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拍手aura《バレンタインデー・ホワイトデー》

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《バレンタイン・デー》




「はい。バレンタインのチョコケーキ」


「ぅわ。すごいな」


「確かに。大変だったんじゃない?」


「個別に用意したわけじゃないから、それほどかな。甘いものだけだと飽きるかなぁ、って思ったから、今日の夕食はオレが作ってみたよ。

 ケーキはデザートね」


「フェル。涎…」


「垂れてない! リーン。手伝うよ」


「早く食べたいのか…フェルらしい……テノも呼んだほうがいいかな。いや、フェルの屋敷にはこないし呼ぶだけ無駄か」


「呼んだっすか?」


「……何処から来たのかな?」


「リーンさんが招待してくれたんすよ」


「わかってはいたけど、リーン馬鹿だね」


「甘いッすよ。ヒース様」


「…?」


「大馬鹿っす。悔いる事無くリーンさんが全てです」


「いや…気持ちはわからなくもないけどね」


「というわけで」


「何が?」


「手伝うっすよ。リーンさん」


「フェルが居るけど?」


「大丈夫すよー。見えてないんで」


「………」




《ホワイト・デー》




「なぁ、ヒース」


「何?」


「リーンは喜ぶかな?」


「リーンは喜ぶと思うよ。何買ったか知らないけど」


「お前っていつも酷いよな」


「いつもならいいじゃない。日常だからもう気にならないでしょ?」


「いやいやいや。たまには優しさをって思うだろ?」


「別に」


「………」


「そういうヒース様は何を買ったんすか?」


「最近神出鬼没だね」


「拍手限定っすよ。なんせ、俺とフェルディナント様は基本からまないんで」


「今もからんでる気はしないけどな」


「からんでないっすよ。俺が話してるのはヒース様っすから」


「魔法師団はこんなんばっかか?」


「こんなんばっかだよ?」


「…………」


「ヒース様」


「はいはい。俺が買ったのは手作り道具だよ。これさえあれば、作った玉を色々なものに出来るからね」


「リーンさんの好みを抑えているすねぇ」


「そういうテノは?」


「俺は……新作の文房具と布っす。文房具の方は特別感はないすからね。布は遠くの国から取り寄せてみたっす」


「そういうテノも抑えてるよね」


「当たり前っすよ」


「で、フェルは?」


「……瓶、とか。珍しい植物の種とか…」


「何でそんなに自信なさげなの?」


「いや。だってお前等二人はリーンの好きそうなものだし」


「大丈夫だよ。その大きさからすると瓶も数十種類あるんでしょ? 玉を詰めたりするのも必要だろうし。フェルにしては気が利いたお返しなんじゃない?」


「これで異国の調味料とかだったら、遠慮なくぶっ放したんすけどね~」


「……魔法師団団長ってさ、俺の事嫌いだよな?」


「リーンさんの手料理を毎日食べて一つ屋根の下に暮らしてる贅沢者が何を言ってるんすかね?」


「ワンブレス」


「……やきもちか」


「もっと言えるっすよ? 勿論ワンブレスで」


「別に聞きたいわけじゃないよ。寧ろ面倒だし」


「魔法師団の関係がよくわからなくなるよな。妙にトゲトゲしてるっていうか」


「猪突猛進騎士団は黙っててくださいっす」


「俺も魔法を使えないわけじゃないんだけど?」


「その髪で使えないって言ったら笑っちゃうけどね」


「そうっすね」


「……お前等二人って性格悪いよな」


「いやだなぁ、フェル。今更だよ?」


「別にフェルディナント様に優しくしてもっすよねぇ?」


「……お前等二人ってマジで酷いよな」



「どうしたの?」


「リーンさん。こんにちわっす」


「こんにちは。フェル……どうしたの?」


「リーンの優しさが身に染みるなぁ」


「リーン。フェルの事は気にしなくていいから……はい、これ」


「ん??」


「リーンさん。俺からもっす」


「出遅れた……リーン、俺も!」


「え? あれ? これって??」


「「「おかえし(っす)」」」


「え?? いいの???」


「当たり前だろ」


「勿論」


「リーンさんが貰ってくれないと困るっすよ」


「…そっか。ありがとう」




《おまけ》琥珀・クロイツ・アーフィイ


「過ぎましたね。バレンタインもホワイトも」


「そうだな」


「凛様にあげたかった…」


「今からでもやればいいだろ」


「凛様の性格上、イベントならば貰ってくれるとは思いますよ」


「つまり、何の脈絡も無い日のプレゼントは恐縮されると?」


「でしょうね」


「…そうか。それもそうだな」


「相方はどうしたんです?」


「閉じ込めてある。お前に会ったら煩いだろうしな」


「可哀想に」


「心にもない事を」


「当然です。凛様の膝枕を体験したような輩ですよ?」


「しかも掴んだしな」


「………消しましょうか?」


「やめとけ。あれも貴重な存在だ」


「本編に関係ないでしょう?」


「拍手おまけで本編を出すな。俺たちも出番は少ない」


「貴方の場合は幕間だけでしょ?」


「……お前の出番に劣ってるとは思っていないがな」


「そうですか?」


「そうだろ?」


「なんつー殺伐とした会話してるんだよ」


「なんだ出れたのか」


「出てこれたんですか。甘いんじゃないですか?」


「今度はもっと闇を濃くする」


「ちょっと待て!」


「大丈夫ですよ」


「あぁ。ただちょっと迷子になる程度だ」


「………俺か? 俺が上の赤いヤツに立場なのかよ──って、上の二人を野放しにしてるんじゃねぇよ!!」


「「今更」」


「今更でも何でもここで会ったんなら」


「会ってないだろ」


「会ってませんよ」


「……」


「さて、煩いのが来たから俺は帰りますよ」


「いつまでもその気持ち悪い話し方を続けるつもりだ?」


「さぁ?」


「……俺に対してだけ意見が合うのかコイツ等は…」




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