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      8


次の日、斗基が玄関で靴を履き替えているといちごと弥生と偶然出会う。

いちごはどうしようかと1人でパニック状態になっていた。


「どこ行くの?」


斗基はそれを横目で見ながら、あえて触れず2人に尋ねる。


「え・・あの・・・」

「次の講義まで時間あるから・・・本屋行くのよ。斗基は?授業?」

「そうそう。あ、じゃあジャンプ買ってきて★」

「20にもなって・・・」

「やっちゃんは冷たいんだから。いちご、買ってきて?」


2人があまりにも普通に会話をしているので、状況がうまく把握できないでいるいちご。

現に話しかけられても数秒経ってから反応した。


「・・・・え?あぁ。うん。分かった」

「サンキュー♪じゃ、よろしく~」


斗基は笑顔で、手を振って校内へと入って行った。

弥生も笑顔で手を振る。

いちごだけは、釈然としない顔で手を振る。



********



「彼氏ができた?!」


本屋へ向かう途中で、いちごが「斗基とどうなの?」と聞いて返ってきたのは驚く事実。


「そう。だからふっきれたのよ。大丈夫。」

「どんな人なの?」


いちごの心臓は突然の事なのでうるさく鳴る。


「ほわぁーんとしてる人。今度紹介するよ」

「ありがとう。ほわぁーんかぁ・・・。斗基とは違うね」

「全然違う人だよ。今考えると斗基のどこが好きだったのかわかんないのよねぇ」


弥生は迷いのない目で前を見ていた。

その横顔がとてもきれいで、いちごは思わず見入ってしまった。


「いちごは、斗基のどこが好きなの?」

「え??!!!!」

「え?って・・・・・違うの?」


またしても心臓がうるさくなる。


「私は別にー・・・ただの良い友達というかぁー・・・」

「斗基の前だといちごよく笑うよね」

「それは面白いからでぇー・・・」

「面白いだけで笑ってるのならいつも笑ってるわよ。斗基の前では笑顔が女の子っぽいのよ」

「うぅ~・・・」

「フフ。違うって思ってるならそれでいいよ」


いちごより少し背の高い弥生が、いちごの頭を撫でる。

本当の苺のように真っ赤になってしまったいちごであった。




―斗基はいい友達だよ。

 うん・・・そうだよ。





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