【第7章】天下布システム
前書き:
時は令和――いや、もはや“電脳戦国”の時代。
武力でも演説でもなく、タップとスワイプで天下を取る時代がやって来ました。
今章では、我らが信長が突如思いついた“とんでも政治改革アプリ”『天下布システム』によって、現代国家がゲーム感覚で操作され始めます。
選挙に行かない若者が、“ガチャ”には全力で課金する。
――なら、国の未来もガチャで選べばいいじゃないか?
そんな暴論を実現させてしまう男、織田信長。
彼の指一本から、革命が始まります。
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【第7章】天下布システム
翌朝。
信長はYouTubeチャンネルの更新をサボり、
ベッドに寝転がりながら、スマホを眺めていた。
「……やっぱ、紙と鉛筆の政治、向いてねぇな……」
そのとき、信長の脳内に電撃が走る。
「アプリだ!!」
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それから1週間後。
突如、全国のスマホに通知が届く。
《新アプリ「天下布システム」公開:織田内閣公式》
•税金の使い道をスワイプで選択
•法案の賛否をタップで投票
•街づくりをリアルタイムでAR操作
•内閣閣僚の交代をガチャ形式に!
レビュー欄は騒然となった。
•「ガチャで政治とか、頭おかしい(★5)」
•「SSR家康引いた!寝てばっかだけど有能!(★4)」
•「信長が政策で炎上してるのに“本能寺ボーナス”付くの草(★5)」
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家康は苦言を呈した。
「総理、国民が政策を“タップ”で決めるのは流石に軽すぎでは……」
「なら寝てろ」
「すみません、寝ます」
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アプリの支持率は90%を超え、
“無投票層”の若者たちが爆発的に政界に参加し始めた。
「“課金で政治参加”って、マジで民主主義なのか……?」
と悩む大学教授が特集を組み、
「オタクは政治を救うのか?」という論文が話題となり、
「天下布システム」が App Store 政府カテゴリ1位 に君臨した。
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だが、当然ながら反発も生まれた。
「ワシら、指一本で追い出されたぞ!!」
と地方議会のおじさんたちが激怒。
老舗官僚たちは、
「タップで左遷はちょっと……せめてフリックで」と懇願した。
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そしてある日、深夜のログに不穏な“アカウント”が現れる。
名前:Re:本能寺.exe
アイコン:紅い炎
コメント:「信長、次はお前がログアウトする番だ」
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信長はニヤリと笑った。
「来やがったか、ラスボス感……!」
秀吉「運営に通報する?」
家康「もう寝ようぜ……」
信長「いや――こっからが戦国本番だろ」
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(つづく → 第8章「ログアウト戦争」)
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後書き:
「SSR家康が出ました。寝てます」
「タップで法律通しました。深夜2時です」
「本能寺ボーナス、バグじゃないの?」
──カオスです。全方向カオスです。
ですが、この物語は単なるギャグではありません。
**「参加できる政治」**という理想が、思わぬ形で実現した世界。
タップ1つで国の未来を変えるその軽さが、同時に重さを帯びていく展開にご期待ください。
次回、第8章『ログアウト戦争』では、ついに謎のアカウントRe:本能寺.exeとの戦いが勃発。
信長の宿命、その真実が“ダウンロード完了”されていきます。
つづく!
後2話で終わります