拍手アルカナ《バレンタインデー》
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「はい、本日のメインイベントバレンタインデーのチョコです」
「なんだ? その棒読み? しかも…」
「はいはい。その辺りのコメントはいりません。とりあえず人数分は用意したけど、好みとかは一切配慮してないからね」
「俺へのはあるんだろ?」
「ありません。あるわけがないです」
「つれないなぁ、なぁ…風羽」
「ぅわ。お化け屋敷の方がマシな音が聞こえてきた!」
「相変わらず可愛げのねぇ女」
「そんな彼女が好きなくせに」
「おい。テメェはまだ出てきてないだろ?」
「いやだなぁ。悠祇君」
「テメェに名で呼ばれる筋合いはねぇ」
「風羽ちゃん。チョコありがとね。異世界で寧ろ人じゃないからそういう習慣はないんだけど、やっぱもらえると嬉しいね」
「思いっきり義理なので、お気になさらずに」
「自分を包み隠さない風羽ちゃんに好感がもてるね」
「M属性の人は悠祇と遊んでいて下さい」
「つれないなぁ」
「否定しろよ」
「風羽ちゃんにはいじめられてもいっかなって。勿論、いじめてあげ…」
「はいはいストップー。カンちゃん。この歩く猥褻野郎二人、外に放り出してきて」
「俺を呼ばないで。困るから。寧ろ【正義】を呼べばいいじゃん」
「【正義】も煩いから嫌。夜更かしがどうとか始まるし。悠祇と【正義】の二人は無理無理」
「ちょっと待て。あいつ等と俺を一緒くたにするんじゃねぇよ」
「猥褻野郎が何を言う。歩く公害誑し人間が」
「風羽が望むなら、俺の全ては…」
「きゃー。変態が出たー」
「変態だとッ!?」
「そうそう。悠祇が平然とセクハラかますのよ」
「──といえども、容赦はしないッ!!」
「軽々と風羽に触るんじゃねぇ!! 風羽に触っていいのは俺だけだ!!!」
「風羽をそんな目で見る事は許さん!!!」
「チョコ、置いとくから勝手にわけてね」
「あれ? 風羽ちゃん帰っちゃうの? これ放置して??」
「当たり前でしょ。面倒だし。じゃ、またねー」