拍手《auraもしもシリーズ③》
auraもしもシリーズ③ 凛の性別がばれていたらの甘い感じのお話し・テノ編。
※テノが純情?です。
本編の黒い?感じのテノのイメージが崩れる可能性があります。
これは地響きかそれとも自分の心臓の音か。
ドッドッドッと地の底から迫り来るような音と共に、俺はというと朝食作りに勤しむ。これは、いつもリーン、さんが作ってくれるというか、譲ってくれないというか。
なので強制的に寝かしつけて、今日は俺が作っているんすけどねー。
しかし、未だに慣れないと、音をなるべく抑えながら料理を作りつつ、息を吐き出した。
緊張。
ものすごく緊張。
これぐらいなら、どこぞの国を滅ぼしてきてーって言われた方が楽と思える程、今すぐ神経が焼ききれるんじゃないかと思うほど熱が上昇する。
目の前の赤と青が煌く炎と今の自分の手の平どちらが熱いかな、なんて半ば本気で迷いながら、最後にトーストを焼き上げて本日の朝食の準備は終了。
そう、緊張はこれからがクライマックス。
ベットに横になるリーン、さんを起こすという一番のメインイベントっす。
それが至福であり、そして身体が強張る程の緊張の時間。
嬉しくて、嬉しすぎて起こる現象。
夢じゃないかと不安になって、思わず抱きしめれば返ってくるのはリーン、さんの笑顔。
それを通り越せば別の意味で緊張が高まるけど、何故かリーン、さんの態度は変わらない。
相変わらずの微笑み。
最近、それに甘さが加わったと思うのはきっと、気のせいじゃないはず。
けれどその甘さを堪能するには、自分の幸せ過ぎての緊張を解かなきゃならないと思えば、無意識のうちに両手に力をこめていた。
「呼び捨て…呼び捨てで呼ぶっす」
そうすれば、リーン、さんも呼び捨てしてくれる。
テノ、と呼んでくれる。
そちらの方が親しげだと思うが、リーン、さんに呼ばれた事を想像した瞬間頬に朱色が走る。
このぐらいで照れるなんてと思えば思う程、体内に熱が宿るのを止められない。
それなりの経験もあるはずなのに、それなりは所詮それなり。
本命と相対するのはまったく違うと、この時ばかりは心底実感するしかなかった。
「リーン、さん。りーん……さん。おはよっすー」
ドックンドックンと心臓の音が地鳴りのように響く。
口から心臓が飛び出すんじゃないかと思える程、きっと傍から見ると挙動不審。
「おはよ、テノさん」
薄っすらと目を開けて、ふわん、と蕩けそうな笑みを浮かべるリーンさんを衝動的に抱きしめかけたけど、やっぱり心臓が煩すぎて抱きしめられそうにない。
「おはようっす。今日はトーストと目玉焼きとウィンナーっすよ」
きっと顔は真っ赤だったけど、リーンさんは俺の手をとって立ち上がってくれた。勿論、笑みを浮かべたまま。
繋がれた手の温もりにまた照れながら、痛くない程度にリーン…さんの手を握り締めた。これぐらいは、いいっすよね。
今は、俺のリーン、さん…だし。