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拍手地味な女の子《リョウとりーくんと俺》




 好物のひまわりの種を頬張るりーくん。

 

 もごもごと口いっぱいに頬張りながら、小さくてつぶらな瞳をクリンクリンとさせて俺を見上げる。


 まさしく至福の一時。


 手の平に乗せて、俺の手から種を貰う。


 食べ終わったら俺の手から腕、肩へと登り、暫くの間ウロウロと動きながらベストポジションを探す。運動兼休憩場所探しというやつだ。


「りーくん。いい場所は見つかりそうか?」


 そう聞けば、俺をジッと見つめながらなぁに?とばかりにちょこんと首を傾げる。


「………」


 その動作が可愛くて、毎回毎回聞いてしまう。

 そして、こういう時に後から人差し指でお尻の辺りを軽くつつくと、びくり、と身体を震わせながら恐る恐ると俺の方を見上げ、何やるの??とばかりに注意を促すような視線を向けてくるのもまた可愛い。

 懲りずにやり過ぎると、もう知らんとばかりにソッポを向かれ、部屋に帰られるので引き際が肝心だ。

 けれど大好物のひまわりの種を見せると、不機嫌ながらも種を貰いにきて、怒ってるんだからね!と言わんばかりに少し乱暴に俺の手から種を奪い取る。

 でも、いつもとは違う奪い取り方と距離の取り方に段々とりーくんの方が根負けし、少しずつそっぽを向きながらも距離を詰め、最終的に俺の背後に回り身体を密着させて眠りに入る。

 引き際も肝心だが、そんなりーくんを見るのも楽しみでつい度を越えて構ってしまう。


 りーくんの為の小屋に運動器具。

 身体に害のないものを選んで天然素材で装飾しながら、俺は今度は何がいいかな、なんてカタログとインターネットを見ながら考える。

 りーくんが俺に身体を密着させて寝ている時は、考えが纏まりやすい。

 こんなのがいいか。

 あんなのがいいか。

 ひまわりの花の形を取った装飾をみながら、夏場はこれで小屋を飾るかと悩みながら、ふと別の所に目を奪われる。

 インターネットを見ていると、度々他の食品に目を奪われる、という事が増えた。今回つい見てしまったのはベルギー産のチョコレート。

 インターネット限定という言葉が踊り、在庫1という数字も目に入る。これなら別にいつでも入手出来るが、つい購入ボタンを押しながら手続きを済ませてしまった。

 衝動買いというヤツだ。


 あぁ。しかしな。チョコだけだと物足りないか。

 恐らく高級、と言われるチョコなだけに、個数は少ない。あの頬張り方を見れば、これだと最初の休憩で終わりそうだ。

 俺はページを移動させ、いつもの場所で何点か品物をカゴへと入れた。ブルーベリーやイチゴやパイナップルをチョコで包み込んだもの。

 他にはクッキーとチョコを組み合わせたもの。ついついチョコが多くなるが、個別包装で簡単に食べれるものというと、こういったものしか思いつかない。

 ついでに虫歯対策のキシリトール配合のガムも購入しつつ、俺はページを元に戻そうとした所で、りーくんが身動ぎした事に気付いた。

 思いの他長い間見ていたらしい。

 りーくんがもぞもぞと身体を動かしながら、小屋へと戻っていく様を見ながら、俺は固まった身体を解す。

 こうなると、りーくんは三時間は小屋に入りっぱなしだ。プライベートの時間も大切にするりーくんは、ある程度俺にくっつくと、こうして自室へと戻っていく。


「ふ。本当に、リョウはりーくんに似てる」


 けれど最近、リョウがりーくんに似てるのか。りーくんがリョウに似てるのか。

 それとも個々で可愛いんじゃないかと思い出す自分もいるのだが…。


 いまいち、チョコを口いっぱいに頬張るリョウ=りーくんと被ってしまうのもまた事実。


 だが、すぐさま、まぁ…いいか。と思い直す。

 まだ二年ある。

 それで答えが出ないようなら、大学まで連れて行けばいい。


 リョウはいらないと言いそうだが、ここの大学を出れば就職先は思いのままだ。誰かの秘書にでもなって、真綿で包み込むように皆で保護すればいい。

 リョウに負の感情なんて似合わない。

 今のまま変わらずにいけばいい。


 とはいっても、俺たちが初めて内にいれた、俺たち以外の人間だ。


 俺が手放しても、俺以外がそう簡単に手放すとも思えないがな。




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