アオノセイイキ・0
突然書きたくなったテンプレ神様転生話し小ネタです。
主人公は相変わらず男前な千真 侑李。20歳。神様のミスで死んで、ゲームの世界へ転生。恋愛ゲームが嫌いなのに、リサーチ不足の神様の所為で恋愛ゲームの主人公になる破目に。
そんな主人公のプロローグ(転生に至ったワケ)です。
転生前のプロローグ話しの為0をつけました。
※逆ハー要素有り話しになると思います。
【アオノセイイキ】という恋愛シュミレーションゲームがある。
クリスマスプレゼント交換で当たったが為に、やる破目に陥った逆ハーゲームだ。
内容はありがちななもの。
分厚い眼鏡をかけた主人公。身長は159cm。体重は45kg。色素の薄い瞳がコンプレックスで人見知り。けれど眼鏡をはずせば美少女設定。なのに眼鏡の所為で気付かれない。
オドオドというかビクビクとしている為、一歩間違うといじめられキャラ。
デフォルト名が浅海 香奈。
そんな主人公が、学園のイケメンと呼ばれる人種に熱烈片思いをされる所か、学園外のイケメンからも狙われる逆ハー好きには堪らないゲーム。らしい。
なのに、何故か途中からファンタジー要素が混ざってくる。
おい。どっちだ? これは恋愛か? 戦いか? チートか? 神子か? 何か一本に絞れと何度画面に叫んだ事か。
この辺りはタイトルが関係して尚且つ、全てのEDをクリアすると主人公のチートっぷりやらファンタジーな設定やらも堪能出来るらしいけど、これを用意したであろう人の一押しキャラを調べてクリアーするので精一杯だったよ。
はっきり言おう。
私もゲームはする。
する。が、恋愛に手をつけた事はない。せいぜいRPGをやってたら主人公とヒロインがくっついたなぁ、という程度の恋愛だ。
育成系も好きだが、恋愛物はない。
アクションもしたりするけど、性格上逆ハーとかなんとかっていう恋愛をやる気は起こらんっつーか……。あー。まだ、逆はするかな。逆ハーじゃなくて、ハーレム。
友人から、お前は女失格だ!何て言われた事もあるが、私の性格上それも仕方ないだろう。
女の子を愛でるのは好きだ。勿論目の保養で。
その気はまったくない。寧ろそんな感情を向けられたら引く。マジで引く。
そんな私の容姿は、アオノセイイキの主人公浅海とは間逆なもの。身長は170cm程。逆ハーじゃなくてよくハーレムを作っていると男からは言われる男前キャラ……らしい。
目立つのが好きなわけじゃない。が、女系家族の末っ子で男みたいな役割を押し付けられて育った所為か、そんな感じに育っただけ。
自分の性格が後押しをしたんだと言われたら、否定出来る事は何一つないけど。
けど、一つだけ浅海に似てるとしたら色素の薄い瞳だろう。
浅海は金茶。私は水色。おばあちゃんの血筋で、隔世遺伝で私に出たらしい。だけど私の場合は、からかってくる野郎たちを片っ端からのしてたら、いつの間にか言ってくる奴は居なくなったっけかな。
何故二ヶ月も前にクリアーしたアオノセイイキというゲームについて真剣に考えているか。
その理由は至って簡単。
ある意味これも小説の世界じゃ定番なネタを目の前に、握り拳を作っているからさ。思わずふふふ、なんて乾いた笑いが口から飛び出しちゃうね。
ちなみに、目の前にいる子供は金髪。碧眼。背中には白い羽という一見コスプレ中に見える子供が宙に浮いている。
「ごめんなさい! 僕の手違いで千真 侑李さんが予定よりも60年も早く死んでしまいました」
……60年って……今20歳だから、本当なら80まで生きれたはずなのか。
「本当なら孫やひ孫に囲まれて、家の布団の上で穏やかに亡くなるはずだったんですけどね。それなのに人を庇ってトラックに轢かれるなんて穏やかとは程遠い死に方なんですよね」
………すっごい引っかかる言い方をする天使だな。
「そんな千真さんには神様特典で、ある世界に記憶を持った状態で転生してもらいます。勿論チート能力もつけますよ。そういうの皆さんお好きですもんね!」
…………神様なんだ。天使かと思ったっていやいや重要なのはそこじゃない。記憶なしでいいよ。色々面倒じゃん。
「大丈夫です。千真さんの好きなジャンルはリサーチ済みですよ」
……………好きなジャンルって言うとRPG? RPGって結構大変だよ。そんなジャンルに転生させる気かこの神は。
「涙有り冒険あり魔法有り。戦いもあったりなかったりするあのゲームですよ!」
………………すっげー嫌な予感がする。
「勿論主人公ですよ!」
「ちょっと待…」
「アオノセイイキの世界へいってらっしゃーい! 今度は寿命を全うして下さいねー!!」
誰の所為だこの野郎ッッ!!!
目の前に居たらぶん殴ってたんだけど、神の言葉が終わると同時に視界は暗転。
くっそ。今度会ったら必ずぶん殴る。絶対ぶん殴る。簀巻きにして海に沈めてやるぜこの野郎。
言葉遣いが荒いのは仕方ない。なんたって腹立ってるからこれぐらいは勘弁してくれ。