表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

ガタガタ現る

「あれ、最近、客が来ないな」


 理由はすぐに、分かった。

 森で異変が起きている。


 あの異世界人の仕業だ。


 里人が森に入れない?


「ヘイ、頭目、あれが、森の調停者を名乗って、弱小部族、狐獣人族についた。エルフの調停が効かないと森に入った狩人が言っていました」


「エルフが負けたのか?」

「禁じ手、森を焼きやがった」


「何だと!」

 火炎魔法は、森の中では禁じ手だ。森、燃えるだろう。


「それで、領主軍が、編成されて、冬の仕事は中止さ。どこもお財布は固くなっている」

「領主軍は、警戒態勢状態」


 ええ~、どうするんだ。


「転生者は、森で大帝国を作るみたいでさ。他の部族を攻撃し続けている」


 やがて、

 この村近郊に、森の中心部族、エルフや、狼獣族が落ち延びてきた。


 村の外の草原にキャンプを張りやがった。

 村人たちは不安に陥る。負けたって言っても、村人がかなう相手ではない。


 ほっとくわけにはいかない。俺には、関係がある。


 村人が困ったら、俺たちの食い扶持がなくなる。

 盗賊団の総数を合わせても、エルフや、狼獣族にかなわない。


 なら、


「・・これは、人族殿、食糧支援有難うございます。エルフが一の姫、オリビアと申します」

「感謝する。狼族族長の娘、ガオルです」


 何と、男たちが盾になって、女たちを逃がしただと、

 子供と女たちだけだ。

 良かった討伐しなくて、


 女子供を殺したら、評判が悪くなる。

 すると、客が来なくなる。


 彼らから聞いた話は、こうだ。


 異世界人が、狐獣族の男衆に「じゅう」や「かえんほうしゃき」を渡し。ガタガタで、暴れ回っている。


 ガタガタって何だ?


「姿は見ていません。地竜の一種らしいですわ」

「それは、それは、不気味だ」


 しかし、ここまでは来ないだろう。


「奴は何をしたいんだ?」


「はい、捕らえたエルフや、獣人族を、奴隷として働かせ。森を開墾。ドワーフを捕らえようとしています」


「何だって」


「内政ちーとと言ってますが、よく分かりません」


 う~む。これは、俺には関係ない。森のことは森で解決してくれたまえ。領主のことは領主様だ。

 まあ、彼らには、村の仕事を手伝ってもらって、その対価として食料を渡せば村人から感謝され、俺の名は上がる。

 王都に買い出し隊を出さなければな・・・


 ブロロロロロ~


「「「ヒィ」」」


 何だ。あれは、鉄で覆われた地竜に、狐獣族が乗っている。

 地竜一頭に、狐族、5人ってところか?


 奴らは、あの杖を持っている。


 話の途中に、狐獣人族はやってきた。



「ヒヒヒヒヒ、エルフざまぁだな」

「狼の時代は終わりだ。これからは、頭、狐族の時代、わかる~」


「フランキー殿、お逃げ下さい」

「これは、私たちの問題!」


 そうだ。俺は関係ない。

 エルフなら、どうにかする。いや、奴隷になっても死ぬわけじゃない。


「女たちは、車に乗れ、子供はいらない」


「黙れ!父上の仇!」

「親父の仇!」


 あ~、いっそのこと。彼らが、この人たちを連れ去ってくれたら、食い扶持は減るな。

 逃げよう。


「ちょっと、お待ちなさって、私めは、フランキーと言う、ケチな野郎でして!どうか、私の顔に免じて、彼女らはご勘弁下さい。お金なら用立てしますぜ」


 と思ったが、やっぱり、やめた。エルフや狼獣族の次は俺たちだ。

 俺は、狐獣人族の若い奴に、土下座をした。



「へへへへへ、グシシシ、いや~、とても、お強いと聞きまして、それでしたら、こんなことをしなくてもおモテになるんじゃないですか?」


 相手は、5人いるぞ。鉄の杖を持っている。


 俺は、目配せをする。『逃げろ』


「おい、時間稼ぎがミエミエだな」


 グリグリと足で頭を押さえつけられた。


 万事休止だ。


 グサッ!


 俺は、狐獣人の腹を刺した。

 土下座からのジャンピングで勢いよく刺さったぜ。

 ああ、今日は良い日だ。


「何だと!」

「撃て!」


 その時、俺の周りに、水がまとった。いや、正確には、水の玉だ。大きい。人の頭一つ分が多数浮かぶ。


 リリーの声だ。


「ヒクッ、対異世界兵器戦闘1!ウォーターボール!」


 バン!バン!バン!


 鉄の小さな弾が、水を通ると、ポタン、ポタンと落ちる。


「ヒック、続いて、ウォーターカッター!」


 奴らの体が、真っ二つに斬れた。


「な、何だ」

「ヒィ、ミノル様に報告だ!」


「させないよ。ヒック、エルフ、狼ちゃん。お願い」


「分かった。音響魔法!魔狼の遠吠え!ウオオオオオオオーーー!」


「「「「ギャアアア」」」」

「鼓膜が破れる~」


「ウィンドウカッター!」


「「ギャアアアーーーー」


 いや、二人、強いじゃん。


 バン!


 一人、末期に撃ちやがったが、瞬殺された。


「リリー、すごいな。あれ、どういう理屈だ・・リリー!」


「ざまないね」


 リリーの足に銃弾が、


「今、助ける」


「ヒック、それどころじゃないよ」


 俺は、とりあえず包帯を巻いた。

 エルフのオリビアさん。治療魔法を使えないかな・・・


 ガタガタガタ~~~


 何だ。地面が揺れる。


「「「ヒィ」」」


 鉄の地竜が現れた。なんだ。でっかい丸太を鼻のように飛び出ている鉄で覆われた地竜だ。


 上から人が生えている。あ、あいつだ。転生者だ。


最後までお読み頂き有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ