でかいライフル銃みたいなのを担いだ澪姉ちゃんが座り込んでいた。その先には風穴があいた壁。
「あ~……」
……うん、大体理解した。【G】が出たんだろう。
「ふぇ…ぐすっ…ふぇえええええぇぇんっ気持ち悪かったよぉ~~」
「もう大丈夫よ、やっつけたんでしょ?」
安心からか、泣き出した澪姉ちゃんをあやす母さん。あそこまでなるぐらい澪姉ちゃんの【G】嫌いは激しいからなぁ、退治のためにあんなもん作っちゃうし……まぁ、わからんでもないよ、あの気持ち悪さは。
あ~、でも壁の穴、どうするんだろう……
P.S.あの後に「何が起きた!!」って騒ぎ出した近所の人達には乾いた笑いを発するしかなかったねぇ…
さて、尋常じゃないゴキ嫌いの澪ちゃん、かなり物騒なものを作ってました。人に向けて最大出力で撃てば最悪、死n(ry……もう重火器ですねwwww
さて、次は本編です。学園編開始はもうちょっと待っててくださいねw